現代SFの古典的傑作と評される
『山椒魚戦争』樹下節/訳 世界文化社 昭和28(1953)年。
表紙。
本書は本邦初訳ですが、訳者の樹下節(じゅげ‣たかし 1911~1990)はロシア語翻訳家なので、ロシア語版のチャペック選集からの重訳ということになります。
チェコ語からの初訳は、『世界SF全集 9 エレンブルグ チャペック』(早川書房、1970年10月)に収録されている栗栖継訳『山椒魚戦争』で、1974年には早川書房のハヤカワ・SFシリーズの1冊として刊行されています。
その後、同じ訳者で岩波文庫として出版されています。
『山椒魚戦争』栗栖 継/訳 岩波書店 1978年
この本には、チェコ語から初訳した栗栖継の解説-早川書房のものを再録し、さらに経緯を訳者前書きとあとがきで詳述し、ロシアでしか刊行されたことがないチャペックの小文「異状なし」が収録されているので、チャペックに興味がある方は、岩波文庫版をお読みになることをオススメします。