年間6回、隔月発行を謳ってスタートした装釘同好會の会誌ですが、手元にあるのは創刊号~第3号(1930.5~1930.11)の3冊です。古書店の値札シールが残っていて、3冊で10000円だったようです。
創刊号の編集後記には、装釘同好會は昭和4年に発足し、翌昭和5年4月末に会誌の創刊号発行を目指していたものの、予定が遅れてしまったお詫びが掲載されています。
以後は隔月の15日に発行するという約束も、第2号は原稿の遅れで1ヵ月遅れの8月になり、第3号も原稿の遅れと会費滞納による資金不足で11月にずれ込み、同人誌によく見られる「3号雑誌」として幕を閉じたようです。
「書物と装釘」創刊號 昭和5年5月20日装釘同好會発行 400部限定 表紙と目次。
マーブルペーパーの記事があるのにひかれて購入したのか、
はたまた書票(エクスリブリス)の記事があったからか……
「書物と装釘」第二號 昭和5年8月20日装釘同好會発行 400部限定 表紙と目次。
「書物と装釘」第三號 昭和5年11月25日装釘同好會発行 400部限定 表紙と目次。
手元にある3冊には同一記番があるので、同じ人が読んでいたんでしょう。
図書館で同誌を検索すると、ゆまに書房が発行した『文献・書物と装釘』(1993年7月15日)に創刊号から第3号までの複製が掲載されているようです。