Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 124(染付波に鮎文七寸皿)

2021-04-23 23:03:51 | 古伊万里
伊万里では特に人気が高い文様がいくつかあり、勿論、品物の善し悪しは関係するものの、「この文様の品は高い」という文様があります
「鷺文」や「鶉文」、「兎文」そして魚文では「鮎文」が圧倒的に人気が高く、他の文様よりもずっと高額で売られている場合が多いようです。
今回の品はウチに唯一ある「鮎文」のお皿です。
「染付波に鮎文七寸皿」

一般的な鮎文のお皿は、鮎だけだったり、鮎を目立つように描いた品がほとんどだと思われますが
この品の場合、波文が強すぎて鮎が目立ちません。二匹描かれている鮎も、片方はまるで、鯉の滝登りのような構図となっており
鮎文の描き方としては異端児であるように思われます。
この品の場合、波の表現もわりと個性的で、そういった点で考えると、主文様は「波」なのかも知れません。
この品、一見すると元禄~享保期の品のように感じられますが、裏面を見るともう少し時代があることがわかります。
無落款ですが、裏面の繊細な唐草は寛文~延宝に見られるもので、このあたりも魅力的な部分かも知れません。
惜しいことに小さなホツがありますが、もし完品だったらウチにはやって来なかった品であることお確かでしょうか。