ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

上達

2014-05-17 00:39:53 | Weblog
今日は久しぶりに、元同僚の中国女性と食事。
彼女の話す日本語のほうが、私が話す中国語よりも断然上手なのだけど、
ここは上海なので、9割以上を中国語で話した。

中国人と、およそ3時間に渡り、サシで中国語による会話ができるようになったので、
上達しないと思っていた中国語にも、少しは進歩が見られて嬉しい。

会話というのは、お互いの信頼感と共通の話題があれば、できるもので、
逆にそれがない場合には、日本語で話していても辛いわけだ。
そうはわかっていても、中国人に対して心を開くのは、私にはなかなか難しい。

正直言って、チベット人やモンゴル人、
あと雲南あたりの少数民族とはすぐ打ち解けることができるのに、
漢族は、なかなか仲良くなれない。

これはおそらく、漢族のほうにも原因があって、
彼らは初対面の人に、そんなに心を開かないからだろうと思う。
特に日本人には。

こういうことを考えるとき、つくづく、なぜ私は中国語を選んでしまったのかと思う。
中国人と韓国人以外の世界中の人は、基本的に、日本人には好意的なのに。

まあ、そんななか、仲良くなった友人は、きっと一生の友だちになると思うのだけど、
ここまでの道のりが、長いんだよなあ。

衝動買い

2014-05-15 21:36:19 | Weblog
どうせ開かないんだろうと思ってAmazonの日本のページを開いたら、
珍しくすごくサクサクで、思わずKindleの本を2冊も買ってしまった。
衝動買い。

上海は、来週国賓を迎えての会議が開かれる予定で、
なんと、当日は国営企業は休みになるほどの警戒ぶり(?)のため、
日本のサイトは総じて開きにくい。
日本の常識だと関連性はないが、「往来(情報の)」という共通項がある。

会社で「休みにならないんっすか~?」と聞いたら、
もちろん「ダメ」の返事だった。
絶対、交通マヒしたという理由で、来ない中国人がたくさんいる。
いっそのこと休みにしてしまえばいいのになあ。

東京も、首都高を封鎖することはあるけれど、
国営企業を休みにするほどの大騒ぎは、そんなにないと思う。
臭い物には蓋じゃないけど、路上から人民を減らそう作戦かと思った。

今日の昼食は、中国人の同僚たちと食べることになった。
そのうち1人は、いま部屋を探している。
これまでは、大学時代からのルームメイト3人で暮らしていたのだけど、
みんな別々の道を歩むことになったので、1人で住むには家賃が高く、
かといって、見ず知らずの人と一緒に暮らすのには抵抗感があり、
引っ越したいのだとか。

予算を聞いたら月額3000元だった。約5万円だ。
いま上海市内で3000元の部屋を探すのは至難の業。
築50年くらいの凄みがある部屋ならあるけれど、
若い女子が一人暮らししたいような小ぎれいなところはそうそうない。

確かその子のお給料は4000元。親の仕送りがある前提なのだろう。
通勤で1時間もかければ2000元代の小ぎれいな家もあると思うけど、
それでも、給料の半分は家賃だ。
上海の家賃は総じて高いし、それに、費用対効果を考えるときに、
この汚さでこんなに!という物件ばかりで、損した気分になる。

で、案の定、親に帰ってこいと言われているらしい。

バブルと言えば家賃だけど、上海の家賃は本当にヒドい。

すごい

2014-05-15 00:25:06 | Weblog
本日、2回目のチベット語講座。
先生が同級生全員に、チベット語の名前をつけてくれた。

私は、先生が選んでくれた名前を喜んでいただいたのだが、読み方がわからない。
中国語の意味では「蓮花仙女」。
なんだかとても、名前負けしている気がする。

そして、先生や中国人の同級生とは、チャットで情報共有をするのだけど、
微信の使い方がよくわからん!
LINEの要領だと思うのだけど、微妙に違う。中国独自仕様だから。

いろいろと授業中に使った資料や同級生が撮った写真等が微信で送られてくる。
それが、私のところで開いたときに、どこでどうちゃんと自分のものになるのかがわからない。
開くんだけど、チャットって、そのまま流れて行ったら、見えなくなるものじゃない。
どうやって保存するのよ!

