saecotta's blog

折々の感動、思いをスケッチと作文で

You may say I'm a dreamer

2011年06月17日 22時32分40秒 | スケッチ

スケッチは庭に咲いていたアルストロメリア、輪郭なしで色だけで描いてみました。

友人が「人に翼があったら津波に巻き込まれなくて助かるのにね、翼が無理なら空飛ぶ絨毯があったら、みんなで避難することが出来るのにね」と言った。

人は昔から自由に空を飛ぶことを夢みてきた。
ギリシャ神話の翼を持つニケの女神(人気スニーカーブランドNIKEの)、太陽に向かって飛び翼が溶けて墜落したイカロス、レオナルドダビンチの飛行設計図、そしてライト兄弟の初飛行から100年の今、航空交通は当たり前となった。しかし、身近な災害に対処できる空飛ぶ技術はまだない。
友人の発想を夢想とは言えない。夢は抱くことによって叶えられる。抱かなければ永遠に叶えられない。

一方、科学技術の進歩と思い込んで推し進められているものを振り返り止めることも、人類にとって進歩、夢かもしれない。

原発事故の放射能汚染によって、住み慣れた土地を余儀なく立ち去らなくてはならない、農作物を廃棄しなくてはならない、子どもたちが戸外で遊べない、プールも使えない、美しい福島の村々に今後数十年立ち入れない・・・・こんなことが今、起こっており、事態はますます悪化の状態。

ドイツとスイスは政府が将来の原発停止を決めた。イタリアでは国民投票の結果、反原発票が94%、 推進派のベルルスコーニ首相さえ民意を尊重すると言っている。

なのに当の日本では、有力政治家は原発推進路線の堅持に向けて総動員。
「原発がなければ電力不足」と脅したり、「集団ヒステリー状態だ」など他国の民意を侮辱した無知厚顔をさらけ出す発言。(恥ずかしくて海外旅行に行けないよ)

最近行われたカタルーニア国際賞授賞式で村上春樹さんはスピーチで脱原発を訴え、「かつて、原発に疑問を呈する人には“非現実的な夢想家”というレッテルが貼られた」と。

つぎの世代が、放射能に怯えず暮らせる日常を保持できるよう、
脱原発の日本を目指す夢想家になりましょう。実現していきましょう。

P.S1: 6月16日 朝日新聞 「天声人語」
イタリアの人々が原発に「ノー」を選択した。その報に、かの国の天才ダビンチの手記の一節が胸に浮かんだ。
「君が手にふるる水は過ぎし水の最後のものにして、来たるべき水の最初のものである」 美しい言葉だと思う。

P.S2: 6月17日 中日新聞 「中日春秋」
「愛の反対は憎しみではなく無関心です」。 マザー・テレサの言葉をかみしめている。