思いがけず、SF作家の高井信さんから、『日本ショートショート出版史~星新一と、その時代~』が届きました。
「下書きというか初稿というか、要するに未完成品」というのが、ご本人の弁です。
商業出版ではなく、すべてご自身の手造り15部のうちの1冊をご恵送賜るという光栄に浴しました。
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ルリユールを趣味にしていた私が驚くほどの出来栄えです。
高井さんは以前から、身近な材料で手づくり豆本を作ったり、ジャケットをシリーズ本に似せた「もどき」を作ってみたりと、楽しませてもらっています。
『日本ショートショート出版史~星新一と、その時代~』は編年体で書かれていて、星新一の作家生涯と重なっています。
載っている書影の多さはにびっくりしますが、それがすべてご自身の蔵書というのは……驚異です。
144ページに載っている書影は、すべてカラー。個人オンデマンドのようなパソコンによる少部数印刷だから出来たことで、これを商業出版するときにはオールカラーになるわけですから、かなりコスト高になるでしょうね。
この労作を出版しよう! と名乗りを上げる出版社はいませんか?
これ、出版物ではなく、ただの打ち出し原稿を冊子化しただけです。識者の皆さんにチェックしていただくのに、なるべく読みやすいほうがいいかな、と。確かに、ちょっと凝りすぎたかな、とは思いますが(笑)。
書影は、数えていませんが、500~600枚はいっていると思います。全部が私の蔵書ではなく、知人にスキャン画像を送ってもらった本が数冊、図書館で借りた本が2冊ひそんでいます。
書影を眺めるのは、こういう本の大きな楽しみですよね。これだけ掲載できれば、もう満足。管理人さんが書かれていますように、商業出版ではまず無理でしょう。
ともあれ、完成目指して、あと一踏ん張り。ご協力をよろしくお願いします。
蒐集の段階で、「想定した体系」が出来てきて、そこに肉付けしながら組み込んでいるんでしょうね。そうでなければ、編年体で構成するのは不可能ですから。
ジグソーパズルのように、パチンとはめ込まれるピースの発見が、蒐集の醍醐味ですね。