最終回文庫 ◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

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私のコレクション カレル・チャペック『山椒魚戦争』

2018年01月03日 | 気になる作家/画家



現代SFの古典的傑作と評される
『山椒魚戦争』樹下節/訳 世界文化社 昭和28(1953)年。

 表紙。
 

本書は本邦初訳ですが、訳者の樹下節(じゅげ‣たかし 1911~1990)はロシア語翻訳家なので、ロシア語版のチャペック選集からの重訳ということになります。



チェコ語からの初訳は、『世界SF全集 9 エレンブルグ チャペック』(早川書房、1970年10月)に収録されている栗栖継訳『山椒魚戦争』で、1974年には早川書房のハヤカワ・SFシリーズの1冊として刊行されています。

 その後、同じ訳者で岩波文庫として出版されています。
 『山椒魚戦争』栗栖 継/訳 岩波書店 1978年
 

この本には、チェコ語から初訳した栗栖継の解説-早川書房のものを再録し、さらに経緯を訳者前書きとあとがきで詳述し、ロシアでしか刊行されたことがないチャペックの小文「異状なし」が収録されているので、チャペックに興味がある方は、岩波文庫版をお読みになることをオススメします。