過去に拙ブログに掲載した古伊万里をワタシ自信の「好み」で数枚取り上げるネタですが
今回は元禄~寛政といった中期(といか18世紀の)染付のお皿を数枚集めてみました。
まずは一般的には盛期伊万里に分類されるであろう小皿です
白く上質な土、淡く上品な染付、青玉に蛸唐草を組み合わせた文様
傷物であるが故にウチのコレクションに納まっている品ではあります
続いては中央を白抜きした深皿です
車輪福の落款が入った上手の深皿で、土の白さ、染付の発色、細かい筆致
業者さんは元禄藍柿と称して売っておりました
続いては中期の連続文様の代表格である蛸唐草の六寸皿です
ワタシが古伊万里を購入するようになった頃は蛸唐草の全盛時代で、それは高い値段で売られていたものでした
そんな時代のトラウマから蛸唐草には手を出さなかったのですが、唯一この品だけは魅力に負けて購入した品です
三方に松川菱形の蛸唐草を絵付けした品で、類品を見かけないように思います。
続いては蛸唐草と並ぶ中期の連続文様の雄、花唐草の七寸皿です
花唐草の描き方から判断すると享保~宝暦といった時代の品だと想像されますが
この文様の組み合わせと文様の割り方が優美な魅力を醸し出しています。
次の品は花唐草と和風の文様を組み合わせた品です
享保あたりの品だと想像していますが、花唐草に散らし方が面白い品です
最後は少し時代が下がって18世紀末の寛政期の品です
わりと有名な品で、陽刻を施した見えに麒麟を描いています
ワタシにとっては古伊万里に興味を持ってからずっと憧れだった品で
入手するまでに20年近くかかった品でもあります(その間、随分と値段がさがりましたが)
こうして見ていくと、やはり盛期伊万里の完成度の高さは別格ですが、時代が下がっても、その時代ならでは魅力を持った品が存在することを認識できます
いずれにしろ、やはり盛期は繊細ですね。
どの工芸品にもあてはまることですが、もうこれ以上先へは行けないので、以降、だんだん落ちていったのでしょうか。
盛期の品はこの緻密で美しい文様が魅力的ですね。これを描くのにどれだけの手間がかかるかと想像すると本当に貴重に見えます(^^)
書籍等ので昔憧れた品ってありますよね。
すごく分かります。思い出を追いかけているような感覚を私も持ちます。
そんな感じでヤフオクあたりをいつもチェックしてしまっています笑(^^)
その後の歴史は伊万里の研究本に書いてある通りだと思いますが
そのあたりは現代と同じで、コストダウンによって広く販路を拡大という道だったのは確かです。
昔は盛期伊万里だけが古伊万里として流通していたようですから
昔からレベルの高い別物としての評価だったんでしょうか・・・。
そう簡単には手が出せませんが、ウチにあるのも昔入手した傷物とかです
思えば田舎では伊万里の図録なんて買えませんでしたから
骨董雑誌に載っている業者さんの広告の品が、最初に憧れた品だったように思います。
これらは、高かったですよね。
そんなこともあって、我が家には、この手のものは少ないです(~_~;) 買えなかったから、、、(~_~;)
1点、1点、じっくりと狙って、執念で手に入れていったことが覗えますね(^_^)
「蛸唐草の六寸皿」の中央部は、〇の中が周囲の文様よりも少し大きく描いてありますよね。それは、虫眼鏡で覗くと、そのように見えますけれど、それをヒントにして描いているのでしょうか、、、。
当時も、虫眼鏡みたいなのはあったのでしょうかね。
有田の陶工は、そうした最新の物にも興味を持ち、最新の知識を利用した図案も取り入れているようですね(^-^*)
蛸唐草や花唐草も今では信じられないような値段で売られていました。
とりあえず傷物でも本物を、という思いで入手したことが、後の収集に繋がった気もします。
松皮菱の蛸唐草は珍品の部類だと思いますが、確かに二重圏線があることで
面白い効果が得られているように思います。
それにしても、色絵古九谷や吸坂手、濁し手柿右衛門なんてのは
昔から値段が変わらないですから、そのあたりが骨董と古美術の分かれ目なんでありましょうか。