ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

格差

2013-08-10 14:43:53 | Weblog
日本も猛暑のようだけど、上海も暑い。
連日40度越え。香港あたりよりもずっと暑いようだ。
比較的、暑さに強い体質でよかった。

東京も私が小さい頃は、熱帯夜なんて1週間くらいのものだった。
立秋以降は、徐々に朝晩は涼しくなっていた。
そう上海人に言ったら、上海も少し前まではそうだったとのこと。
この暑さは自然ではなくて、人工のもののようだ。

同僚の中国人女子80后と夕飯を食べた。
中国の女性は、あまりお酒を飲まないし、夜更かしもしない。
だから、さっくり食べて、さっくり帰る。
私は暑さのせいと、金曜の夜だということ、
あと、仕事でちょっと疲れたせいもあってビールを飲んだ。
そしたら、小瓶が1本終わったところで「飲みすぎちゃダメですよ」とたしなめられた。
はい。気をつけます。

彼女は日本語科卒業なので、とても日本語が上手だ。
しぐさも慎ましいし、遠慮もすれば、すみませんと謝る。
私がほかの中国人スタッフに、
「これは日本のお客さんに見せるから、ここまでやって」と言うと、
「そんなの俺には関係ない。めんどくさいから、いやだ」と反抗されるのだけど、
彼女は「はい、わかりました。でもどうやったらいいかわからない。
後で見てください」と言って、こころよく協力してくれる。
非常にめずらしい中国人の80后だ。

彼女がそんな性格になったきっかけは、どうやら2つあったらしい。
1つめは大学に入ったころのこと。
親元を離れて中国東北部の都市にある大学に入ったとき、知り合った年配の中国人女性が、
「学校で習う歴史なんてウソばっかりだ。国民党だって、そんなに悪かったわけじゃない」と
例を挙げて話してくれたらしい。
それでとても驚いた、と。

2つめは、初めて日本に行ったときのこと。
みんな礼儀正しくて、サービスもよくて、親切で、すごくよかった。
中国国内にいる間は、なんとなくおかしいなと思うことがあっても、
具体的に経験していないからよくわからない。
実際に外に出てみると、それがよくわかる。
そして、厳格だった祖父の家庭教育が、どれだけ素晴らしかったのか、
もう亡くなったけれども、いま改めてすごい人だったと尊敬している、と。

そして自己分析として、
自分の頭で考えて行動に移すことがとても苦手だと思っているらしい。
私から見ると、彼女は十分に考える力と工夫ができる力をもっていると思うけど、
確かにアプローチの仕方が「暗記型」だとも感じる。

私はと言うと、彼女を見ていると、
中国のエリートは、なるほどこういう学校教育を受けて来たんだな、と思う。
そして、田舎の専門学校を卒業した人たちは、
やはり「仕事はするだけ損」という感覚を持っていて、
学歴の差は、意識の差に大きく関係していると感じる。
これは、日本人が想像する以上の違いだと思う。

ということで、有名大学卒業の人に対して、
いわゆる日本人が持っている中国人のイメージで接すると、
それは非常に失礼なことになるし、(向こうの方が賢いことも多いから)
中国の一握りのエリートと話す感覚で普通の中国人の職員と話すと、
あまりにも話が通じなくて、イライラする。
そして、普通の中国人というのは、おそらく10億人くらいいる。

この10億人くらいを相手に見ているようなら、
まだまだ日本人は優秀な感じがするけれども、
残りの3億人以上いると思われるエリートたちを考えると、
それだけで、日本の全人口よりも数が多いわけだから、
なかなか少数精鋭というのも、実現が難しい話だと思う。