破滅の王(上田早夕里/双葉社)
ブログを拝見している方がお勧めしている作家さんが気になって、図書館で探してみた作品。いくつかある中で、一番新しそうなのを選んだ。
第二次世界大戦前から終戦までの、主に上海を舞台とする物語。上海自然科学研究所に勤務する主人公の周辺は、日中間の争いの本格化に伴い、不穏の様相を深めていく。同僚の研究者が殺されたり、行方不明になったり。当時の上海の様子や世相が丁寧に描かれるが、この物語の核心である「破滅の王」、つまり治療方法のない細菌兵器が登場すると、一気に加速して、主人公はその事態への対処に翻弄される。
この作者は、SFでデビューしたようだが、この作品は、サイエンスに関連するフィクションではあるが、一般にいうSFとは異なるようだ。むしろ、国際謀略小説(スパイ小説より範囲の広い、例えばフレデリック・フォーサイスのような作品)に近い印象を受けた。殺人事件が起こり、その犯人探しという趣向も織り込んで、ある意味で非常に重いテーマを、端正にまとめ上げた作品、と呼ぼうか。
(そういえば、日本語で書かれた国際謀略小説を、ほとんど読んでいない。)
料理に関連する作品なども書いている、作風の広い人のようなので、気に入った作品が見つかれば、また紹介することがあるかもしれない。
ブログを拝見している方がお勧めしている作家さんが気になって、図書館で探してみた作品。いくつかある中で、一番新しそうなのを選んだ。
第二次世界大戦前から終戦までの、主に上海を舞台とする物語。上海自然科学研究所に勤務する主人公の周辺は、日中間の争いの本格化に伴い、不穏の様相を深めていく。同僚の研究者が殺されたり、行方不明になったり。当時の上海の様子や世相が丁寧に描かれるが、この物語の核心である「破滅の王」、つまり治療方法のない細菌兵器が登場すると、一気に加速して、主人公はその事態への対処に翻弄される。
この作者は、SFでデビューしたようだが、この作品は、サイエンスに関連するフィクションではあるが、一般にいうSFとは異なるようだ。むしろ、国際謀略小説(スパイ小説より範囲の広い、例えばフレデリック・フォーサイスのような作品)に近い印象を受けた。殺人事件が起こり、その犯人探しという趣向も織り込んで、ある意味で非常に重いテーマを、端正にまとめ上げた作品、と呼ぼうか。
(そういえば、日本語で書かれた国際謀略小説を、ほとんど読んでいない。)
料理に関連する作品なども書いている、作風の広い人のようなので、気に入った作品が見つかれば、また紹介することがあるかもしれない。
上田早夕里作品お読みになったのですにゃ。
ボクわ、まだこの作品読んでなかったにゃ。
読まなきゃ!
SF的なギミックを小説に散りばめるように
菓子職人の詳細を、わかりやすく
作品にこめた「ショコラティエの勲章」を
読んで、菓子の奥深さを知りたくなって
本物の菓子職人の書いた本を
買ってしまいましたにゃ。