<中西準子さんの指摘>
農家の方は、補償金は貰えるかもしれない。しかし、それよりは仕事をして自分の力でお金を稼ぎたいと考えるのは当然だ。また、補償などいつまで続くかも分からない。
仕事を失うことの恐怖は誰にとっても大きい。でも、その恐怖は、街に住むわれわれの方が強いかもしれない。だからこそ、生業を失いたくないという気持ちは理解できるのではなかろうか。われわれがコメを買うことで、仕事の場を提供できる。農家は仕事を求めている。
今の農家がコメだけで生活できるわけではない。さらに、多くの農家にとっては、農業だけで生活できるわけではない。しかし、コメ作りは生きることの柱になっているのだと思う。私達が、少し気持ちを切り換えることでその希望に応えることができる、そういう機会が私達に与えられている。補償金漬けの問題が早くも指摘されていることも、合わせて考えよう。補償すればいいでは、解決にならない。
<水田除染、1市2町が薬剤散布や土壌深耕実施>
2012年産米の作付けに向け、福島県伊達、桑折、国見各市町が行う水田の具体的な除染対策が3月5日固まった。JA伊達みらい(伊達市)に作業を委託、同JAが1市2町で実施中の果樹の除染で培ったノウハウを生かし、農家と連携し水田への放射性物質吸収抑制剤の散布や土壌を普段より深く耕す「深耕」などを行う。
3月下旬にも始める。例年より20日前後遅れるが、2011年同様5月20日ごろには田植えできる予定。3月5日、同市で農業団体代表の緊急会議が開かれ、示された。
管理の徹底で作付けが認められる、1キロ当たり100ベクレル超500ベクレル以下の放射性セシウムが検出された地域を優先する。管内の全水田2300ヘクタールでの実施が目標で、続いて100ベクレル以下でも行い、伊達市の方針次第では500ベクレル超でも行う。