今日、信太の森FANクラブからメールが届いていました。信太の森ニュースも
添付されていました。花田先生を偲び全文転記致しました。・・・
////////////////
信太の森ニュースNO.22 2015年11月8日
写真:和泉市公園協議会主催の観察会/(惣ケ池湿地)
この夏は二重連、三重連の台風が発生し、全国各地に記録的な大雨をもたらし、鬼
怒川の氾濫に見られるように大きな災害となりました。温暖化による海水温の上
昇でこうした異常気象の多発となったようです。信太山丘陵では今年はやや雨の
日が多かったことで、惣ケ池湿地の池が干上がることもなく、水辺の生き物たち
には快適な水辺を提供したようです。しかし、信太山丘陵では温暖化の影響か
と思われるような出来事がありました。前号編集後記にも記しましたが、梅雨真
最中の6月14日に鶴山台でヒグラシが鳴きました。会員のSさんから「今朝鳴
いてましたで」と聞いたときは我耳を疑ったくらいで、その夕刻我が家の前で聞
きました。3日間鳴いていましたが、ヒグラシはヒノキなど針葉樹林で生息して
いるのが普通で不思議なことです。ヒグラシばかりか、6月28日の観察会では、
クマゼミの鳴き声が観察されました。これもかなり早い出現です。
地球の温暖化は確実に進んでいます。だからと言ってCO2を排出しない原発の再
稼働が許されるものではありません。地震大国でなくとも、一つ間違えれば人も
住めなくなる危険性があるからです。
■訃報
E-メールが可能な方には既にお知らせしておりますが、当FANクラブの生み
の親であり代表であった花田茂義さんが9月29日急逝されました。
昨年夏頃より肺せん癌で治療を続けておられ、半月前には温泉療養の下見で数日
の旅行をされたばかりでした。花田代表にあっては、聖神社のシリブカガシを守
る運動をはじめ当クラブの代表として、また信太山に自然公園を求める連絡会事
務局として信太山丘陵の自然保護運動の中心的役割を果たしてこられました。
その結果、信太山丘陵市有地の自然公園化構想が決まり、10年先の開園とはい
え、今年4月から公園づくりがスタートしたばかりでした。信太山丘陵の自然保
護に情熱を傾けてこられただけに、開園を見ずして逝かれた花田代表のお気持ち
を考えると残念でなりません。
■公園協議会主催観察会開催される
4月からスタートした信太山丘陵市有地公園協議会行事の一環として、7月26
日(日)に観察会が開催されました。この日は晴天に恵まれ、会員7名、子ども
5名を含む23名が参加し、市有地内と惣ケ池湿地を観察しました。この観察会
は、FANクラブが市から観察会講師の依頼を受けて実施することになりました。
これは、FANクラブがNPO法人となって、はじめて外部から委託をうけて実
施したもので、開催にあたり会員の得意分野を表したネームプレートを準備し、
当日はこのネームプレートを付け、これまでの観察会でそれぞれが培ったノウハ
ウを活かして案内に努めました。
■公園予定地の保全作業
公園協議会による公園予定地(Sゾーン)の作業は、8,9月の暑い時期を除き、
7月11日、10月4日、11月1日に実施されました。7月は参加者も少なく、
7月26日の観察会の観察路を確保するために枯れ松倒木の整理と笹刈りを行い
ました。10月、11月は、FANクラブ会員の参加者もそれぞれ12名、13
名と多く参加していただき、Sゾーンの中を通る車道西側の草地(草原)復元予
定地(これまでに部分的に草刈を行っていた)地のネザサを刈り、草地復元予定
地をさらに拡大しました。これまでは、試験区的な草刈でしたが、この2ケ月の
草刈で大きな広場ができ、公園予定地整備がいよいよ始まったという感じを受け
ました。特に11月の作業日は、作業開始前に当FANクラブ会員の尾崎公則さ
んを講師に保全作業における安全講習を1時間行いました。これは、これまでの
保全作業時に怪我までには至らなくとも、適切な作業間隔が保たれていないなど
危険性をはらんでいたことから公園協議会の中で開催を求めていたものです。な
お、12月6日(日)の保全作業日はキックオフイベントとして開催されます。
その内容は現在検討中で、市長も出席して開催される予定です。
■惣ケ池湿地にサギソウ
今年惣ケ池湿地では、サギソウが一輪咲きました。「エッ!惣ケ池湿地にサギソ
ウがあったかな?」と思われる方が殆どでしょう。実は、5年位前に花田さん、
島崎さん、園芸店勤務の青年Tさんと4人で信太山丘陵のサギソウを絶滅から守
るために、信太山丘陵の原種の種子を採取し、無菌培養で育て、現地移植を試み
る計画をしてきました。花田さん曰く「SSプロジェクト」です。無菌培養し
