9月末の初・祝島日記に書きたいことは、まだまだ、いろいろ。
なのに、気がつくといつのまにか日にちがかなり過ぎていた。
「すこし落ち着いたら」なんて思っていても
そんな日はなかなか来ないということか。
仕方ないので、せめて(個人的に)楽しい食日記だけは
とりいそぎ記しておくことに。
*** *** ***
ある日の夕方、漁師のSさん宅へたちよると
Sさんは客人とともにすでに一杯やっておられた。
目のまえの卓上には、
一本釣り漁師のSさんが船上に鯛(タイ)をまねく海老が
蛸(タコ)とともにから揚げにされている。
鯛の餌の海老をとるために、
Sさんは夜明け前の2時3時から沖にでると聞く。
ふっくらとした質感が、見るからに美味しそう。
さっそくビールで乾杯して、みんなで舌鼓をうつ。
隣の皿には、この海老で釣った鯛の刺身と、ハモの姿も。
生の魚がこんなに芳しいなんて。
こんなにきれいな海で、美味しい海老を食べている鯛だから、当然か。
いつのまにか、ビールはウイスキーになっていた。
なのに、グラスを満たす見た目はまるでビール。
こんなに豪快なウイスキーの注ぎ方をしていただいたのは
生まれて初めてだ。
ともに食をかこむ面々も、囲む食事も申し分なしだから、
当然、かなり、おいしい。
それにしても、どうやらこの島では
ビールは水で、日本酒やウイスキーや焼酎はお茶、
という位置づけなのかも???
最後にはウニの瓶詰まで出してきてくださった。
もったいない貴重品に、嬉しいやら申し訳ないやら。
祝島のウニと、焼酎と、塩のみでつくっているという。
もう少しおいてから食す方がまろやかな味になるとのことだが、
わたしにとっては十二分においしい味わい。
大事に大事に、少々(でもウニとしては贅沢に)いただいた。
食をガツンと感じることは、わたしにって
その地や人と出会うスタートライン、いわば原点。
この祝島の海の幸、しっかり血肉となりますように。
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