ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

不連続の連続

2010-02-21 22:18:16 | Weblog
基本的に文章は何でも好きな方だったのだけど、
小さいころ「伝記」というジャンルにはどうしても馴染めなかった。

「ナイチンゲール」は、感動した記憶があるけど、
「キューリー夫人」は、まったくダメだった。
それでも、なぜか小さいころからお釈迦様に関するお話は大好きだった。
以来、いろんな本を読み、ずっと仏教には親しみを持ちつづけている。

仏教の本は、読めば読むほど広がって行き、終わりが見えない。
このままだと、有名なお経の入門書を読むだけで、
一生が終わってしまうだろうと思う。
冊数が多い上に、読み返したくなるものが多いので、
成長がなく、堂々めぐりをしているような気持ちすらしてくる。
独学だからしょうがないのだけど。

最近、読むほどに、仏教というのは、智慧の継続なのだと感じる。
例えば、ある家は、あるとき子孫がいなくて途絶えてしまう。
またある家は、成功者が出てとてもさかえる。
国家間の戦争や自然災害もある。
でも人類は、細かいことは不連続だったりするけど、
全体として見たら、なんとなく続いてきている。
だから、仏教の伝わり方は、人の歴史そのものなんじゃないかと思う。

そして、ネガティブな感情も修行に取り込み、昇華させる度量があることが、
私が仏教に興味を持ち続ける一番の理由なんだろうと思う。
いま、「維摩経」の入門書を読んでいる。
この経典は、私がとても好きな教典のひとつだ。