雪山書店と嘘つきな死体(アン・クレア/創元推理文庫)
米国コロラド州のスキーリゾートを舞台とするコージーミステリ。
主人公は、帰郷して姉とともに山小屋風の書店を切り盛りする女性で、姓はクリスティ。アガサの縁者であるかは不明だが、書店の看板猫の名はアガサ。事件のカギとなるのは、アガサ・クリスティの『春にして君を離れ』のサイン入り初版本。
という具合に、クリスティへのオマージュに満ちた作品。
主人公の日常生活や感情の動きをはじめ、他事記載が満載なのは、作品の性質上、やむを得ないところ。それも含めて、地元感にあふれた独自の世界を描いている。
殺人事件が起こり、捜査の過程で複数の容疑者が浮かび上がるものの、いつまでたっても真相に近づいている感触がなく、最後に主人公が、関係者が集まった中で犯人を指摘する。その展開は確かに、クリスティの作品を思い出させるところがある、と思った。
原題は Dead and Gondola
直訳すれば、「死体とゴンドラ」だろうか。「雪山書店」を加えたのは、作品世界の象徴としてふさわしいということもあるが、シリーズ化を見越して、今後も「雪山書店と・・・」というタイトルにするつもりなのだろう。
少し迷ったのですがこちらで返信します。
作者からのコメントとはすごいですね。
コメントするということは、これからも作品を書く気持ちがあるということでしょうか。
次作を期待しています。
少し前のことなのですが、チビクロブログの
「雀荘迎賓館最後の夜」のとこに、大慈多聞さんがコメントをくださいましたにゃ。お時間ある時にご覧くださいませですにゃ。