ある凪いだ釣り日和。6時半に祝島港をでて漁へ。
船頭さんがアンカーをおろすと、いそいそとわたしは釣り糸を垂らす。
糸をもつ右手の指先に感覚を集中させて水面をみつめる。
この日、3度めの漁にして初めて「潮(しお)」がわかった。
漁師さんのいう通り、なるほど確かに、潮は目でみえるのだ。
ならば、ときどき海面にあらわれる窪みはひょっとして「潮の目」?
勢いこんで尋ねると、「そうよ . . . 本文を読む
Copyright
Copyright(c) 2009-2022 Yamaaki Shin All Rights Reserved.