授業中に「微信の使い方がわからないよ~」と言っていたら、
中国人が「どれどれ」と、私のスマホを覗き込んで、
「日本語版の微信だ~!!!」と、全然違うポイントで大喜び。

いまの中国人の若い人たちは、アニメで日本語を覚えているので、
結構単語レベルの日本語は知っている人が多い。
今日は、同級生が描いた絵を「すごい!すごい! 上手!」と言ったら、
喜んだ中国人たちが「すごい!すごい!」コールをしてくれた。一緒に。
で、チベット人の先生に「ところで、すごい!ってなんて言うの?」と。

どうやら、中国人にとっては、自国の少数民族であるチベット人の言葉よりも、
日本語のほうが親しみがあるようだ。

ぴかぴか

2014-05-14 00:26:45 | Weblog
私もよくやってしまうのだけど、中国人は、相手を「ガン見」しながら話す人たちなので、
パソコンに向かって作業してますが、耳だけ聞いてます、はダメなんだ。

今日、久しぶりにswatchのお店に入った。
色合いが好きなので、たまに冷やかしに行く。
でも買わない。上海で買うと高いから。買うなら日本で買う。

で、店員が寄ってきた。
私たちは日本語で話していたけれども、中国語で話しかけてくる。
面倒なので、申し訳ないが無視していたら、
必ず、私が見ている台の向こう側に立って、私の正面から私を見据えて話しかけてくる。
絶対に、視界の中央に入るポジションにいる。

ああ、そうだった。
中国人というのは、こういう接客をする人たちで、
さりげなく、とか、顔を上げたら寄ってくる、ということはなく、
常に将棋の対局のように、正面にいる。
慣れないので、結構なプレッシャーだ。落ち着かない。

swatchのラインナップは、最近のことはよくわからないけれど、
お店の商品の半分くらいが金か銀のぴかぴか色味だったので、
きっと中国人が好きな「光りもの」を集めているんだろうと思った。
そして、中間色が少なかった。

中国人がこのまま金持ちになり、世界で作られる商品の色味が、
中国人の好みに引きずられるようになると、
日本人にはちょっと、持ちづらい感じになると思う。

だいたい

2014-05-13 00:09:50 | Weblog
中国人たちが「差不多(だいたい)」でバトンを投げてきた仕事があるので、
「いいや、私もそうしよう」と思って流していたら、
やっぱり最後の最後にうまくいかなくなって、全部自分で作り直すことになった。

当然のことながら、データを「差不多」で作ると、データとしての意味をなさない。
で、「やりなおします~」と言ったら、
日本人の上司から「なんでこんなことになってる」と怒られたのだけど、
もう少しで「それは、最初の仕切りから日本人がやってなかったからです」と言いそうになり、
すんでのところで言葉を止めた。
こんな「差不多」のことで、中国人全員を敵に回してもしょうがない。

そうそう。こういう仕事の場合には、最後に日本人を入れないでほしい。
中国人だけなら、かなりおかしいデータでもサラッとお客さんに出せるのだから。
そして、もしお客さんからクレームと言うかツッコミが入ったら、
「え~、そうでしたか~。でも~、これで出していいって上司が~」と答えるだろう。

普通の日本人の感覚だと、どんだけお給料をもらっても中国人の上司にはなりたくない、と
思うのではないかと思うが、
中国人同士はもちろん違って、少しでも出世したいと思っている。

都合が悪くなったら隠れるか下に罪をなすりつけて逃げればいいわけで、
いる間は、がっぽりと袖の下をもらって、アゴで部下を使いたい。
そんな図に憧れている若い人は結構いる。

が、実際に上に立ってちゃんと長くやっている中国人には、人格者に見える人が多い。
おそらくは、もう二度と使われる側になりたくないから、
なんとか表面上は部下の機嫌をとって、
自分のポジションとお給料を守ろうとしているだけかもしれない。
とりあえず、どんなポジションにいても、できるだけ袖の下をもらおうとするし、バイトもする。
まあ、モラルは上から下まで「差不多」だ。

数学

2014-05-11 20:46:57 | Weblog
昨晩から今朝にかけて、外は嵐のような音がしていた。
こんな日は出歩かないに越したことはない。
電線がブラブラしていたり、思いもよらないところに水たまりがあったり、
不愉快なことがたくさんありそうだし、危ないから。

少し頭の中をぐるぐるさせてみようと思って、『隠れていた宇宙』という本を読んだ。

宇宙を語るような数学や物理は、まったく実感が伴わない純粋な概念の世界に思えるので、
難しくてわからないながらも、本として読むのは結構好きだ。

最近、中国人たちと一緒に仕事をしていて、よく、
数学的なアプローチが日本人と中国人で全然違うことがあり、面白く思う。
私が仕事上で使うような数式は、中学校レベルのものなので、
全世界共通のはずなのに、なんだか様子が違う。

