ウチの伊万里のほとんどはお皿で、その多くは一般的な丸いお皿なんですが
個人的には変形皿が大好きなこともあって、長皿は数えるほどしかありません。
そんな数少ない長皿のひとつが、今回紹介する品です。
「山水に秋草文長皿」

9.5cmX19cmサイズの長皿で、見込部分にはごく一般的な山水文が描かれていますので
特に面白味のある品という訳ではないんですが、見込みの周囲に14個の丸文が描かれているのはちょっと珍しいでしょうか。

この丸文の中に描かれているのは、一応秋草としていますが、業者さんによれば「ススキ」だそうです。
染付の発色も良く、文様の筆致も細かいですすし、縁には口錆も塗ってありますので
そこそこの品なんだと思いますが、見込みの文様が面白味に欠けることもあって、安く売られておりました。

落款は「大明成化年製」、高台部分の文様や裏面の唐草文は典型的な中期の品であることを示していますが
業者さんの言うように「元禄古伊万里」なのかどうかは微妙な感じもします。
この手のお皿は魚料理などの盛付に便利ですが
一客だけではどうしようもありませんね。