大正時代のもののようです。高さ6センチほどの小さな箱には、定価20銭と表示されていて、箱の蓋は2銭の収入印紙で封がされています。
これから紹介していく紙袋に入った薬(「ホシ小児虫薬」「ホシ複方鹽剥散(ホシウガイグスリ)」「ホシ下剤」)も、紙袋には定価の1/10の収入印紙で封がされています。
薬と収入印紙はヘンな取り合わせですが、そのことからこの薬の時代が推定できるかもしれません。
【用法】は、1歳以下は1日3回1匙宛、1歳より2歳迄 1日4回1匙宛、2歳より3歳迄 1日6回1匙宛……と年齢が増すにつれて、服用する量が増えていきます。
匙といわれてティースプーンを思い浮かべてしまったので、この小さな箱に入っているのは1回の服用分ほどしか入っていないのでは? と思ってしまいました。
未開封でしたが、開けてみることにしました。
出てきたのは更に小さなガラス瓶に入った粉薬様のものと、耳かきの数倍ほどの大きさの金属製の匙でした。
箱の中には、折りたたまれた効能書きも入っていました。両面印刷です。
オモテ
ウラ
小児専門の薬として販売するのは、国内唯一と謳っています。
【記事アップ後の追記】
調べてみると、「売薬印紙税」という税制があり、明治16年1月から売薬には定価を付け、その10%の額面の収入印紙を貼らなければならなくなったそうです。この税制が廃止されたのは大正15年なので、この薬は大正時代のものと判断できます。