“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

地方の過疎化、継承すべき文化

2012年03月15日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
「11年3.11震災で東北の過疎化は促進される。だから、水産特区、農産特区をつくり、規模を大きくして、企業誘致をすべきである。」との政治主張が宮城県知事、仙台市長からされています。彼らは、過疎化を逆手にとって、震災特需を大手企業にもたらそうとしています。その結果、東北の沿岸部地域荒廃、一次産業、伝統文化の衰退する危険性があります。歴史的文化の担い手が更に減少することが心配されます。東北にある文化遺産、伝統文化の荒廃は国家的な損失と思います。過疎化も仕方なしとはならず、守り、発展させることが大きな課題だと思います。

なぜ過疎化するのでしょうか。
政治の無策の結果、雇用の場がない、地元に就職先がない。一次産業の衰退。経済的な疲弊感と人口減少の繰り返し。そのために、20~30歳代の人口が減少し、子供が減少。就学が困難。高等教育の環境が貧弱。公共交通機関が不十分である医療機関が減少、無医村の拡大。通勤、通学が困難。文化的施設などが少ない。娯楽施設がない。東京は面白そう(軽薄で、拝金主義、自虐的な娯楽)。政治経済の中枢は東京。出世するなら東京(経済格差の拡大)と思わせる風潮の氾濫。世俗的なことを含めて東京一極集中の宣伝、誘導の結果が相乗的に影響しての結果と思われます。

日本文化の優れた側面は、どこにあるのでしょうか。歴史的な遺産は東京以外の京都、大阪、奈良、近畿地方などのほうがはるかに多く存在しています。東北も伊達、会津、米沢、鶴岡、平泉藤原一族、中尊寺、などに歴史的建造物などがたくさん残っています。伝統文化に至っては東京以外の地方に優れた伝統、祭りなどが生き残っています。東北の食文化、風土、景色、山形花笠祭り、青森ねぶた、秋田竿灯祭り、盛岡さんさ踊り、七夕、相馬野馬追い祭りなど伝統的な祭りは優れた伝統文化の流れを現代につないでいます。

世界的に見てもアメリカがどんなに経済的、軍事的に台頭し、力を有しても、中国、フランスはアメリカ的な考え方、文化を崇拝するような行動をとりませんでした。2003年イラク侵略戦争にも中国、フランスは参加しませんでした。どちらが正しかったかは歴史的には決着がつきました。アメリカ、イギリス(労働党ブレア)、スペイン(アスナール)、日本(自民党小泉)などアメリカブッシュに追随した国家、政治指導者は歴史的には嘲笑の対象になっています。歴史の浅いアメリカは経済、軍事的なものしか誇るものがない国家です。その一方で、中国、フランスは、歴史も、文化も、伝統もアメリカとは比較すべきもない財産の持ち主でした。そのことが、政治経済政策で局面、局面で影響を与えています。イギリスは、アメリカと一心同体です。スペインは優れた文化、歴史、伝統を有していました。国家指導者の資質、哲学のなさゆえにイラク戦争に参加、結果、テロ事件が発生し、政権交代、財政破綻に直面しています。経済至上主義、利益優先、大手企業優先の政治経済政策を取っている国家は、全て、国内的な政治経済運営で行き詰まり、閉塞状況に見舞われています。その代表的な事件がウォール街占拠事件、1%富裕層と99%貧困層の対立、格差問題ではないかと思います。

文化とは何なのでしょうか?

