たまごの旅人(近藤史恵/実業之日本社)
好きな作家の近著。海外旅行の添乗員を主人公とする連作短編集。図書館で迷いなく借りました。
アイスランド、スベロニア、パリ、西安。それぞれのツアーで出会う小さな謎や、わがままな客への対応を軸に話が進んでいく。
今回、改めて気付いたのは、この作者はよく旅を描いていること。以前に紹介した『ときどき旅に出るカフェ』もそうだし、『スーツケースの半分は』も、直接、旅をテーマにしている。
もうひとつ。コロナ禍のせいで飲食店は大変な状況だが、海外旅行の添乗員は、それ以上にひどい目にあっているはずだ。ということに、この本を読むまで、思いがいたらなかった。ほかにもそういう人たちが、たくさんいるのだと思う。
とはいえ、読後感は決して悪くないし、きっと作者は、実際に行ったことがあるはずだ、と思わせるほど、それぞれの旅もいきいきと描かれている。(早く、気兼ねなく旅ができるようになりますように。)
タイトルの意味合いは、それほどの謎でもないが、まあ、書かないでおこうと思う。
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