つぎの船まで5時間ある。
せっかくの機会なので、片手に観光マップ、片手に傘のいでたちで雨の上関散策へ。
まずは超専寺を目指す。
この石段をのぼったところが、踊堂山(ゆどうさん)超専寺(ちょうせんじ)。
朝鮮通信使一行が上関に寄港した際は、萩藩主名代の宿になった寺だという。
朝鮮通信使とは、朝鮮王朝が日本の江戸幕府におくった友好使節をいう。
1607年~1811年までの200年で、将軍がかわるときなど計12回派遣され、
うち11回、上関に寄港したそうだ。
使節団は500人ほどにもなり、正使や軍官・通訳・水夫をはじめ
学者・医者・画家などの文化人も加わっていたらしい。
この寺には、朝鮮通信使船上関来航図などがのこるという。
いまは保育園があるようで、子どもたちの色とりどりの傘が扉にさがり賑わしい。
ところで、
わたしが特に気になったのは、超専寺へとつづく石段横の排水溝だった。
このように階段がとぎれるところで、ちょっと身をかがめ覗きこむと、
まるでミニ沢登りの一コマだからおもしろい。
視線をちょっと横にむけると、側流が目にはいる。
雨に濡れたみどりが眼に鮮やか。
この日は台風4号の影響で水量もあり、
このとおり、あちこちで清涼感みなぎる景色にであった。
町役場から歩いてすぐなのに、別世界がひろがるよう。
おや? 階段の端から石がみえるのは何だろう。
横から眺めてみると…
岩場に石を無数に積みかさねて段をつくり、
その上に長い石をならべて石段としていたものを、
セメントでおおっているらしかった。なんだかスゴイぞ。