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絵は、おんたけ休暇村宿舎の窓から見たミズナラの樹、枝先に丸く見えるのはヤドリギです。
ヤドリギは、ホヤ(寄生)とも、トビヅタ(飛び蔦)とも呼ばれ、ケヤキ、エノキ、ミズナラなど落葉広葉樹の樹の上に寄生するヤドリギ科の植物です。
樹木が緑に茂っている頃は目立ちませんが、落葉したあと目立つ常緑のヤドリギは縁起が良いとされ、昔は髪に挿して長寿を祈る習慣があったとか。
万葉集で大伴家持が「あしひきの(山のまくら言葉)/山の木末(こぬれ)のホヨ(ヤドリギの古名)とりて/挿頭(かざ)しつらくは/ちとせ寿(ほ)くとそ」と詠んでいます。
それから10日余経って、はや3月2日。
朝から冷たい雨が降り続いていましたが、白梅がほころび始め、紅梅は蕾を膨らませ、桜の梢の先も丸みを帯びてきました。
あちこち庭の隅でタチツボスミレが紫の花を開きはじめ、コバイモも地中から勢いよく新芽を伸ばしています。
10年日記を見直すと、例年より10日ほど遅れていますが、季節は忘れず訪れています。
自然の中に生命は生まれ、恵を受け、また苦難を経ながら生き続けてきました。
間もなく3月11日。
未曾有の天災被害については語り尽くし切れませんが、今までの天災と異なる点は人間の手による原発事故の放射能汚染があります。
復興の第一段階の瓦礫の処理にしても、放射能汚染の心配から受け入れ態勢が大幅に遅れています。
汚染された地域の表土を部分的に除染して安全と言えるのでしょうか?汚染された表土の行方は?汚染された冷却水の行方は?
未来を背負う子どもたちへの安全性は?
美しい福島の故郷に戻れる日はあるのでしょうか?
メルトダウンした原子炉内の状態もまだ判っていないのに「冷温停止状態」とか、ストレステストによる安全宣言とか・・・
再稼働への声が高まっています。
一方、脱原発の声が低くなっているようで、気になっています。
福島第一原発事故後、ドイツは原発事業から撤退することを国で決めました。
安全性もさることながら、コスト面で合わないことを見抜いたからです。
これだけ放射能の被害に遭っている日本だから、
核燃サイクル推進とか、今後も起こるであろう事故後始末にかけるお金を、脱原発・新エネルギー開発にかけてほしいです。
私に出来ることは、ささやかな支援と、こうしてブツブツ言っていることだけ・・・。
今、夜空には、ややふっくらとした上弦の月が雲から出たり隠れたりしていました。
ドン・カ・ジョンさんの「WISHくん」を読みながら、やすらかな気持ちで眠りにつきます。
おやすみなさい。
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