たものは、これまで花田さんが育ててこられたのですが、今年3月末にその球根
をSゾーンに20球、惣ケ池湿地に10球の移植を試みました。その結果、どち
らも7割方発芽しましたが、咲いたのは惣ケ池湿地の一株一輪だけでした。その
一輪のその花も数日後には誰かに摘み採られたということでした。花田さんご生
存中にその報告はしておいたのですが、残念ながら一月も経ないうちに旅立たれ
てしまいました。花田さん亡き後、花田さんの自宅に残された無菌培養球根を信
太山丘陵に根付かせるべく、Tさんとも連絡をとりました。花田さんの夢をなん
とか実現させたいと考えています。
■今後の役員体制について
10月8日、21日の両日、理事会を開催し、FANクラブ代表、事務局の後任
を話し合いました。その結果、代表にはこれまでの事務局田丸が、事務局には吉
原規明さんが選ばれました。会計はこれまでどおり島崎舜二さんが担当します。
事務局については、次期総会までに役割分担を決め、徐々に引き継ぐこととして、
その任務に当たることになりました。ご協力よろしくお願いいたします。
■公園協議会キックオフイベント
公園協議会の発足を記念するイベントとして、12月6日(日)にキックオフイ
ベントが開催されます。(和泉市広報掲載) 内容は、観察班と草刈班に分かれ、
市有地内観察と草刈作業をおこなった後、豚汁の炊き出しを行うことにしています。
多くの方の参加をよろしくお願いします。参加人数の確認が必要ですので、参加で
きる方は田丸までご連絡をお願いします。
日 時 12月6日(日)10時集合
場 所 市有地ゲート内
携行品 弁当、豚汁用お椀、シート
服 装 作業ができる服装でご参加を。
■花田茂義さんを偲んで
大きな大黒柱を突然失ったような気がします。受話器の向こうから届いた花田代
表の訃報に一瞬「えっ!」としか声が出なく、立っている足から力が抜けていき
ました。身体の不調は以前からお聞きしていましたが、こんなにも急に逝かれる
とは。私が花田代表に初めてお会いしたのは「信太の森ふるさと館」で信太山ネ
イチャークラブの指導をなさっていた頃でした。私が自然環境に関心を持ち、子
ども達と一緒に観察や工作を始めた頃、子ども達にどのように接したらよいか悩
んでいたときで、いい機会だと参加しました。花田先生の指導を見て多くのこと
を学ぶことができました。そして今日に至っています。 この間多くの出来事が
駆け巡りました。花田先生は、信太山丘陵の自然や歴史に関する豊富な知識を持
たれ、信太山丘陵をこよなく愛されていましたが、ここに「大型スポーツ施設建
設」の話が持ち上がったことで、信太の森FANクラブの結成や信太山丘陵に里
山自然公園を求める連絡会の立ち上げなど信太山丘陵の自然を守る運動の中心的
役割を担ってこられました。その結果、信太山丘陵市有地は自然公園として残る
こととなり、今年4月から「信太山丘陵市有地公園協議会」が発足し、これから
という矢先に逝かれたことは残念でなりません。私の心に残る花田先生との思い
出の一つに市有地内の「ツツジの丘」の草刈があります。二人だけで一緒に汗を
流しました。これは信太山丘陵市有地の公園化が決まる以前のことです。その成
果があって、それ以来毎年見事な花を咲かせています。「花田先生」という私に
「花田と呼んでくれ」といつも言っておられましたが、私にとってはやはり「花
田先生」が合います。花田先生、ご冥福をお祈り申し上げます。(島崎舜次)
突然の訃報に驚きましたが、同時に花田さんとの出会いからお別れまでの事柄が
走馬灯のように頭の中を巡りました。最初の出会いは30数年前に管理組合の仕
事を一緒にした時でしたが、その後転居をされたので永らくお会いする機会はあ
りませんでした。二度目の出会いは、リタイアしたら地元に恩返しをせよとの先
輩の命令?で、信太の森ふるさと館を訪れた時でした。花田さんはそこで学芸員
をされていましたが、私のことをよく覚えて下さっていて、びっくりすると共に
人の出会いの不思議さに驚いたものです。それが縁で、信太の森ネイチャークラ
ブのお手伝いをすることになり、指導員という肩書を付けてもらったものの、植
物や鳥の名前などの知識が皆無で、子どもたちと一緒に学ぶというのがスタート
でしたが、自然の素晴らしさを知り感激の連続でした。第二の人生を歩み始めた
私に、自然という新しい世界の扉を開けてくれた花田さんは大恩人です。どうか
天国から信太の森の自然をいつまでも見守って下さい。 合掌(本田信美)
【NPO法人 信太の森FANクラブ】
事務局E-mail
tamahati@amber.plala.or.jp
