Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 107(色絵竜田川に鳳凰五寸皿)

2021-01-23 23:32:27 | 古伊万里
 このところ、ウチの残り少ないコレクションの中から古手の品を紹介していますが、いずれもコンディションがイマイチなのが共通点だったりします。

そんな訳で、今回も寛文期の色絵皿(もちろん状態はそれなり)を紹介したいと思います。
「色絵竜田川に鳳凰五寸皿」

この品を古九谷様式と呼ぶかどうかは微妙な部分もありますが、間違いなく寛文期の色絵五寸皿です。見込みの周囲に二重圏線を描き
その中を緑で塗り、さらにいたずら書きのような線が描かれています。
実はこの部分は釉剥ぎされており、この品が重ね焼きされた品であることが判ります。初期赤絵や初期柿右衛門と呼ばれる小皿にこういった品が見られ
この品も古九谷というよりは過渡期的な様式の品なのかも知れません。

見込み中央には竜田川文が描かれていますが、紅葉が一枚だけというのはなかなかで、黄色と緑と紫だけの三彩手というのもシブいかも知れません。
とはいえ、見込み部分は釉薬がややカセて光沢が失われており、イマイチな状態ではあります。
落款はなく裏文様のない裏白、そして厳しい高台ということで、典型的な寛文期の品の特徴を備えています。
表の絵付けはともかく、個人的にはこの厳しい手の切れそうな高台に魅せられてしまったことは確かです。




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
酒田の人さんへ (遅生)
2021-01-24 06:07:49
いい皿ですね。
釉剥ぎを、実に効果的に使っていますね。
それから、私の注目部は中央の竜田川。
紅葉を一枚だけにして、周りに実のような物を配置したデザインは秀逸ですね。紅葉だけだと、かなりの枚数を描かないと絵にならないし、そうするとバタバタして焦点がボケてしまいます。
小さい空間を最大限に生かした五寸皿だと思います。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2021-01-24 09:47:41
典型的な寛文期のものですね。
赤を使わないで華やかさを出しているんですよね(^_^)
この頃のものには、渋い落ち着きがありますね(^-^*)

高さのある、薄い、厳しい高台作りにも惹かれますね(^_^)
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遅生さんへ (酒田の人)
2021-01-24 17:15:30
初期赤絵にもこういった釉剥ぎをデザインとして生かした品がありますよね
量産するには重ね焼きが必要だったでしょうし、そこでデザインの一部にしてしまうというのは
なかなか出来そうで出来ないように感じます。
紅葉の周りの実のようなものには気づいていませんでしたが
やはりこれは「銀杏」なんでありましょうか。(そう思うと珍品ですが・・・)

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Dr.kさんへ (酒田の人)
2021-01-24 17:20:12
こういった典型的な品を買ってしまうというのは、結局のところ寛文期の品が一番好みに合っている
これに尽きるようには思います。
五彩手の古九谷のような華麗さはないものの、渋い色絵としての魅力はあるのかも知れません。
>高さのある、薄い、厳しい高台作りにも惹かれますね
この薄く鋭い高台はこの時代だけしかありませんので
見つけると欲しくなるという、病気みたいなもんでしょうか。
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