先日、主人が6歳息子にと
『百年の家』という絵本を買ってきました。
しかし、この絵本は子供向けというよりは
とても深い絵本で、是非、
現代を生きる大人
(言い回しがちょっと変かな)
の方にも読んでもらいたい
と思う絵本です。
絵本から少しだけ抜粋します。
いままでの暮らし方を継がない。それが新しい世代だ。
だが、若さだけで、この家の古い家は、とりかえられない。
・・・
ーおっそろしく古い家は、いまどこにある?
じぶんの新しい住所が、わたしはわからない。
過ぎたるは及ばざるだ。このうえないものは、どこへ消えたのか?
・・・
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この絵本を読んで、
なんともいえない、胸の底から ずん
と くるものを感じ
百年という月日がどれだけなものか
遥か昔の
その昔の
と
どんどんと深い歴史の中へ
引き込まれていきそうになります。
私達も今、
凡そ140年以上も前に建った古民家と
向き合って暮らしています。
そして、
90歳になろうとしている祖母と
暮らしています。
百年は長い。
そして、
私達が想像する以上に
百年の間には
いろんなことがあったでしょう。
長期優良住宅(200年住宅)
とか、
100年持つとか、
200年持つとか、
そういう売り文句を並べた
住宅の営業用パンフレット等
言葉で簡単に
100年、200年と言う方達が
建築界にはたくさんいます。
本当に
百年という年月のこと
実感としてわかっているのだろうか
いつもどこかで
憤りを感じながら、
日々、設計という仕事をしています。
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先日の天神講の時、
海野宿のふれあいセンターに行きましたら、
昔の海野宿の各家々の写真がありました。
昔といっても、
昭和50年頃?の写真のようでした。
伝建地区に選定される前の
おそらく調査時の写真だろうと思われます。
ここに写っているのが、
今、私達が所有している建物の昔の写真。
この当時は、前所有者の方が暮らされてました。
前所有者の方は、今はもう亡くなられたそうです。
ご近所の方から聞きました。
いろいろなことを想います。
建物を「モノ」としてみてしまえば
それまでですが、
私も、この古い家を所有して
いろんなことを想像しました。
この家で、どんな人が暮らし
どんな生活をし
どんなことが起こっていたのか、、、
などなど。
私がしていたそんな想像と、
この絵本「百年の家」のお話と、
とても重なります。。。