今年1月に引き渡しをした古民家再生の家に暮らしているお施主さんのKさんから
樹木にアメシロが~!
との一報を受けまして
一週間前になりますが
様子を伺って参りました
Kさんご家族にとりましては
それまでの鉄筋コンクリート造のマンション生活から、
新たに古民家生活がスタートした訳ですから
私としましても、少々心配しておりました。
だって、
御主人さまは、なんてったって
「戸建て住宅での生活」が始めてだというじゃないですか
ということは、ご実家もマンションということ?ですよね。
始めての戸建て住宅が、いきなり古民家で
大丈夫かなぁ、、、虫とかに驚いていないかなぁ・・・
と、とても気になっておりました。
そんな時に、アメシロの一報を頂きましたので
すぐに伺うことにしました。
さて、たった2ヶ月ぶりにお邪魔しただけなのに
妙に久しぶりな気分です
玄関ホールには
蒼蠅(あおばえ)と書かれた額がお出迎え。
おぉっ
なんとなく気になったので、
奥様にこの額のことを伺ってみると
画家 熊谷守一の蒼蠅だというじゃないですか!
すると、旦那様は
蒼い蠅ですよ~・・・
ギラギラ光ってる蠅かなんかじゃないですか・・・
こんなもの・・・
(心の声:何がいいんだか)
と、
ぶつぶつ仰ってる(笑)
奥様の趣味は、
私としてはいい感じにツボに入っているのですが
どうも、旦那様とお子さん達には理解し難いご様子で、、、
そんなご夫婦、ご家族の姿が
とても微笑ましく、
漫才コンビではないですけども
凸凹加減がお笑いな感じで
面白い皆さんです。
奥様は、
蠅が飛ぶ季節だから
という理由でこの額を選ばれたというんですから
なかなかのセンスの持ち主
さてさて、蒼蠅の話はここまでにしておきまして、と
久々にKさんの家にお邪魔しまして
やはり私としましては
建物の状態や生活のことなどが気になります。
アメシロのたかった木を見せてもらいながら
他に気になるような所が無いかを伺いましたら、
幾つかありましたので
それを確認して参りました。
実際に暮らしてみてからの方が
より具体的な問題が見えてくることもありますので
引き渡した後、はいサヨナラ~ ではなく
アフターケアとして
何かあれば伺って様子を見るようにしております
さて、いろいろと建物の様子を拝見した後
奥さんと生活のことなど、お話を伺いました。
まず、
2月の真冬の寒さについては
無事に暖かく過ごせたのでOK
でしたが
次、夏の暑さはどうなのか、です。.
古民家=涼しい と思ってはいけません。
もちろん、普通の家よりは涼しいかもしれませんが
だからと言ってエアコンが要らないとも限りません。
私が気になっていたのは
昔の木製ガラス戸(雨戸)のままの南縁側。
この縁側の建具は「雨戸」ですから
引き違いではありません。
そして網戸もありません。
しかも昔のままの状態です。
網戸が無いので開ければ虫が入ってくるし、
もし、
どうしても網戸無しで暮らすのが厳しいようであれば
網戸を作りましょうか、
と、
お話したことがありました。
しかし、そんな心配も無く
7月始めまでは
この縁側の戸を開けず(?!)に
暮らされていたとのことでした!
暑くなかったのかと聞きましたところ、
共働きなので昼間は閉めたままで
朝、晩は思ったほど暑くはなく
扇風機だけで大丈夫だったとのこと。
夏の対策として、
設計に盛り込んでいたことは、
北側の比較的冷たい空気を室内に取り込んで
南側の日射により温まった室内の空気を
南側に設置した換気扇で強制的に出す
ということ。
そうすれば
日中、共働きのご夫婦が留守にして
家を閉め切ったままにしておいても
北側のサッシを換気程度に開けておき
南縁側に設けている換気扇で
日射で温まった空気を排出すること出来ます。
もちろん、機械換気に頼らなくても
自然換気が出来るように
新設した開口部については考えてあります。
ですので
縁側に洗濯物を室内に干しっぱなしにして
閉め切って外出していても
全然OK~ということです。
実際この日も、雨が降っていたため
縁側を閉め切ったまま洗濯を干されておりまして、
私達がお邪魔していたので
少し戸を開けて下さいましたけども
扇風機だけで、全然OKでした
もちろん、それだけではなく
室内の建具も殆ど開けっぱなしにして
風通しよくされていました
戸という戸は、皆、引き戸にしてありますので
(ドアはトイレぐらい)
開けっぱなしにするには非常に都合が良いですし
必ず風が通るような平面計画にしています。
とりあえず、7月上旬までは
このような暮らし方で
扇風機だけで済んでいるようでしたが
このところ連日、猛暑が続いているので
次回伺った時に
その後どうだったかまた聞いてみようと思います