大卒でも、中国人の文系出身の人は、まず割り算ができない。
単なる計算式は解ける。
でも、母数が何かを決めることができないから、数式自体が立てられない感じだ。

中国人は、足し算とかけ算は結構速い。
特に得意なのはこの計算。
○元の商品Aを10個売ると、売上額はいくらか?というもの。
「おお、それは簡単です。○○元ですね。
 なんと、13個売った段階で、私の給料よりも多いです」と、すぐに返ってくる。

しかしながら、少しでも割り算要素が入ると、難しくなるらしい。
先日すごく時間がかかった計算は、これ。
1つあたり130gの商品Bと、1つあたり140gの商品Cがあります。
各1000個送付したいです。日本に送る場合の1梱包の重量は10キロが上限。
だいたい何梱包になりますか? とりあえず、箱の重さは考えなくていいです、と言うもの。

これに3時間かかったときは、正直採用したことを後悔し、
たぶんコネで大学に入ったのだろうと思った。学歴詐称でないことはわかっているから。
きっと、なんらかの利益分をあなたにバックします、という問いだったら、
すぐに計算できたのだろうけど。

日本人は、こういう計算がスゴく速い。
会議中でも、公約数や公倍数、また集合の概念を使ったユニーク数の大まかな把握、
そして統計の考え方を使った次にくるものの予測は速い。
が、中国人はたいてい、ぽかーんとしている。
まず「どんな可能性があるか」で、母数を決めて行く作業自体に慣れていないようだ。
だから、計算自体はできたとしても、
その前に、とりあえずで立てなければならない母数や仮説が導けない。

まあ、政府自体が統計に手こずっている国だから、そんなもんだろうとは思うし、
仮説を導かないように、党の指導だけを信じるように育てられてきたのだから、しょうがないけど、
これで、宇宙飛行させてしまうあたりが、中国はすごいなあと思っていたら、
全部他国からの違法コピーだから、計算自体は他の人がやってるんだよ、という友人の答えに、
なんだか妙に納得してしまった。

でも、中国は途方もない人口がいる国だから、
きっとそのうち、宇宙物理学でもノーベル賞を取るような人が出てくるのだろう。
いま、考えられているような多宇宙の概念とはまったく違うものも出てきそうだ。
今の感じだと、お金儲け視点からの宇宙論になりそうだけど。

ああ、お金儲けに直結しない研究は、そもそもやらないか。中国人は。

卒論の思い出

2014-05-10 18:45:21 | Weblog
上海の地下鉄で、チベット語の文字を暗記していたときに、ふと思い出した。

いまから約20年前、大学4年生で卒論を書いていたときのことだ。
卒論の主査の先生からは、中国文学を卒論のテーマに選ぶように
かなり説得されたのだけど、
結局私は、モンゴルによる中原支配をテーマに選んだ。

本当は、モンゴル帝国自体をテーマにしたかったのだけど、
あまりにも中国文学から離れてしまうことに対する申し訳なさを感じ、
なんとなく対象エリアだけは「中国」にしてみた、という卒論だった。
ただし異端なので、参考とする文献の正当性から教授たちを説得する必要があった。
そして、それでも認めてくれた教授たちは、とても心が広かったと思う。

ある日、卒論の進行状況に関する質疑応答が終わった後、
主査と副査の先生から、こう言われた。
「あなたは、卒業後、どうする予定なのですか?」と。
「就職が決まっているので働きます」と答えたら、
「大学院に進むと言う選択肢はないのですか?」と言われた。

私は「母が病気なので、経済的に自立する必要があり、
本当は内蒙古大学あたりに留学したいですけど、いまは無理です」と答えた。
そしたら先生方は「そうですか、残念ですね。
将来、必ず、学問の世界に戻ってきてください」と言ってくれた。

そして、「東洋学の祖である那珂通世博士は、もともと支那の専門家だったけど、
支那を理解するには、周辺の民族のことも知る必要があると思われ、
40歳で満洲語とモンゴル語を学び始めたと聞きます。
そして、モンゴル語と満洲語の文字の基礎となったチベット語にも通じていらした。
確かに仕事をして、社会を見るのは必要なことです。
でもあなたの価値観は学問にあると思うから、必ず戻ってきてください」と。

そして、卒論の最後の口頭試問の日、無事クリアした後に教授たちはこう言った。
主査の先生は、「せっかくそれだけ中国語ができるのだから、
中国でも文革のせいで失われてしまった中国文学の担い手となってください」と。
副査の先生は、「その中国語力を公用語として活かして、
中国に取り込まれてしまったが故に、いままさに失われつつある周辺民族の文化を
引き継ぐ役割も忘れないように」と。

