“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

津波被害地の復旧状況

2012年06月18日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き

16、17日と兄弟を案内して、石巻、女川、雄勝、陸前高田、気仙沼、南三陸を回ってきました。陸前高田は、護岸堤防が海水面から2m近くできて、球戯場(震災後水没していた)、その他の陸側に海水が入り込まないように簡易工事が終了していました。雄勝は被災物、破損した建築物の整理は進んでいましたが、まだまだ、被災物の片付けは時間がかかる状態でした。大川小学校周辺は、完全に整理が進んでいました。学校前の慰霊碑まえには、花、お線香が供えられ、多くの方が、お参りを行っていました。

どの被災地も、コンクリート、可燃性の被災物、被災した車両などがうず高く積み上げられ、処理を待っています。とてつもない量であり、早く、処理することが課題です。気温が上がってきていて、異臭を放っている場所なども多くありました。
新しい電柱、信号機がつき、道路がかさ上げされ、少しずつですが復旧に向けて、前に進んでいると感じました。

<大震災の記憶消さぬように>

 宮城県は、東日本大震災の記録を残しながら県外避難者への支援を図ろうと、復興情報の発信力を強化する。県の復興施策を幅広く紹介する「みやぎ復興プレス」を今月1日に創刊したほか、県の復興応援ブログも刷新し、内容を拡充する。
 復興プレスはA4判。創刊号では被災者向けの災害公営住宅の整備状況や被災者生活再建支援金の制度概要などを紹介した。東北6県の郵便局90カ所に設置された「復興応援コーナー」で閲覧できる。
 緊急雇用対策事業で採用した被災者が、被災地の現状を伝える県のブログ「ココロプレス」に関しては、今月から新たに5人の被災者を採用し、記事数1000本を目標に情報発信する。
 昨年12月に開設したブログは前年度、約400本の記事を掲載。記事をまとめた冊子を全都道府県、市町村に配布した。今後は県内の被災地約20カ所を選び、定点撮影を行う予定。写真などは震災の記憶を後世に伝える資料にする。
 県震災復興推進課は「被災地以外の地域では震災の記憶が薄れつつある。情報を発信し続け、関心の維持と継続的な復興支援につなげたい」と意気込んでいる。



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「必要だから安全」本末転倒 根拠のない安全主張

2012年06月18日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
実際に原発事故と向き合ってきた元福島県知事佐藤氏の話は、重みがあります。佐藤氏が知事時代は、東京電力の福島原発で事故、トラブルが相次いでいて、たびたび、稼動停止、点検、東京電力の謝罪、記者会見などがありました。佐藤元知事は自民党の知事でしたが、原発事故、トラブルにはまじめに向き合っていたと思います。その元知事の野田氏、政権への評価です。
電力会社、原子力関連産業、経済産業省などの要請を受けて、原子力発電所再稼動の政治的圧力、恣意的な彼らの動きは本当に「異常」「国民無視」の姿勢が鮮明となっています。
<「必要だから安全」本末転倒 前福島知事佐藤栄佐久氏に聞く>
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働が決まった。前福島県知事の佐藤栄佐久氏(72歳)は、決定までの政府の姿勢を「戦車のよう」と厳しく批判する。知事在任中から国の原子力政策に異議を唱え続けた佐藤氏に、再稼働の問題点を聞いた。

 -大飯原発の再稼働が決まった。

 「福島県を中心に東北が苦しんでいる中で、原発を動かそうとする神経が理解できない。知事時代に『国はブルドーザーのようだ』と言ったが、事故が起きても止まろうとしない姿は、まるで戦車だ」

 -野田佳彦首相は「福島を襲ったような地震、津波が起きても事故を防げる」と断言した。

 「言葉遊びに過ぎない。福島第1原発事故の詳細が分かっていないのに、なぜ断言できるのか。絶対に原発を動かしたいから『絶対に安全だ』と強調する。本末転倒だ。日本の統治機能の低下は深刻で、世界から笑われてしまう」

 -再稼働の理由に、国民生活を守ることを挙げている。

 「事故で福島県民の生活は吹き飛んだ。エネルギーが大切なのは分かるが、どこかを犠牲にする手法は認められない」

 -再稼働を急いだ事例は、2003年に福島でもあった。

 「トラブル隠しなどで東京電力の原発17基が全て止まった。福島県民を守る立場で『安全が確認されるまでは再稼働を認めない』と主張したら、首都圏から批判された。あのときも経済優先の論理だった」
 「日本の原子力行政は推進側の資源エネルギー庁と、規制側の保安院が経済産業省に同居しているので、真の安全確保につながらない。これだけの事故が起きても、平気で原発再稼働を認める。産業界重視の経産省の体質は変わっていない」

