昨夜、仙台市長町で、金子教授の講演がありましたので、紹介します。
「一体改革論」と消費税増税のカラクリ
慶応義塾大学 経済学部 教授 金子勝さん
<結論>
1、政権交代を掲げて民主党が政権に就いた。変化、交替を目指して政権交代したが、現在の状況は逆戻りの状態にある。
2、消費税率引き上げの野田、民主党内閣は、税金の体系全体を点検、議論することなく、消費税率引き上げを強行しようとしている。
3、原子力エネルギーに依存せず、再生可能エネルギーに転換させることで、新たな産業、新たな雇用を生み出すことが出来る。
4、デマを批判し、打ち返すことが非常に重要である。政治経済を変えることで日本の未来を作り出すことが出来る。子供、妊婦、母子家庭を守ることが出来ない社会は、国家とはいえない。
<福島原発事故と電力供給、電気料金問題>
金子教授は、内閣府の原子力委員会政府のエネルギー政策の指針となる「原子力政策大綱」策定会議メンバーです。
1、原発に反対する運動と、消費税率引き上げに反対する運動には違いがある。
原発事故は、戦争につながる感情があり、非常に強い反対感情が出来上がりつつある。この2つの反対運動には、共通する点がある。私たちの生活に直接関係していること、不条理、政党政治の崩壊などがある点が共通している。
2、福島第一原発事故で賠償費用が約1兆円支払われる。その賠償費用は電気の利用者である国民が負担している。
電力料金に上乗せされて、利用者から費用が徴収されている。そのことが国民に知らされていない。
3、われわれが問題にしなければならないのは、「東京電力の責任」である。
東京電力の経営計画、料金値上げで問題とすべきは、福島原発事故で、東京電力の経営者の責任、刑事責任がまったく問われていないことである。16万人の避難者、県外避難者6万人を発生させた事故の責任がまったく問われていないことが異常である。原発は国策だから仕方がないとして東京電力経営者の責任を問わないがまかり通っている。再建計画で一時金47万円が宣伝され、批判の対象になり、たたかれているが、枝葉末節な話である。
4、年間被爆量が20ミリシーベルト以下は、賠償をしない。
このことが、裁判所の判断として示され、除染は不要である。除染をしない。賠償の対象としない。
5、東京電力の刑事責任、経営責任を問わず、国民に電気料金増加負担をさせることは許されない。
東京電力がぎりぎり賠償費用を負担したのか。資産の処分も含めて努力しかのか。東京電力はまともな努力をせず、電気料金の値上げをしようとしている。損害賠償機構、東京電力ともに、賠償費用を国が負担すること、東京電力を倒産させないことだけを強調している。このことは、賠償費用、東京電力救済資金を国がどんどん、投入することを意味している。
6、東京電力福島第一原発事故は収束のめどがたっていない。
現在の技術ではウラン燃料を取り出す技術が確立されていない。したがって、冷却水を流し込み、冷却をするしか手がない。これが実態である。
7、福島第一原発事故は地震で機器が破損したのではないか。設備の金属疲労が、冷却機能の喪失、放射性物質の放出につながった可能性が排除されていない。
この原因追求をしないことが東京電力免罪の理由にもなっている。また、このことが大飯原発の再稼動承認にもつながっている。
8、日本の原発は、安全対策を行ってきていない。そのために、日本以外の国の原発電力料金より安い。当たり前のことである。必要な安全対策、安全を担保すべきコストを負担していないからである。
大飯原発の再稼動を急ぐ理由は、関西電力の原子力設備は、建設後40年の原子炉が多いこと、今後8年後に「40年廃炉基準」を適応させれば、8年以内に全原子炉が廃炉になる電力会社であるからだ。40年過ぎて稼動させれば、減価償却費はなく人件費、燃料費以外はなく、巨額の利益が出るからだ。製造40年後の原子炉は、危険にすれば、するほど、利益がでる関係にある。(大きな問題と不条理)
9、東京電力、政府側からの宣伝の問題点
(1)火力発電所の燃料代がかかっているとの嘘。