ユニクロ世界最大の銀座店公開 開業は16日
 ファーストリテイリングは14日、16日に開業するユニクロ銀座店(東京・中央)を報道陣に公開した。売り場面積が約5000平方メートルとユニクロで世界最大となる。ガラスで覆われた建物外観や、1、2階を吹き抜けにした巨大なウインドーディスプレーなど最新の店舗デザインを導入。国内外に向けユニクロブランドをアピールする。銀座店は1階から12階までの売り場で構成する。アジアを中心とした訪日観光客を取り込むため、日本語、英語、中国語、韓国語など6カ国語での接客ができる。7階の子供服売り場では保育士の資格保有者やベビーシッターの経験を持つ従業員を配置する。柳井正会長は「日本ではユニクロはディスカウント(安売り)店という昔のイメージが残っている。銀座店を通じ、世界を代表する衣料品ブランドとアピールしたい」と同店開業の意義を説明。最新の店舗デザインとサービスを銀座から発信することで、国内ユニクロ事業の底上げにつなげたい考えだ。

原子力発電所の是非、再稼動に関して政権の無定見

2012年03月15日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
欧州連合域内の全原発を閉鎖するよう求める署名活動が2012年秋から開始されます。欧州の6各国で実施される予定です。その中心がオーストリアです。ドイツ、スイスは原子力津発電所を0とする政治決定を行っています。

事故を引き起こした当事国である日本は、福島第一原発事故を引き起こし、福島県、周辺自治体に放射能汚染と甚大な被害を収拾できず、被害を与え続けて(現在進行形)いますが、まったく反省なしです。
しかし、野田首相は14日午前の参院予算委員会で、原発再稼働に関し「地元の理解を得られるかを政治が判断しながら、決断する」と述べ、地域住民の同意が前提となるとの考えを重ねて強調しました。「原子力発電所稼動は、地域住民が求めている」からと論理のすり替えがされようとしています。本当に、民主党、野田の詭弁と狡猾な対応です。
現実は各電力会社の要請と経団連からの政治的圧力を受けて、再稼動を行おうとの意図が見え見えです。彼らの哲学のなさを暴露しています。彼らにあるのは経済至上主義(エコノミックアニマル)、利益至上主義、大手企業優先論理だけです。

千住明さん(作曲家)が、福島:ふくしま:フクシマは世界で絶対に通用する「言葉」となったと説明していました。(不幸で、残念なことですが)彼は、福島の四季を歌にして、世界で演奏することを目指しているそうです。理由は、日本の中では福島は1県ですが、世界では福島は日本と同義語です。日本以外では福島原発事故に関する関心が非常に強く、「日本人として福島原発事故をどう考えるのか」「日本人は原子力事故をなくそうとしているのか」との問いかけがされているとのことです。民主党、政権、官僚がどんなに、世界で指導的な地位を築きたいと願ってもこのような日本以外の「意見、評価、思い」との乖離を無視しては尊敬される日本、日本企業、日本社会にはなりえないのだと思います。そのことに気づくべきときですが・・。

原子力原料の輸入

2012年03月15日 06時00分21秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、ウランの話です。

原子力発電の原料のほとんどを占めるウランの輸入について考えたことはありますか。日本のウランの輸入量は2005年の資源エネルギー庁統計では年間7573トンです。同じ統計によるとウラン輸入国は次の通りです。

オーストラ リア33%、カナダ27%、ナミビア16%、ニジェール13%、アメリカ7%、カザフスタン1%、その他3%

オーストラリアは年間約4000トンのウランを産出し、埋蔵量は世界一です。

良く見ると日本は世界一のウラン埋蔵量があるオーストラリアの年間産出量の2倍近くを輸入しているのです。日本の食料自給率は40%程度ですが、ウラン自給率はほぼゼロ%でしょうか。オーストラリアで算出されたウランの約4分の1がアメリカやカナダに送られ転換や濃縮をされて日本に送られていました。

皮肉な話が3月13日の毎日新聞朝刊の記事にありました。日本は原子力発電所をほとんど稼動させていないためオーストラリアからのウラン輸入をやめています。そのオーストラリアは日本に替わる売り先を探していると言うのです。広島市立広島平和研究所の田中利幸教授は「福島原発事故は豪州のウラン採掘・輸出に歯止めをかけるのではなく、その代替市場を求め、それを推進させるという逆説的な結果を生み出している」と指摘しています。

日本がウランを輸入していたことで、ウランを採掘していた国々で多くの困難を抱えていることは、後日に書きます。