ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

働くこととボランティア

2010-02-12 20:00:08 | Weblog
ある人が「ベーシック・インカムが実現したら、
みんなもっとボランティアなどに目を向けてくれるのではないでしょうか」と
ネット上に書き込んでいた。

それを読んでから、ベーシック・インカムについて引き続き考えている。

確かに、毎月定額給付をもらえたら、そういう殊勝な人が出て来るかもしれない。
それに、現段階で、困窮しながらも頑張っている福祉関連の人には、
大きな助けになるだろう。

でも、ボランティアの活動が盛り上がるには、
いま以上に、その対象に「魅力」が必要になってくるのではないか。
収入と切り離して考えることができる、ということは、
よりやりがいを求め、対象選びがシビアになるということだと思う。
参加する側は、楽しいボランティアを求める。人間関係や、やることについて。
これは、人情として当然のことだと思う。

例えば、「老」「病」などの苦しみと向き合うことは、人にとってつらいことだ。
お金がもらえるかどうかの問題ではなくて、
それを見たくない、という恐怖心のほうが、動機として強いと思う。

そして、ボランティアは交通費やら、なにやら、出費が伴う。
どこかがそれを管轄して、あとから経費分を給付するにしても、
その管理は手間がかかるので、全体として結構経費がかかってくるような気がする。
まずは、不正が横行するだろうし。

私としては、定額給付をあげるよ、と言われるよりも、
日本で食べて行けないなら、外国へ出稼ぎに行け。
と、言われるほうが、よっぽどいろいろとやる気になる。
私なら、どんなに底辺と言われる仕事であっても、
外国でやるよりは日本でやったほうがいい。

そんな底辺の仕事も、いまの日本にはないんだよ、と言うのなら、
林業や伝統工芸の分野などはどうだろう。
そういう産業は、体質が古かったりして、新参者が入りにくいこともあるので、
精神面でのケアなど、周囲がバックアップできることはたくさんあると思う。
そういった国として残したい自然や、保護すべき文化を決めて、
その育成分野について重点的に資本を投下すれば、まだできることはあると思う。
なにも、全員に定額給付する必要はない。