豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

女優

2006年06月17日 | Weblog
先日めでたく18歳を迎えた次女・竜子が、女優デビューすることになりました。

ただし、高校の文化祭のクラス発表の舞台で・・、です。

この高校の名物ともなっている文化祭は、三年生10クラスによる演劇発表が人気です。教室を芝居小屋に大改造して、思い思いの作品でアピール。観客の投票も加味して優劣を競います。
コミカルなものがほとんどですが、中には真面目な問題を問うてくるものもあります。いずれにしても、毎年、春からこの日までのエネルギーを全て注ぎ込んだ行事なのでかなり充実した作品を見ることができます。

彼女のクラスは、真面目モード。
そして、彼女の台詞はたった一言、数十秒。
5回公演のうち、出演は3回。
そのうちの2回を観ました。同じ演目を複数回みるという、「通」の観劇形態ですね。


2回目は、並んだ(そう、開演前に教室前に並ぶのです。人気のクラスは入場できないこともあります。)順に入ったところが、舞台真正面。舞台に前まで詰めて座るので、もうこれぞ本当にかぶり付きです。始まってすぐ出番のある彼女。
目の前におばあちゃん、おばちゃん、お父さん、お母さんを目にしてどうか噴出さないようにと祈るばかりでした。
何せ、シリアスなテーマですから・・。

ぎゅうぎゅうに詰めて体育座りをしていると、かつて新宿の花園神社で観た唐十郎さんの紅テントの舞台を思い出しました。あの時は、雨も降っていて布の継ぎ目から水が滴ってきたりもして、人いきれと蒸し暑さで妖しさが増すただならぬ雰囲気でした。
何より、若かったなあ・・・。
今、こうして娘の発表を同じ姿で観ているなんて、不思議。

しかしながら、ここは、同じぎゅうぎゅうづめでも、久しぶりの卒業生同士の交歓風景、よその高校からの友達、志望校の見学に来た中学生、ご近所の方、もちろん生徒の保護者などなど、和気藹々ムードです。

噴出すこともなく、淡々と台詞をこなした竜子に一安心。
普段観たことのない女優さんとしての顔に、少し意外な気もしましたが、なかなか落ち着いてこなしていました。やれやれ。

校内発表で初めて本番を迎えた日の夜、感想を聞いてみました。
「演劇をしてみたいという人の気持ちが1%くらいわかった。」そうで、
「恥ずかしいけれど、なにか舞台でしてみたいとも思った。」のだそうです。
少し前には、「生きるのはなかなか大変だから、海老になりたい。」ともらした竜子です。一瞬にして煎餅になる海老の加工場面を見ていて、そう思ったのだそうですが、なんとか気を取り直してくれたでしょうか。

ともあれ、この文化祭を機に、例年三年生は受験モードに切り替わる・・とのこと。
ね、竜子さん。

親としても、残す行事は体育祭だけとなりました。
なんとなく寂しいです。