「双葉郡避難者受け入れる」 福島市長、前向き姿勢
福島市の瀬戸孝則市長は30日の記者会見で、福島第1原発事故で避難している双葉郡8町村の住民の集団受け入れについて「8町村が福島市を希望するなら受け入れる」と前向きな発言をした。
瀬戸市長は双葉郡の町が他市町村に集団移転する「仮の町」構想を打ち出していることに触れ、「単体の自治体を福島市につくることは(二重行政になるため)あり得ない」と、市内に別の行政体を成立させることは認めない考えを示した。
その上で「一つの集団として住むのは大いに結構」と述べ、避難者が福島市に転入して市民になるのを前提に集団受け入れに肯定的な見解を明らかにした。
福島市によると、同市に避難している人は4月末現在で18市町村1万721人。同市には飯舘村が役場機能、浪江町が出張所を置いている。
大熊町「5年帰還しない」宣言へ 生活基盤整わず
福島県大熊町の渡辺利綱町長は、福島第1原発事故で避難している全町民が今後5年間は町に帰らない「帰還しない宣言」を6月中にも出すことを決めた。町民の約95%が住民登録している地域が、長期間生活できない帰還困難区域(年間放射線量50ミリシーベルト超)に指定される見通し。このため、残り約5%の町民も生活基盤が整わず、暮らすことができないと判断した。
役場機能を移した会津若松市で1日あった町議会全員協議会で、渡辺町長が明らかにした。町議会の議決を経て宣言する。
町によると、帰還困難区域は全町民約1万1500人のうち約1万900人の地域が指定され、5年以上の町外避難が法的に義務付けられる。残り約600人の地域は、一時帰宅できる居住制限区域(20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)、早期帰還を目指す避難指示解除準備区域(20ミリシーベルト以下)になる見通し。
渡辺町長はこうした状況について「町役場も医療福祉機関もなく、帰っても生活できない」と判断。帰還しない宣言に関しては「町民の理解も得られる」と述べた。
町は全域を帰還困難区域にするよう政府に求めていたが、区域によって町民への賠償額に差をつけないことを条件に帰還困難、居住制限、解除準備の3区域に分ける政府案を受け入れる。
町は町民が役場機能と共に別の市町村に一定期間集団移住する「仮の町」をつくる復興計画を検討している。渡辺町長は「帰還は目指すが、それまで10年、15年と安心して住める居住環境を整備したい。国、県に働き掛け、モデル地区を造る」と語った。
福島市の瀬戸孝則市長は30日の記者会見で、福島第1原発事故で避難している双葉郡8町村の住民の集団受け入れについて「8町村が福島市を希望するなら受け入れる」と前向きな発言をした。
瀬戸市長は双葉郡の町が他市町村に集団移転する「仮の町」構想を打ち出していることに触れ、「単体の自治体を福島市につくることは(二重行政になるため)あり得ない」と、市内に別の行政体を成立させることは認めない考えを示した。
その上で「一つの集団として住むのは大いに結構」と述べ、避難者が福島市に転入して市民になるのを前提に集団受け入れに肯定的な見解を明らかにした。
福島市によると、同市に避難している人は4月末現在で18市町村1万721人。同市には飯舘村が役場機能、浪江町が出張所を置いている。
大熊町「5年帰還しない」宣言へ 生活基盤整わず
福島県大熊町の渡辺利綱町長は、福島第1原発事故で避難している全町民が今後5年間は町に帰らない「帰還しない宣言」を6月中にも出すことを決めた。町民の約95%が住民登録している地域が、長期間生活できない帰還困難区域(年間放射線量50ミリシーベルト超)に指定される見通し。このため、残り約5%の町民も生活基盤が整わず、暮らすことができないと判断した。
役場機能を移した会津若松市で1日あった町議会全員協議会で、渡辺町長が明らかにした。町議会の議決を経て宣言する。
町によると、帰還困難区域は全町民約1万1500人のうち約1万900人の地域が指定され、5年以上の町外避難が法的に義務付けられる。残り約600人の地域は、一時帰宅できる居住制限区域(20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)、早期帰還を目指す避難指示解除準備区域(20ミリシーベルト以下)になる見通し。
渡辺町長はこうした状況について「町役場も医療福祉機関もなく、帰っても生活できない」と判断。帰還しない宣言に関しては「町民の理解も得られる」と述べた。
町は全域を帰還困難区域にするよう政府に求めていたが、区域によって町民への賠償額に差をつけないことを条件に帰還困難、居住制限、解除準備の3区域に分ける政府案を受け入れる。
町は町民が役場機能と共に別の市町村に一定期間集団移住する「仮の町」をつくる復興計画を検討している。渡辺町長は「帰還は目指すが、それまで10年、15年と安心して住める居住環境を整備したい。国、県に働き掛け、モデル地区を造る」と語った。