・燃料費用がかさんで、電力会社の経営が悪化、赤字であるとの宣伝がされているが、これは、嘘である。電気料金には加算されているし、利用者である各家庭は、月間600-1000円電気料金が増えている。(東京電力管内)
・沖縄、中国、電源開発は11年度決算で黒字である。この3電力会社は、発電量において原発がないか、あっても、その比率が非常に低いことが共通点である。原発依存度が低い電力会社が黒字であるということが嘘の証拠である。
・原子力発電所は、火力、水力、その他の発電設備と違って、稼動していないときでも冷却し続ける、メンテナス費用、人員を貼り付ける必要あり、費用がかかる弱点がある。
10、除染基準、賠償基準の問題
(1)現在、政府は年間20ミリシーベルト以下、除染の必要はない。建設後40年原子炉は原則、廃炉との方針を「変更」しようとしている。
新しく出来る原子力規制機関で検討して、決めるとしているが、その基準を変更するように電力会社が要求している。
・除染基準年間20ミリシーベルト以上地域にすることで、東京電力(賠償機構)の賠償費用は、約4000億円費用が少なくなる。
・文部科学省が年間20ミリシーベルトを基準として、除染対策を発表して、社会的な批判を浴びた基準値である。この基準値を裁判所も賠償、除染基準として認めた。
・子供、妊婦などの健康被害を起こさないように守ることが出来るか。
11、東京電力の福島第一原発事故、その本質は何かを暴くことが必要。
・政府、マスコミ、電力会社が情報開示していることの本質を見抜くことが非常に重要になっている。「再建計画の中で東京電力社員の一時金47万への批判、怒り」「燃料コストが増加し、経営が赤字化」などは嘘か、問題の本質ではない。
・原子力発電所事故、真相究明、エネルギー政策問題の本質は、事故の責任追及がされていないことであり、政権、経済産業省原子力保安院(金子教授は不安院と表現していました)、経団連などの中枢が腐れ、真相を隠そうとしていることである。
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「一体改革論」と消費税増税のカラクリ
慶応義塾大学 経済学部 教授 金子勝さん
<結論>
1、政権交代を掲げて民主党が政権に就いた。変化、交替を目指して政権交代したが、現在の状況は逆戻りの状態にある。
2、消費税率引き上げの野田、民主党内閣は、税金の体系全体を点検、議論することなく、消費税率引き上げを強行しようとしている。
3、原子力エネルギーに依存せず、再生可能エネルギーに転換させることで、新たな産業、新たな雇用を生み出すことが出来る。
4、デマを批判し、打ち返すことが非常に重要である。政治経済を変えることで日本の未来を作り出すことが出来る。子供、妊婦、母子家庭を守ることが出来ない社会は、国家とはいえない。
<福島原発事故と電力供給、電気料金問題>
金子教授は、内閣府の原子力委員会政府のエネルギー政策の指針となる「原子力政策大綱」策定会議メンバーです。
1、原発に反対する運動と、消費税率引き上げに反対する運動には違いがある。
原発事故は、戦争につながる感情があり、非常に強い反対感情が出来上がりつつある。この2つの反対運動には、共通する点がある。私たちの生活に直接関係していること、不条理、政党政治の崩壊などがある点が共通している。
2、福島第一原発事故で賠償費用が約1兆円支払われる。その賠償費用は電気の利用者である国民が負担している。
電力料金に上乗せされて、利用者から費用が徴収されている。そのことが国民に知らされていない。
3、われわれが問題にしなければならないのは、「東京電力の責任」である。
東京電力の経営計画、料金値上げで問題とすべきは、福島原発事故で、東京電力の経営者の責任、刑事責任がまったく問われていないことである。16万人の避難者、県外避難者6万人を発生させた事故の責任がまったく問われていないことが異常である。原発は国策だから仕方がないとして東京電力経営者の責任を問わないがまかり通っている。再建計画で一時金47万円が宣伝され、批判の対象になり、たたかれているが、枝葉末節な話である。
