アフガニスタンでアメリカ軍による民間人射殺事件が起きました。先月は、別の米兵によるイスラム教の聖典コーラン焼却が発覚し、各地で反米デモが発生、アフガン人が首都カブールの内務省で米士官を殺害する事件などが起きました。
その3月11日は日本では震災慰霊、追悼行事が行われていました。昨年、3月さかのぼる3.12では米軍が震災救助活動で日米「友だち作戦」を東北で展開しました。仙台空港の津波で流されてきた自動車、土砂、軽飛行機、住宅材の破砕物などを撤去し、空からの救援物資輸送を可能にする救援活動を行いました。また、東北沖に空母を配置し、空母から捜索活動、救援物資、原子力発電所事故の冷却活動などにあたっていました。彼らが救援活動を行ったことが評価されていますが、軍隊の本質は、軍事行動であり、日本国民の評価、東北地方の県民評価も彼らの行為の獲得目標であったのだと思います。
軍隊の持つ本質は、相手(「国」)を攻撃し、屈服させること。このことがアフガニスタンではよく現れています。常に、相手を攻撃する高度の緊張状態に置かれていると、攻撃対象から自分に対する攻撃を想定した行動をとっています、その結果、強度の精神的ストレスから異常な行動を行う。今回の事件も、民間人を敵とみなしての射殺行為(決して許される行為ではない)を行った。理由が分かれば苦労はしませんが、米軍のイラク、アフガニスタンに派遣された多くの軍人が、精神的障害に犯されているといわれています。戦争行為をやめること、他国への軍事行動を止めることが事件をなくす唯一の対策と思われます。
<アフガン南部 米兵が民家で銃乱射、市民16人死亡>
オバマ米大統領は11日、アフガニスタンのカルザイ大統領に電話し、米兵がアフガン市民16人を射殺したとされる事件について「衝撃と悲しみ」を伝えた。事実解明を急ぎ、容疑者の責任を追及する考えも示した。
米紙ニューヨーク・タイムズ電子版によると、容疑者は陸軍2等軍曹の男。6歳以下の女児4人を含む11人の遺体を1カ所に集めて焼いたとみられる。犠牲者16人のうち9人が子どもだったとの情報もある。2等軍曹は38歳で、イラク戦争に3回派遣された経験があるが、アフガンは初めてだったという。現在の任務は地域の安定化で、村の長老らと関係を築く役割を担っていた。
一方、国防総省の声明によると、パネッタ米国防長官も同日、カルザイ氏に電話し、全面的な捜査を進めていることを伝達した。拘束中の容疑者については「明らかに軍の指揮系統を外れて行動した」とした。