原発立地とジェンダーについて改めて考えたいと思っている。
このトピックで話した内容を記事にしていただいたものがあるので、
現段階でのわたしの問題意識の一部をそこから抜粋しておく。
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「開発」に揺れる地域で、聞こえない声を聞く
―女性・子ども・高齢者の視点から見た原発問題―
珠洲市の原発代理戦争
本来なら、国の原子力政策をすすめる政治家・行政官、電力会社の人々と、
ひろく日本の住民とが闘わせるはずの議論は、限られた現地に押しつけられてきた。
その意味で、原発をめぐる現地の対立は「代理戦争」だ…。
「外人」攻撃
「原発に反対する者は市民ではない」と市長が発言するほど、
国策である原発に反対する「珠洲原発反対ネットワーク」は異端視されていたが
市外からの少なくない応援を受け活動していた。
そこへ展開されたのが「外人」攻撃だった。…
「最現地」で女性であること
珠洲市高屋町は、原発建設の際には集落の全戸移転をともなう、
全国的にも例のない計画の現地だった。
その意味でここは、最も現地性が強い「最現地」だったといえる。
…そのような最現地で、女性であるとはどういうことだろうか?
まず、現地=珠洲で女性であるとはどういうことか。
「珠洲の反原発運動を担ってきたのは、主に女性の力」と男性からも
いわれるように、蛸島漁協の動員力と行動力、なかでも婦人部の貢献を
否定する人はいないだろう。また、若い主婦だったAさんは、
89年の原発建設事前調査の頃、婦人会が原発計画推進を主張したことに
疑問をもち、原発反対グループをつくった。だが保守的な地で、
嫁が、お上に逆らった活動をするのは大変だった。…
では、最現地=高屋で女性であるとは?
89年の事前調査阻止行動のとき…のころの話は
「大変だったよ」と語られるが、口調は朗らかで明るい。
91年の統一地方選も「おもしろかった」とふりかえられていた。
過半数の人が原発に反対とわかり、
ネットワークから議員もうまれ、心強い思いでいた頃。
中心となった女性たちも若く、高齢の親もまだ元気だった。
しかし状況は徐々に変わっていく。…
声にならない声を聴く
…ここに記した多くは、原発計画凍結に至ってようやく語られた、
あるいは公表できるようになった言葉だ。
「身内にすら警戒する」状況のなか、背負わされた代理戦争を
生きぬくために言葉を飲みこむしかなかった人たちの、声にならない声、
語りえない言葉を聴くことは、不可能なのだろうか?…
(『女たちの21世紀 No.58 2009年6月』
アジア女性資料センター発行、pp.66-69)
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