優先席

きょうの帰り道。
混んだ電車のなかで、たまたま優先席の前にたっていたら、
なんと席を譲られてしまった…。

優先席にすわっていた人が下車して空席になったので、
その前にたっていた男性が、隣にたっている私にむかって
「どうぞ」と譲ってくれたのだけれど、
優先席を譲られて、さすがに「どうも」と座りこむわけにもいかず、
絶句してしまった。

でも、「わたしは次でおりるので」とその男性（私より年長にみえた）は
再三ゆずってくれるし、空席の隣にすわる女性も「座りなさい」という感じで
うながすし、周囲をみまわしても元気そうな人ばかりだったので、
最後にはお礼をいって座らせていただいたけれど、心のなかは忙しい。

…わたしはそんなに具合わるそうに見えたのだろうか？
それとも、思いっきり疲れてみえたとか？
ひょっとして妊婦とおもわれた？　もしやダウンコートで着膨れしてるせい？　
それとも最近のみすぎで太ったんだろうか…？

そうこうする間に次の駅についたので、わたしは
席を譲ってくれた男性に会釈し、その人は手をふって下車していった。

これが優先席じゃなかったら、
また違った印象を受けたかもしれないのだけれど。

優先席を譲られて怒る高齢者がいると聞くのは、
こういう感じに複雑な気持ちなってしまうから？　…ちょっと違う？

いずれにしろ、こういう経験は初めてだったので驚いたものの、
実に気持ちよく席を譲ってくれたので、複雑な気はしても悪い気はしなかった。
…今日のところは、かもしれないが。