すこぶる猛暑、まだまだ残暑、
と思いきや、‘処暑’(暑さが収まる)を過ぎたら、途端に秋めいて、肌寒いほど。慌てて長袖を着ました。
そんな8月も、もうすぐ終わり。
ついこの間のお盆休みのことを、書きたいと思います。
山形にある出羽三山(でわさんざん)に、行ってきました。
久しぶりの、東北の、濃厚な夏の山の緑の空気に、全身の細胞が大悦びしてパンパンにふくれ上がりっぱなしになってるような、
満ち足りっぱなしの旅でした。
短いながら濃厚だったもんで、一回で終わらない気配がすでに1000000%。
2年前のイギリス旅日記連載すら終わってないのに、新たなる連載型旅日記を始めようとしていることに、わなわな、戦慄を禁じ得ませんが。致し方なし。
*
きっかけは、思いつき。
お盆休み直前に「海」に行ったので、じゃあ「山」も行きたいな、と思ったんだったか。
とにかく、直前の思いつきで。
「出羽三山」というのは、前から気にはなっていた未知なる場所でしたが、唐突に思いつきました。
こういう直感は、信じたい。
即座にネットで出羽三山の廻り方を調べて、近辺の宿を予約して、
お盆だから高速は混むはずなので、仕事が完了したその日の夜のうちに出発しよう!
、などと意気込んでいましたが、さすがに疲れてて寝てしまい、深夜移動は失敗。
翌早朝7時。会社から、いつも仕事で使っている愛用の軽トラに乗って、
出発。
*
とにかく、どちらかというと「一度も行ったことの無い方」を選びたい性分なので、
東北道じゃなくて、関越道経由で、新潟の海岸線から上って行くルートで行くことにしました。
所沢インターから入って、埼玉を抜けるまでが、長かった・・・。(まだ埼玉?いつまで埼玉?埼玉どんだけ広いの?って若干腹が立つくらい、延々埼玉)
関越道は割とスイスイ。
関越道は、新潟に入ると いつのまにやら下道にすげ変わり、
日本海沿いを通って。
山と海がこんなに近い。
また一歩内側へ入れば、
田園地帯。
秋田暮らし以来の、懐かしい、真夏の稲の香り。稲の香りにいっぱいに満ちた空気。
蒸せるほど目映い、青い穀物の、陽に灼けて香ばしい匂い。
こんもり、名もなき小さな森の群れ。
がら〜んとして人気の無い、まーーーっすぐ伸びる、軽トラ一台分くらいの幅のせまい農道は、やっぱり、居心地が良い。このくらいのスケール感がきっと、ヒューマンスケールの‘道’として、ちょうど居心地の良い幅なんだと思う。(神田橋とかの片道5車線とか、意味判らなすぎて意識ひっくり返りそうになる。)
そして、
山肌を覆い潰すほどにびっしりはびこる、葛(くず)のつる。そして、その花の、甘〜〜い香り!
全開の窓にぶわんぶわん飛び込んで来る風の中に混ざるその香りが嬉しくて、細胞が爆発しそう。
という感じで、昼下がり、山形入り。
もうちょい頑張れば、夕方前には着きそうです。
しかし。
夕方くらいに出羽三山に着いても、神社仏閣に参拝するべき時間帯(遅くとも午後3時くらいまで)は過ぎてしまったので、中途半端。宿のチェックインは18時にしてしまったし。
じゃあ、
よし、とりあえず、
温泉、入っとこう。と、
「日帰り 温泉 最寄り」で検索して、
降り立ったのは、
湯田川(ゆたがわ)温泉という、古〜〜い温泉町の、
「正面の湯」という、小さな小さな、共同浴場。
地元のおじいさんだけが居る感じの、どローカル。
シンプルな真四角のお風呂。3、4人入るともういっぱい、シャンプーとか石けんとか何も無いけど、
1300年前からあるという、大変由緒ある温泉で、
加温も加水も循環も全くしていない、きわめて純粋な天然の源泉掛け流し(←これが一番大事)の、熱い、良いお湯でした。
入るには、ちょっと離れたとこにある商店のおじさんに入湯料(430円)払って、鍵を開けてもらいます。
温泉から上がると雨が降り出しちゃって、散策もしないで出立してしまいましたが、
町はとても小さいし、鄙びているけれど、奥ゆかしい佇まいで、
何にも無さそうに見えるけど、実は何かがあるかもしれません。奥深い何かが。
*
そうこうして、夕方。
宿のチェックインの時間が頃合い良く迫ってきたので、
いざ、出羽三山のうちの一、羽黒山の麓の宿坊へ。
湯田川温泉から30分くらいで着くはずが、道を間違えて遠回りしちゃって(←どの旅でも必ず起こる現象)、
1時間弱で、着きました。
この日の宿は、茅葺き屋根の宿坊。神林勝金さん。
羽黒山の入口の、まさにお隣。
茅葺きビューの部屋でした。驚きの、wifi完備。
そして、
みごとな精進料理。
すごく美味しいし、それに加えて、なんだか嬉しくてたまらなくて、またもや身体の細胞が喜びに満ちて叫び出しそうなほどで、
もう、たまりませんでした。
前世の1人に山伏(修行僧)が居ると言われたことがあるのですが、その山伏さんが大悦びしているのかも、なんて思ったり。
という感じで、
出羽三山(=羽黒山・月山・湯殿山)の三社詣で・本番を控え、
東京から山形の山の中まで、車で走ること9時間。とにかく大移動した0日目は、これにて終了。
出羽三山の巡り方は、羽黒山→月山→湯殿山 という順番が良いらしい。
ということで、
明けたら、
まずは羽黒山(はぐろさん)へ、参ります。
羽黒山は、「現世」なんだそうな。
>>続く。>>
と思いきや、‘処暑’(暑さが収まる)を過ぎたら、途端に秋めいて、肌寒いほど。慌てて長袖を着ました。
そんな8月も、もうすぐ終わり。
ついこの間のお盆休みのことを、書きたいと思います。
山形にある出羽三山(でわさんざん)に、行ってきました。
久しぶりの、東北の、濃厚な夏の山の緑の空気に、全身の細胞が大悦びしてパンパンにふくれ上がりっぱなしになってるような、
満ち足りっぱなしの旅でした。
短いながら濃厚だったもんで、一回で終わらない気配がすでに1000000%。
2年前のイギリス旅日記連載すら終わってないのに、新たなる連載型旅日記を始めようとしていることに、わなわな、戦慄を禁じ得ませんが。致し方なし。
*
きっかけは、思いつき。
お盆休み直前に「海」に行ったので、じゃあ「山」も行きたいな、と思ったんだったか。
とにかく、直前の思いつきで。
「出羽三山」というのは、前から気にはなっていた未知なる場所でしたが、唐突に思いつきました。
こういう直感は、信じたい。
即座にネットで出羽三山の廻り方を調べて、近辺の宿を予約して、
お盆だから高速は混むはずなので、仕事が完了したその日の夜のうちに出発しよう!