 -新しく設置される原子力規制委員会をどう考えるか。

 「首相の指示権を認めない仕組みに疑問がある。事故後の菅直人前首相の言動にこだわると本質を見誤る。緊急事態で責任を持って判断できるのは政治家だ。菅前首相は少なくとも真剣に事故に対応しようとした」

 -政府に対し国民はどう行動すべきか。

 「原子力政策に対する政府の態度は、情報公開と民主主義から程遠い。福島の事故を経て少しは改善されるかと思ったが、全然変わらなかった。国民一人一人が自分の頭で考え、意思表示することが大切だ」

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福島を忘れ去るつもりか

2012年06月18日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、河北新報という地方新聞の社説の話しです。

大飯原発の再稼働の政府の決定について、腹が立って何も書きたくありませんでした。野田首相は国民から支持されていない人間なのに、責任が取れるのですか??? 福島第一原発の事故が、現場でどうなっているかもわからないのに、同じようなことが起こらないなどとどうして言えるのでしょうか???

河北新報が東北の人の一般的な考え方を代弁しています。

政府に対してこんなこと書いていいのと、こちらが心配になってしまいます。まずは、6月17日朝刊の社説を読んでみてください。

【6月17日 河北新報 社説】
大飯原発再稼働/「福島」を忘れ去るつもりか

 これでは「喉元過ぎれば…」ではないか。
 関西電力大飯原発(福井県)の再稼働が、きのう決まった。経過をたどると、まるで福島第1原発事故がなかったかのような錯覚にとらわれる。
 原発事故で故郷や仕事を失ったままの人たちや、放射性物質の危険にさらされて暮らす人たちの視点は、どこにもうかがえない。地元のおおい町から福井県、そして国へと何事もなかったかのように淡々と手続きが進められた。
 再稼働をめぐる一連の動きのポイントになったのは8日の野田佳彦首相の記者会見だった。だが、その内容は「福島のような事故は起きない」と意味もなく繰り返したにすぎない。
 事故への何の反省も示さないまま、この期に及んでなお「安全神話」を振りまく。原発事故の影響は生易しいものではないし、一体いつまで続くのかも分からない。一国のリーダーとして、その重大性をどこまで理解しているのか甚だ疑問だった。
 今、国民の前で原子力を語るのであれば、事故の原因と教訓、国策として取り組んだ原子力開発への評価、さらに将来の選択肢などについて丹念に説明すべきだった。その上で、再稼働の是非に言及すればいい。
 そうした理念が欠落しているばかりか、具体的な根拠も示さないまま「原発を止めてしまっては社会は立ち行かない」「東日本大震災のような地震と津波が来ても事故は防止できる」などと言ったところで、まったく説得力がない。
 福島第1原発が立地している福島県双葉町の井戸川克隆町長は「何十年も安全と言われ続けてきた。今回も同じような判断でしかないのかと、非常に残念に思う」と話したが、まさしくその通りだ。
 多くの原発事故被災者も同様に感じたのではないだろうか。それほど、被災地の人たちの心情と懸け離れている。
 福井県の同意によって、原発事故後初めて再稼働に向けて動き始めることになるが、関西地方の夏場の電力需要に備えた緊急避難と位置付けるべきだ。
 夏さえ乗り切れば当面、電力は足りるはずであり、安全性の追求を犠牲にしてまで急ぐ理由は見当たらない。そして全国のほかの原発については、福島第1原発事故の検証と原子力政策全体の見直しを踏まえ、あらためて考えた方がいい。
 原発事故には依然、未解明の部分が多すぎる。どの原子炉がどんな損傷を受け、どれほどの量の放射性物質を放出したのかという、基本的なことすらよく分かっていない。
 大量の放射性物質が放出された原因と経過を究明し、住民を被ばくから守る避難対策に反映させなければ、あの事故から教訓をくみ取ったとは言えない。
 原発事故は決して福島県だけの問題ではない。事故で放射性物質がまき散らされたら、どこまで広がるか予想もつかない。その教訓を置き去りにした原子力政策はあり得ない。

宮城県を中心とした地方新聞ですが、震災と原発事故を通じて国民目線での記事を書くようになったのでしょう。


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