4、年間被爆量が20ミリシーベルト以下は、賠償をしない。
このことが、裁判所の判断として示され、除染は不要である。除染をしない。賠償の対象としない。
5、東京電力の刑事責任、経営責任を問わず、国民に電気料金増加負担をさせることは許されない。
東京電力がぎりぎり賠償費用を負担したのか。資産の処分も含めて努力しかのか。東京電力はまともな努力をせず、電気料金の値上げをしようとしている。損害賠償機構、東京電力ともに、賠償費用を国が負担すること、東京電力を倒産させないことだけを強調している。このことは、賠償費用、東京電力救済資金を国がどんどん、投入することを意味している。
6、東京電力福島第一原発事故は収束のめどがたっていない。
現在の技術ではウラン燃料を取り出す技術が確立されていない。したがって、冷却水を流し込み、冷却をするしか手がない。これが実態である。
7、福島第一原発事故は地震で機器が破損したのではないか。設備の金属疲労が、冷却機能の喪失、放射性物質の放出につながった可能性が排除されていない。
この原因追求をしないことが東京電力免罪の理由にもなっている。また、このことが大飯原発の再稼動承認にもつながっている。
8、日本の原発は、安全対策を行ってきていない。そのために、日本以外の国の原発電力料金より安い。当たり前のことである。必要な安全対策、安全を担保すべきコストを負担していないからである。
大飯原発の再稼動を急ぐ理由は、関西電力の原子力設備は、建設後40年の原子炉が多いこと、今後8年後に「40年廃炉基準」を適応させれば、8年以内に全原子炉が廃炉になる電力会社であるからだ。40年過ぎて稼動させれば、減価償却費はなく人件費、燃料費以外はなく、巨額の利益が出るからだ。製造40年後の原子炉は、危険にすれば、するほど、利益がでる関係にある。(大きな問題と不条理)
9、東京電力、政府側からの宣伝の問題点
(1)火力発電所の燃料代がかかっているとの嘘。
・燃料費用がかさんで、電力会社の経営が悪化、赤字であるとの宣伝がされているが、これは、嘘である。電気料金には加算されているし、利用者である各家庭は、月間600-1000円電気料金が増えている。(東京電力管内)
・沖縄、中国、電源開発は11年度決算で黒字である。この3電力会社は、発電量において原発がないか、あっても、その比率が非常に低いことが共通点である。原発依存度が低い電力会社が黒字であるということが嘘の証拠である。
・原子力発電所は、火力、水力、その他の発電設備と違って、稼動していないときでも冷却し続ける、メンテナス費用、人員を貼り付ける必要あり、費用がかかる弱点がある。
10、除染基準、賠償基準の問題
(1)現在、政府は年間20ミリシーベルト以下、除染の必要はない。建設後40年原子炉は原則、廃炉との方針を「変更」しようとしている。
新しく出来る原子力規制機関で検討して、決めるとしているが、その基準を変更するように電力会社が要求している。
・除染基準年間20ミリシーベルト以上地域にすることで、東京電力(賠償機構)の賠償費用は、約4000億円費用が少なくなる。
・文部科学省が年間20ミリシーベルトを基準として、除染対策を発表して、社会的な批判を浴びた基準値である。この基準値を裁判所も賠償、除染基準として認めた。
・子供、妊婦などの健康被害を起こさないように守ることが出来るか。
11、東京電力の福島第一原発事故、その本質は何かを暴くことが必要。
・政府、マスコミ、電力会社が情報開示していることの本質を見抜くことが非常に重要になっている。「再建計画の中で東京電力社員の一時金47万への批判、怒り」「燃料コストが増加し、経営が赤字化」などは嘘か、問題の本質ではない。
・原子力発電所事故、真相究明、エネルギー政策問題の本質は、事故の責任追及がされていないことであり、政権、経済産業省原子力保安院(金子教授は不安院と表現していました)、経団連などの中枢が腐れ、真相を隠そうとしていることである。
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