////////////////
添付されていました。花田先生を偲び全文転記致しました。・・・
////////////////
信太の森ニュースNO.22 2015年11月8日
写真:和泉市公園協議会主催の観察会/(惣ケ池湿地)
この夏は二重連、三重連の台風が発生し、全国各地に記録的な大雨をもたらし、鬼
怒川の氾濫に見られるように大きな災害となりました。温暖化による海水温の上
昇でこうした異常気象の多発となったようです。信太山丘陵では今年はやや雨の
日が多かったことで、惣ケ池湿地の池が干上がることもなく、水辺の生き物たち
には快適な水辺を提供したようです。しかし、信太山丘陵では温暖化の影響か
と思われるような出来事がありました。前号編集後記にも記しましたが、梅雨真
最中の6月14日に鶴山台でヒグラシが鳴きました。会員のSさんから「今朝鳴
いてましたで」と聞いたときは我耳を疑ったくらいで、その夕刻我が家の前で聞
きました。3日間鳴いていましたが、ヒグラシはヒノキなど針葉樹林で生息して
いるのが普通で不思議なことです。ヒグラシばかりか、6月28日の観察会では、
クマゼミの鳴き声が観察されました。これもかなり早い出現です。
地球の温暖化は確実に進んでいます。だからと言ってCO2を排出しない原発の再
稼働が許されるものではありません。地震大国でなくとも、一つ間違えれば人も
住めなくなる危険性があるからです。
■訃報
E-メールが可能な方には既にお知らせしておりますが、当FANクラブの生み
の親であり代表であった花田茂義さんが9月29日急逝されました。
昨年夏頃より肺せん癌で治療を続けておられ、半月前には温泉療養の下見で数日
の旅行をされたばかりでした。花田代表にあっては、聖神社のシリブカガシを守
る運動をはじめ当クラブの代表として、また信太山に自然公園を求める連絡会事
務局として信太山丘陵の自然保護運動の中心的役割を果たしてこられました。
その結果、信太山丘陵市有地の自然公園化構想が決まり、10年先の開園とはい
え、今年4月から公園づくりがスタートしたばかりでした。信太山丘陵の自然保
護に情熱を傾けてこられただけに、開園を見ずして逝かれた花田代表のお気持ち
を考えると残念でなりません。
■公園協議会主催観察会開催される
4月からスタートした信太山丘陵市有地公園協議会行事の一環として、7月26
日(日)に観察会が開催されました。この日は晴天に恵まれ、会員7名、子ども
5名を含む23名が参加し、市有地内と惣ケ池湿地を観察しました。この観察会
は、FANクラブが市から観察会講師の依頼を受けて実施することになりました。
これは、FANクラブがNPO法人となって、はじめて外部から委託をうけて実
施したもので、開催にあたり会員の得意分野を表したネームプレートを準備し、
当日はこのネームプレートを付け、これまでの観察会でそれぞれが培ったノウハ
ウを活かして案内に努めました。
■公園予定地の保全作業
公園協議会による公園予定地(Sゾーン)の作業は、8,9月の暑い時期を除き、
7月11日、10月4日、11月1日に実施されました。7月は参加者も少なく、
7月26日の観察会の観察路を確保するために枯れ松倒木の整理と笹刈りを行い
ました。10月、11月は、FANクラブ会員の参加者もそれぞれ12名、13
名と多く参加していただき、Sゾーンの中を通る車道西側の草地(草原)復元予
定地(これまでに部分的に草刈を行っていた)地のネザサを刈り、草地復元予定
地をさらに拡大しました。これまでは、試験区的な草刈でしたが、この2ケ月の
草刈で大きな広場ができ、公園予定地整備がいよいよ始まったという感じを受け
ました。特に11月の作業日は、作業開始前に当FANクラブ会員の尾崎公則さ
んを講師に保全作業における安全講習を1時間行いました。これは、これまでの
保全作業時に怪我までには至らなくとも、適切な作業間隔が保たれていないなど
危険性をはらんでいたことから公園協議会の中で開催を求めていたものです。な
お、12月6日(日)の保全作業日はキックオフイベントとして開催されます。
その内容は現在検討中で、市長も出席して開催される予定です。
■惣ケ池湿地にサギソウ
今年惣ケ池湿地では、サギソウが一輪咲きました。「エッ!惣ケ池湿地にサギソ
ウがあったかな?」と思われる方が殆どでしょう。実は、5年位前に花田さん、
島崎さん、園芸店勤務の青年Tさんと4人で信太山丘陵のサギソウを絶滅から守
るために、信太山丘陵の原種の種子を採取し、無菌培養で育て、現地移植を試み
る計画をしてきました。花田さん曰く「SSプロジェクト」です。無菌培養し