正直言って、当時の私は、生活のことで頭がいっぱいで、
学問なんて生活の余裕がある人がするもの、私には縁がない高嶺の花。
そもそも、そんなに頭よくないから、無理だし、と思っていた。

でも、本当は、そのまま学問を続けたかった。
いまから振り返ると、方法はあったと思うけれど、
世間知らずの一大学生には、わからないことだった。

いまから思うと、私の教授たちの時代は、まさに学生時代から文革の影響を受け、
中国文学の専門家となっても、
中国人の中国文学の専門家と、政治を抜きにした、学究の話がしづらく、
本当に残念な気持ちでいっぱいだったのだろうと思う。
そしていまはもっと、書き換えられた中国の歴史しか知らない中国人の若者ばかりだ。
話したくても、基礎が違いすぎる。

とにかく、物覚えが低下中の脳みそに喝を入れて、
少しずつチベット語を覚えて行こう。
週に3回くらいはやらないと上達しない気がしているので、
これを打開する方法を模索中。

難しいリクエスト

2014-05-10 10:33:35 | Weblog
やっと週末。
先週は日曜日から、法定の出勤日だった上に、お腹の調子が悪く、
体力的にきつい1週間だった。

最近は、友人と飲みに行く機会もめっきり減ったのだけど、
この1週間は比較的多かったので、
毎晩誰かと飲んでいるような上海在住の人たちは、
本当に体力があるなあと改めて感心した。
もしくは、その人たちにとっては、食事自体が仕事になっているのかもしれない。

昨晩は、上海在住の非常に気が合う日本人の友人と、
日本から来た、初対面だけど古くからの友人みたいな雰囲気の人と一緒に、
上海ではそこそこオシャレスポットと言われているところに食事に行った。
ウォーターフロントで、注目され出した頃のお台場くらいな位置づけのところだと思う。

が、レストランは、どこもガラガラ。
メイン通りに面しているレストランは閉店しているし、
「エリア、どんどん拡大中」という宣伝とは裏腹に、なんとも寂しい雰囲気だった。

おそらく、土日はまた違うのだろうけど、金曜日の夜にこれでは、という感じで、
私たち以外のお客さんは全員中国人で、たぶん比較的お金持ちの層。
しかも、単なるお金持ちではなくて、経費に家族の外食代をつけられる人たち、
という雰囲気だった。

席がガラガラだったおかげで、私たちは中国人と少し離れた席に座ることができ、
非常に静かで快適な食事ができた。
広東料理を食べたのだけど、日本人が3人、しかも全員が女性だと、
野菜中心のオーダーになるので、比較的安くなる。
それでも一人当たりお酒込みで300元(約5000円)くらい。
これが肉だ、海鮮だと頼み始めると、たぶん倍くらいの消費になる。
確かに、これではボリュームゾーンの中国人には無理だろう。

日本から来た人のリクエストが「上海のOLが行くようなところ」だったのだけど、
これが非常に難しい。日本のようなイメージでは探せない。
私の部下のOLたちに聞いたら「じゃあ、ケンタッキーが一番多いよ。私、週3でケンタッキー」
という返答で、20年前に比べると、中国の生活水準はかなり上がったとも言えるし、
金曜の夜にデートや友人との食事でケンタッキーはあるまい。高校生じゃあるまいし。
というギャップは、まだある。

中国人には「場を読む」という文化がないだけに、
「場」に対して価値を見いだし、それへの対価を払う、という感覚もあまりないと思う。
うるさかろうが、隣で痰を吐いていようが、
安くて美味しいものがお腹いっぱい食べられればいい、という感覚のほうが、
まだ主流だと思う。

酔うと、どうしても中国人に対して1日に1回は腹を立てる、という話になりがちで、
特に公共のマナーが悪いことは、日本人と中国人の間の大きな溝だと思う。
なんで、地下鉄やバスで、降りる人を待たず乗り込んできて、
こちらが降りようとすると殴ってくるのか、
歩道を歩いているのに、逆走してきたバイクに、猛烈にクラクションを鳴らされるのは心外だ、
そこら中で痰を吐いたり、子どもに道路などでトイレさせるのはやめてほしい、など、
ワケのわからない怒りは、どんなに精神鍛錬を積んでも乗り越えるのが難しいと思う。

