ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

見送り

2013-01-17 00:32:56 | Weblog
今日は上海でお世話になった日本人の友人が、
もうすぐ日本に帰るので、一緒にちょっといい食事をした。

日本人ならいずれは日本に帰るわけで、
そうなると話題に上るのが、日本の将来に対する不安。
特に、年金や介護保険料の負担の重さと、
将来それを受け取れないであろうことに対する不満。

新しく首相になった人が、いよいよ日本に引導を渡してくれそうだけど、
そのあと、どう再生するのか。

海外に出ると、
日本にいた時は当たり前だと思っていた理不尽さに対する忍耐力が、
ふっつりと切れる。
会社にも幻滅するし、日本の将来にも不安を覚える。

なかには「やっと日本の本社に戻れる!」と思う駐在員もいるけど、
そういう人は、根っからの安定志向なんだろうと思う。
安定が、頭に浮かんだすべての疑問に打ち勝つ人たちだ。

でも、海外にどっぷりつかると、普通は逆になる。
だって、私たちの祖国や会社の同僚は、
外にいる日本人に対してやさしくないって、経験で知ってしまっているもの。

本社からハシゴをはずされた駐在員や、
外務省の役人たちは真っ先に逃げるって知ってる私たちが、
どうやって日本を信じることができるだろうか。
反日デモのとき、日本領事館は「領事館は危ないのでなるべく来ないで」と
通達を出していた。
それは真実だけど、何かあったとき、私たちはどこへ逃げたらいいのか。
単なる事なかれ主義の現れにしか思えない。

それでもやはり、祖国は好きだ。帰りたい。
私は、引導を渡された後の日本に戻るのだろうなあ。
そのとき、役に立てるように、がんばろう。

ただ、今日、日本に向けて送り出した友人は、近い将来、また海外に出てくると思う。
そんな簡単に、日本に馴染めるわけがないだろう。