、などと意気込んでいましたが、さすがに疲れてて寝てしまい、深夜移動は失敗。
翌早朝7時。会社から、いつも仕事で使っている愛用の軽トラに乗って、
出発。
*
とにかく、どちらかというと「一度も行ったことの無い方」を選びたい性分なので、
東北道じゃなくて、関越道経由で、新潟の海岸線から上って行くルートで行くことにしました。
所沢インターから入って、埼玉を抜けるまでが、長かった・・・。(まだ埼玉?いつまで埼玉?埼玉どんだけ広いの?って若干腹が立つくらい、延々埼玉)
関越道は割とスイスイ。
関越道は、新潟に入ると いつのまにやら下道にすげ変わり、
日本海沿いを通って。
山と海がこんなに近い。
また一歩内側へ入れば、
田園地帯。
秋田暮らし以来の、懐かしい、真夏の稲の香り。稲の香りにいっぱいに満ちた空気。
蒸せるほど目映い、青い穀物の、陽に灼けて香ばしい匂い。
こんもり、名もなき小さな森の群れ。
がら〜んとして人気の無い、まーーーっすぐ伸びる、軽トラ一台分くらいの幅のせまい農道は、やっぱり、居心地が良い。このくらいのスケール感がきっと、ヒューマンスケールの‘道’として、ちょうど居心地の良い幅なんだと思う。(神田橋とかの片道5車線とか、意味判らなすぎて意識ひっくり返りそうになる。)
そして、
山肌を覆い潰すほどにびっしりはびこる、葛(くず)のつる。そして、その花の、甘〜〜い香り!
全開の窓にぶわんぶわん飛び込んで来る風の中に混ざるその香りが嬉しくて、細胞が爆発しそう。
という感じで、昼下がり、山形入り。
もうちょい頑張れば、夕方前には着きそうです。
しかし。
夕方くらいに出羽三山に着いても、神社仏閣に参拝するべき時間帯(遅くとも午後3時くらいまで)は過ぎてしまったので、中途半端。宿のチェックインは18時にしてしまったし。
じゃあ、
よし、とりあえず、
温泉、入っとこう。と、
「日帰り 温泉 最寄り」で検索して、
降り立ったのは、
湯田川(ゆたがわ)温泉という、古〜〜い温泉町の、
「正面の湯」という、小さな小さな、共同浴場。
地元のおじいさんだけが居る感じの、どローカル。
シンプルな真四角のお風呂。3、4人入るともういっぱい、シャンプーとか石けんとか何も無いけど、
1300年前からあるという、大変由緒ある温泉で、
加温も加水も循環も全くしていない、きわめて純粋な天然の源泉掛け流し(←これが一番大事)の、熱い、良いお湯でした。
入るには、ちょっと離れたとこにある商店のおじさんに入湯料(430円)払って、鍵を開けてもらいます。
温泉から上がると雨が降り出しちゃって、散策もしないで出立してしまいましたが、
町はとても小さいし、鄙びているけれど、奥ゆかしい佇まいで、
何にも無さそうに見えるけど、実は何かがあるかもしれません。奥深い何かが。
*
そうこうして、夕方。
宿のチェックインの時間が頃合い良く迫ってきたので、
いざ、出羽三山のうちの一、羽黒山の麓の宿坊へ。
湯田川温泉から30分くらいで着くはずが、道を間違えて遠回りしちゃって(←どの旅でも必ず起こる現象)、
1時間弱で、着きました。
この日の宿は、茅葺き屋根の宿坊。神林勝金さん。
羽黒山の入口の、まさにお隣。
茅葺きビューの部屋でした。驚きの、wifi完備。
そして、
みごとな精進料理。
すごく美味しいし、それに加えて、なんだか嬉しくてたまらなくて、またもや身体の細胞が喜びに満ちて叫び出しそうなほどで、
もう、たまりませんでした。
前世の1人に山伏(修行僧)が居ると言われたことがあるのですが、その山伏さんが大悦びしているのかも、なんて思ったり。
という感じで、
出羽三山(=羽黒山・月山・湯殿山)の三社詣で・本番を控え、
東京から山形の山の中まで、車で走ること9時間。とにかく大移動した0日目は、これにて終了。
出羽三山の巡り方は、羽黒山→月山→湯殿山 という順番が良いらしい。
ということで、
明けたら、
まずは羽黒山(はぐろさん)へ、参ります。
羽黒山は、「現世」なんだそうな。
>>続く。>>