ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

わが家の匂い

2010-02-15 19:29:43 | Weblog
私の家は「おばあちゃんの家」の匂いがする。
たぶん私からも「おばあちゃん」の匂いがする。

ほぼ毎日、お線香を焚いているから、家はもちろん、洋服にもうつっている。
たまに、「お香ですか?」と聞かれる。

以前は「お線香です」と答えていたのだけど、
そう言うと、相手が反応に困った顔をするので、
最近は「そうです。お香です」と答えることにした。

両親が亡くなった当初は、
供養だと思って焚き始めたお線香だったけれども、
そのうちにすっかり馴染んで、私自身が好きになった。
通販でいろいろな銘柄のお線香を買い、
高いもの、安いもの、煙の少ないもの、コーヒーの香りなどのものなど、
いろいろ試した。
約3年して、購入する銘柄が数種類に決まった。

そして、いまでは、お線香を焚くのが、
亡き人の供養のためなのか、自分のためなのかよくわからない。

家で「なにかが足りないな。あ、香りか」と思うと、
すたすたと仏壇の前に行って、位牌をちらりと見て、
すぐにお線香を焚き始める。
供養というよりは「こんにちは」くらいな感じだ。
「火を見張っててね」という依頼すらする。

もっと若い頃はインドのお香なども焚いたけど、
いまは日本のものが一番だと思っている。
なんとなく、位牌たちもそう言っているような気がするし。

お線香は、ある銘柄がテレビコマーシャルのおかげで有名になって、
スーパーなどは、ほぼその銘柄で埋まっているけど、
もっといろいろな銘柄があって、心をゆるやかにほぐしてくれるものがある。
また、甘かったり、さわやかだったりと、人工的な匂いがついたお香よりも、
私は昔ながらのお線香の方が好きだ。

そして、リーズナブルで一番よく使うお線香が、
少し前からAmazonでも買えるようになった。
思わずそちらで本などと一緒に買ってしまうのだけど、
これまでに利用してきたお香の販売サイトも、同じように利用していきたいと思っている。
そうしないと、いつかお線香の銘柄が少なくなってしまうような気がするから。