駅までの道すがら
ホタルブクロの花が咲いていた。
野の花はどれも好きだけれど、ホタルブクロは特に好き。
原発の予定地だった石川県珠洲(すず)市で、
原発建設の是非を最大の争点とした'93年の市長選挙が、
「原発で町おこし」を訴えていた現職候補の再選となったものの
最終的に最高裁で無効となりやり直しとなった、'96年の夏。
移動のために山道をはしるたび、わたしは道端の花をさがして摘んだ。
笹百合は姿も香りも素晴らしく
本当なら身近におきたいところだけれど、
希少すぎて摘んでもちかえることも憚(はばか)られた。
もちかえったのは、主にホタルブクロやアザミ。
珠洲市の中心地にあった選挙事務所で活けた。
身をかがめ視線を低く低くしないと
よい角度で眺めることの叶わぬホタルブクロの花。
「目線を、もっと低く」―自分を見失っていたとき
師からいわれた言葉を思いだす。
この花にどれほど慰められ、勇気づけられたことだろう。
ホタルブクロの花が咲いていた。
野の花はどれも好きだけれど、ホタルブクロは特に好き。
原発の予定地だった石川県珠洲(すず)市で、
原発建設の是非を最大の争点とした'93年の市長選挙が、
「原発で町おこし」を訴えていた現職候補の再選となったものの
最終的に最高裁で無効となりやり直しとなった、'96年の夏。
移動のために山道をはしるたび、わたしは道端の花をさがして摘んだ。
笹百合は姿も香りも素晴らしく
本当なら身近におきたいところだけれど、
希少すぎて摘んでもちかえることも憚(はばか)られた。
もちかえったのは、主にホタルブクロやアザミ。
珠洲市の中心地にあった選挙事務所で活けた。
身をかがめ視線を低く低くしないと
よい角度で眺めることの叶わぬホタルブクロの花。
「目線を、もっと低く」―自分を見失っていたとき
師からいわれた言葉を思いだす。
この花にどれほど慰められ、勇気づけられたことだろう。