たものは、これまで花田さんが育ててこられたのですが、今年3月末にその球根
をSゾーンに20球、惣ケ池湿地に10球の移植を試みました。その結果、どち
らも7割方発芽しましたが、咲いたのは惣ケ池湿地の一株一輪だけでした。その
一輪のその花も数日後には誰かに摘み採られたということでした。花田さんご生
存中にその報告はしておいたのですが、残念ながら一月も経ないうちに旅立たれ
てしまいました。花田さん亡き後、花田さんの自宅に残された無菌培養球根を信
太山丘陵に根付かせるべく、Tさんとも連絡をとりました。花田さんの夢をなん
とか実現させたいと考えています。
■今後の役員体制について
10月8日、21日の両日、理事会を開催し、FANクラブ代表、事務局の後任
を話し合いました。その結果、代表にはこれまでの事務局田丸が、事務局には吉
原規明さんが選ばれました。会計はこれまでどおり島崎舜二さんが担当します。
事務局については、次期総会までに役割分担を決め、徐々に引き継ぐこととして、
その任務に当たることになりました。ご協力よろしくお願いいたします。
■公園協議会キックオフイベント
公園協議会の発足を記念するイベントとして、12月6日(日)にキックオフイ
ベントが開催されます。(和泉市広報掲載) 内容は、観察班と草刈班に分かれ、
市有地内観察と草刈作業をおこなった後、豚汁の炊き出しを行うことにしています。
多くの方の参加をよろしくお願いします。参加人数の確認が必要ですので、参加で
きる方は田丸までご連絡をお願いします。
日 時 12月6日(日)10時集合
場 所 市有地ゲート内
携行品 弁当、豚汁用お椀、シート
服 装 作業ができる服装でご参加を。
■花田茂義さんを偲んで
大きな大黒柱を突然失ったような気がします。受話器の向こうから届いた花田代
表の訃報に一瞬「えっ!」としか声が出なく、立っている足から力が抜けていき
ました。身体の不調は以前からお聞きしていましたが、こんなにも急に逝かれる
とは。私が花田代表に初めてお会いしたのは「信太の森ふるさと館」で信太山ネ
イチャークラブの指導をなさっていた頃でした。私が自然環境に関心を持ち、子
ども達と一緒に観察や工作を始めた頃、子ども達にどのように接したらよいか悩
んでいたときで、いい機会だと参加しました。花田先生の指導を見て多くのこと
を学ぶことができました。そして今日に至っています。 この間多くの出来事が
駆け巡りました。花田先生は、信太山丘陵の自然や歴史に関する豊富な知識を持
たれ、信太山丘陵をこよなく愛されていましたが、ここに「大型スポーツ施設建
設」の話が持ち上がったことで、信太の森FANクラブの結成や信太山丘陵に里
山自然公園を求める連絡会の立ち上げなど信太山丘陵の自然を守る運動の中心的
役割を担ってこられました。その結果、信太山丘陵市有地は自然公園として残る
こととなり、今年4月から「信太山丘陵市有地公園協議会」が発足し、これから
という矢先に逝かれたことは残念でなりません。私の心に残る花田先生との思い
出の一つに市有地内の「ツツジの丘」の草刈があります。二人だけで一緒に汗を
流しました。これは信太山丘陵市有地の公園化が決まる以前のことです。その成
果があって、それ以来毎年見事な花を咲かせています。「花田先生」という私に
「花田と呼んでくれ」といつも言っておられましたが、私にとってはやはり「花
田先生」が合います。花田先生、ご冥福をお祈り申し上げます。(島崎舜次)
突然の訃報に驚きましたが、同時に花田さんとの出会いからお別れまでの事柄が
走馬灯のように頭の中を巡りました。最初の出会いは30数年前に管理組合の仕
事を一緒にした時でしたが、その後転居をされたので永らくお会いする機会はあ
りませんでした。二度目の出会いは、リタイアしたら地元に恩返しをせよとの先
輩の命令?で、信太の森ふるさと館を訪れた時でした。花田さんはそこで学芸員
をされていましたが、私のことをよく覚えて下さっていて、びっくりすると共に
人の出会いの不思議さに驚いたものです。それが縁で、信太の森ネイチャークラ
ブのお手伝いをすることになり、指導員という肩書を付けてもらったものの、植
物や鳥の名前などの知識が皆無で、子どもたちと一緒に学ぶというのがスタート
でしたが、自然の素晴らしさを知り感激の連続でした。第二の人生を歩み始めた
私に、自然という新しい世界の扉を開けてくれた花田さんは大恩人です。どうか
天国から信太の森の自然をいつまでも見守って下さい。 合掌(本田信美)
【NPO法人 信太の森FANクラブ】
事務局E-mail
tamahati@amber.plala.or.jp
////////////////