古伊万里を160個(内容はともかく)以上も集めると、中には買ったことを忘れている品もでてきます
これといった特長のない品でも、収集を始めて日の浅い時期には「これは300年前の中期古伊万里だ」という思いだけが強く働き購入してしまい
その後ずっと仕舞いこまれることで、暫くぶりで見ると、「あれ、こんな品あったっけ」となる訳です。
今回の品もそんなずっと忘れていた品です
「染付水仙文五寸皿」
余白を十分に取り、二重圏線をまたいで水仙を描き、そして圏線の外側には何か判らない文様が描かれています
一般的には元禄時代の染付小皿として売られていると思いますが、水仙文はともかく、外側のなにやら先端の尖った文様は「?」だったりします
この種の文様は「雲」として扱われることがありますが、それならば先端を尖らせたデザインにはならないと思われますので
むしろ「アザミ」の葉のような気もしなくもありません。
圏線を跨いだ絵付けは中期の品でわりと見かけますが、手慣れた筆致で絵付けされています
絵付けに濃みのグラデーションがないことから、やはり時代的には元禄~享保といった時代の可能性が高いでしょうか
裏面は中期の上手の印象を残していますね
面白味に欠ける品ではありますが、それでも中期古伊万里として魅力は備えているようには思います。
意味ありそで無さそな、無さそでありそな模様ですね。
染付けの発色がきれいで、やはり中期の品ではないでしょうか。
それで、「あれっ、意外と良い物だったんだな~」と思いますよね。
まだ、初々しい頃に集めたものには、案外、そのようなものがありますね(^-^*)
最近では、古伊万里が安くなったとはいえ、なかなか、このクラスのものは出てこなくなったと思います。
私には、やはり、月並みな見方ですが、圏線の外側の文様は「雲」のように見えます。
「雲」の晴れ間の青空に、濃い染付で花文を散りばめているのかと、、、。
一般的な雲のイメージとは違うんで、雲文と言いきれない面はありますが
扱ってい業者さんは「雲文」としていたように記憶しています。
自分の好みがある程度はっきりする以前に収集した品は
微妙に忘れているケースがあるように感じます(たいした数はないんですが)
こうして考えると、購入時のエピソードとセットで記憶されている品は
ずっと忘れないですよね。