豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

夏は風

2006年05月29日 | Weblog
春は花に酔い、夏は風に酔い、秋は月に酔い、冬は雪に酔うそうな。

今日はお招きに預かって、ちょっと大人のお食事会。
「四酔」という風流な言葉を教えてもらいました。
茶道の世界、小堀遠州さんの考え方なのだそう。

春はなるほど。秋もなるほど。冬もわかる。
だけど、夏は・・・。

昔は、夏に風を楽しんだのですね。
今は、窓を閉め切って、クーラーをガンガンにかけて、ますます暑くなった外界との接触を一切断って過ごすことが普通になってしまいました。

打ち水。夕立の後に、吹く一陣の風。夕涼み。
そういうものと、縁遠くなっていくばかり。
暑い夏にこそ感じられる、涼しい風のありがたさを失って久しいですね。
一日中、クーラーで冷やされた箱の中に閉じこもっていると、毛穴が退化していくのが実感できるほどです。長袖やカーディガンで寒さをしのぐなんてやはり異常でしょう。
とはいっても、クーラーを止めることなど出来ないし、温度の設定を数度上げることすら実行しがたいのが現実です。
失ったのは、夏の風の気持ちよさに酔う事だけではないのでしょうね。

花入れの沙羅双樹の花です。初めて目にする造花のような花をまじまじと眺めながら、冷酒を戴きました。



そういえば、「四酔」ってお酒は入ってないのですね。お酒に酔うことは、無粋なことなのかもしれません。