さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

長野 古民家再生 部分揚前 ~手動式 箱ジャッキ~

2022年09月08日 | 現場21~長野市 古民家再生計画

長野市の古民家再生現場です。

基礎工事は既に5月には終わっておりまして、
現在は大工工事中です。

ですが、前回の記事の続き
揚前(あげまえ)」についてまだ書いておりませんでしたので
4ヶ月前に遡って少し書き記しておこうと思います。

【揚前(あげまえ)】
jack up
木造家屋の土台まわりなどを修理するとき、ジャッキ類を用いて家を持ち上げること。
(建築大辞典より)

古民家の抱える問題として、一つ、不陸(ふろく・ふりく)の問題があげられると思います。
不陸とは、水平でないこと、面が水平でなく、凹凸があることを言います。
要するに、床が平らでなかったり、建物が傾いていたり。

全面的に改修をする古民家再生工事の場合、
建物が傾いていればそれを起こしたり、
基礎や土台が沈んでいれば揚げたりして、建物の水平・垂直を戻してあげます。

この水平垂直に戻してあげるこことは、かなり重要ポイント

残念なことに
軽微なリフォームや、流行りでリノベーションと謳っているような工事では、
工事費を出来るだけ安く少なめに、と、クライアントも工務店も考えているケースが多いので
表面的な仕上げや設備等には予算を割くものの、
肝心なところ=不陸直しを含めた構造の修理 まで予算を充てないことが多いです。

私の現場は、古民家再生ですので
土台と礎石は昔のまま残す方針を採りましたけども
そのままにしておくわけではありません!

今回、基礎工事をお願いした職人さんは、実は曳家職人さんなので、
建物の不陸も当然ながらみてもらいました!

不陸を起こしている箇所をレベル確認しながら部分的に揚前


2022年5月15日 部分揚前の様子 座敷



2022.5.15 部分揚前の様子 南面



昭和の箱ジャッキ 手動式


実はこの手動式の箱ジャッキ、
油圧式よりも調整がしやすかったり、そもそもがサポートを交いやすく
何故かうちの旦那、この箱ジャッキが欲しいと前々から思っていたようで、

な、な、なんと
箱ジャッキをメルカリで買ってしまいました

  

箱ジャッキ 表

 


箱ジャッキ 裏  

 

いやもう、このジャッキ、買ってきたのはいいのですけども
かなり重く、、、(私は持てません!)
どこに置いておくか。
と言いながら、ずっと事務所の土間に未だに鎮座しております・・・

ですので
箱ジャッキの実物をご覧になりたい方はどうぞ、栖風采プランニングの事務所までお越し下さいませ(笑)

今回は部分揚前でしたが、
全面的に建物を、揚げて曳いた 古民家再生も以前やりましたので
もし関心のある方はこちらもチェックしてみてくださいね。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓


では次回は、
土壁修理について書く予定です!

 

 

コメント
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