これが日本に帰ると、なんで日本人はこんなに村感覚なんだ、という気持ちに、
たぶんなるんだろうなあ。

残業

2014-05-08 22:04:28 | Weblog
日本では、残業代ゼロの法案が物議をかもしているらしいが、
中国では、残業代を払わないのは違法らしい。

私の部下たちは、だんだん日本企業のブラックぶりに気づき始めている。
むかしは労働環境がよいのと、待遇のよさで人気だった日系企業も、
その人気はだんだんと斜陽だ。
責任範囲も、職務範囲も明確でないなか、「場を読め」と言われ、
サービス残業を強いられる現状。
ついでに、ほとんどの日系企業は、中国で業績も伸びていない。
なかなか難しい問題だ。

ちなみに私の部下たちは、定時でスッキリと帰って行く。
私の仕事が終わっていない雰囲気でも「お手伝いできることはありませんか?」と
聞いてくることは決してない。
終業時間の30分くらい前になると、そわそわとスマホをいじりはじめ、
終業時間の5分後くらいには、そそくさと帰って行く。

決して、不真面目ではない。
おそらく標準以上には仕事ができる部下たちだから。

たまに「もう一踏ん張りしてみようよ、あなたの仕事はもっといいレベルになるでしょ」と
言いたくなることはあるけれど、言わないことにしている。
たぶん、ちゃんと伝わらないから。
そもそも「残業してまで仕事をすることはない」というのが中国人の感覚であれば、
どんな励ましの言葉も、たんなる束縛の言葉になってしまうと思う。

このへんが難しいところだ。

チベット語

2014-05-08 00:03:56 | Weblog
本日、初めてチベット語講座に参加。
三十音のうちの半分の文字と読み方を習った。

久しぶりに小学校一年生に戻って、平仮名を習うような気分。
そして、なんとなく平仮名やカタカナとの共通点を見つけ、形と書き方を覚える。

同級生は全員中国人。
そして、漢字以外の文字は難しいと騒ぐ。
案の定、中国人は音から覚え、私は文字から覚えた。
当然のことながら、文字当てクイズをやると私が一番覚えている。
私は単音で「バ」とか「タ」と当てて行く。
中国人は、「それって、何番目の文字? ということは・・・」と、
頭から発音しながら、正解を導く。

そして中国人から「もしかして、日本語にすっごく似てるんでしょ」と言われた。
すると違う中国人が、「あら、日本語は世界中で一番難しい言語よ。
なんといっても敬語が強烈。中国語は発音は難しいけど文法は簡単でしょ」と言い出す。

私が「いやいや、中国語の文法も外国人にとっては難しいよ」と言うと、
「中国語は、ざっくり言うと単語をつなげるだけで通じるけど、
 日本語は、上級になればなるほどいろんな表現が増えて、
 その場の状況に合わせていろんな敬語が混じってくるから、外国人にはあり得ない世界」と。

あまりに抽象的になってきたので、もうちょっと身近な例でわかりやすく言うと、と解説。
「日本語の場合、漢字の音がたいてい最低2種類あります。古代漢語から輸入した読みと、
 もともとの日本の読み方。ついでに古代漢語でも、当時の中原の言葉と、
 当時上海辺りで使われていた呉音など、何通りもあるんだよ」と言った瞬間に、
中国人が全員で「えー! それでなおかつ平仮名とかもあるんでしょ。あり得ない~」と。

続いて、「日本人は古代漢語も勉強するの?」と聞かれたので、
「文系に進む高校生は、子曰く、ってやるよ」って言ったら、
「そんなことやってるから、英会話が下手なんだよ」と笑われた。

確かに、おっしゃる通りですわ。
でも、日本人、英語の文章は結構読めるんですのよ。
ただ口からすらすら出て来ないだけですの。おほほ。

授業中、同級生たちはずっと話していた。
わいわいやりながら、先生を囲んでいる感じだ。
私とは明らかに暗記方法が違うのと、先生が話している最中にそれを遮って、
「先生、これって、こうでしょ?」と発言できないだけに、
当初、まったくみんなの会話が聞き取れていないと思われていたらしい。

「なんだ、あんた日本人だけど、意外に中国語が話せるんじゃん」的な雰囲気に
最後にはなったんだけど、言葉の問題じゃなくて、文化の違いは超えられませんわ。

今度、ほかのチャイニーズがいないときに、
チベット人の先生に、そのへんの感想を聞いてみたいものだと思う。

ちなみに、ブータンもチベットの文字を輸入して使っているけれど、単語は違うので、
発音としては読めても、意味はわからないのだとか。

つまり、平仮名が並んでいる文章なんだけど、意味不明、という状態だ。
面白いなあ。