豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

化粧

2006年06月30日 | Weblog
どうにもお化粧が苦手です。塗れば塗るほど不本意な顔になります。化粧栄えしない造作なのですね。

最近の男の子はこまめに自分のお手入れするようで、それはそれはきれいにしていますが、さすがにファンデーションを塗っている子はみかけません。結局、ほとんどの男性には、この面倒くささは伝わりにくいのかもしれません。

ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)

高校を卒業するときに、理科の教室に集められて基礎化粧の講習を受けました。ティッシュペーパーを三角に折って手に巻きつけ、化粧水や乳液を顔に付けることを学びました。その巻き方もお作法があって、面倒。簡単なメイクも習ったような。興味しんしんというよりは、面倒くさいというのが正直な気持ちでしたね。嬉々として説明してくださる美容部員の方の説明は、ただただ普段の空気とは違う違和感を周囲に撒き散らしていたような・・。

現在は、顔を洗ってから、いろいろ塗って仕上げるまで約7~8分。しみを消したり陰影をつけたりはしないので、けっこう短時間です。しみはありますけど、無視します。
出会ってぎょっとされない程度にするには、これで十分ですね。

しかしながら、最近、新技術を会得いたしました。これを行うと、ファンデーションののりが違う。その次の過程にも力が入ります。

それは、顔を洗って基礎化粧で整えた後、コットンに化粧水を含ませて、水分が顔に行き渡るまで入念にパッティングするという方法です。こうすると、その後下地クリームをつけてファンデーションをのせる過程がぐんとスムーズに運びます。何事も基礎工事が大切ということですね。

女優のフェイ・ダナウェイさんは、お化粧にかなりの時間をかけると聞きました。
日本のメイクアップアーティストさんが彼女のうちに伺うと、見知らぬ人がでてきたそうです。実はそれが、彼女自身。彼女は数時間かけて、フェイ・ダナウェイに変身するのですね。とりたててメイクしてないように見せているあのお姿は努力の賜物、作りこんだ末のお姿のようです。

作家の故・宇野千代さんは、かつて小学校の先生をしていたときに、毎朝お母さんに釜いっぱいのお湯を沸かして貰い、その湯気の上に顔をかざして肌の状態を整え、お白粉ののりを良くしたそうです。きれいな先生という評判も手間を惜しまない努力の成果だったのですね。

そういえば、うちにもいました。
8時に家を出るとししたら、朝起こすのは遅くても6時半。7時だと5時半。それより遅いとパニックです。入念なお手入れの後に、お絵かきが始まり、最終工程を経て仕上げまでギリギリ間に合う時間なのです。食事すらままなりません。

やはり、素肌感を生かしたナチュラルメイク。しかし、素顔とはかなり別人になっているのは、親の私が見ても見事というほかはありません。先のメイク前の化粧水のパッティングも、彼女のやり方をそばで見ていて習得しました。その効能を報告すると、今まで知らなかった方が信じられない・・とあきれていました。

「表面にメイクするより、中身で勝負しなさい!」という、母の言葉は、まさに馬の耳に念仏です。
しかし、このメイクが、一つには彼女の鎧兜にもなっているわけで、むげに否定することも可哀想です。前向きに考えることにしました。

なにより、化粧栄えする顔の作りというのが、羨ましくないわけでもない母です。