ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

チベットみたいなところ

2010-02-23 21:42:41 | Weblog
「チベットみたいなところ」という言葉を聞いて、
まず私が思い浮かべるのは、「ああ、高山だから空気が薄いんだ」ということ。
これは、私がチベットに行った時、酸素が薄くてつらかった実体験に基づく。

少し前に、「モンゴルみたいなところ」という言葉を聞いた。
そのときに私が思い浮かべたのは、
「360度草原で、少し心細くなっちゃうところ、ってことか」だった。
これも私の実体験による。

実際に現地を訪れた私の言葉であっても、
やはり、チベットやモンゴルの一面を切り取った言葉にすぎない。

だから、比喩として使った人にその含意を聞くと、いろいろなイメージが出て来る。
その想像力は、なかなかおもしろい。
ただ、ほとんどの人は、チベットとモンゴルともに、
産業がなくて牧歌的なところ、もしくは、陸の孤島という意味で使っているようだった。

人それぞれ、いろいろな感じ方があるのだなあ、と思う。
特に「チベットにたとえるなんて、失礼だ」という反論の意見は、何とも言えない。

チベットの人たちは、中国の一員でありながらも、
自分たちの独自の文化を守るために一生懸命たたかっている。
山陰地方の人だって、土地の文化を守ろうとしているだろう。
一人の人間として生きて行く以上、心のよりどころとなる文化や土地への愛着は、
誰にだってあるものだし、他人も敬意をはらうべきものだと思う。

こういう比喩は、「お前のかあちゃんでべそ」に近いと思うので、
私は気をつけたいと思う。

鬼が出た

2010-02-23 00:40:11 | Weblog
昼間思ったような百鬼夜行の気配はないけど、今晩は人間の鬼が出た。

むかし幼稚園に入る前くらいの幼かったころ、
「お墓のそばを通るのが怖い」と言った私に、
母がこう応えた。
「いちばん怖いのはね、人間の心なんだよ。生きている人が、人を傷つけるんだよ」

私の周りには、傷つかないと思い込んで、とことんえぐってくる人がいる。
わざと気づかなかったフリをして流しているだけなのに、
なぜグリグリと、そこを突いてくるのかが本当に不思議だ。

でも、思い返してみると、私も同じことを他人に対してやったことがあるし、
たぶんいまも無意識に、そんなことをしてしまっているんだと思う。

ただ、その人の場合は、「大丈夫? それなら、もっと捌け口にさせてよ」
という意図が見え見えななか、目の奥を覗き込むようにえぐってくるので、
途中でだんだんと腹が立ってくるのだけど、
それは、その人の弱さであり、私の弱さなんだろうと思う。

よく、その人のそういった性質のことを、他の人は、
「あの人は自信満々で、他人を人とも思っていない。傲慢だ」と言うけど、
私は逆だと思っている。
そこまで示威行動に出なければ安心できないという、弱さのあらわれなんだろうと思う。

でも、そう思って流していると、どんどんどんどんどんどん、不満が積もって来る。
そして、爆発しそうになったとき、なんでこんなに不快なんだろうと考える。

いつも言っていることをコロコロ変えるくせに、最後は他人のせいにするの。
それに振り回されるほうの身にもなってよ。
事前にそうならないように意見しているんだから、少しは私の言っていることも聞いてよ。
言い返せないと思って、なにもそんな言い方することないじゃない。

そして、いろいろ浮かぶ不満の言葉の背景にあった事柄を思い浮かべる。
そうしているうちに、今日は考えるのをやめた、と思う。
感情が先走っているだけで、まったく支離滅裂な状態になっている自分に気づく。

自分を一番傷つけるのは自分だ。