“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

政治の教育介入、その弊害

2014年03月21日 12時53分26秒 | 臼蔵の呟き

政治が教育に介入することがいかに問題であるかは歴史が語ることです。ナチスドイツが自らの思想、価値観を植えつけるために、教育分野にナチス幹部を配置し、徹底してナチスの思想教育を行いました。その結果、自然科学などの分野では、まともな検証、科学的な研究などが後退するという現象が引き起こされました。

日本では、戦前、国定教科書において天皇賛美、軍部賛美の教材、歴史観が徹底され義務教育の分野において軍国主義、天皇神格化、靖国神社賛美などが国の支配構造作りに徹底して利用されました。敗戦を契機として、これらの歴史的な教訓を踏まえて、教育への政治権力の介入を止めることなどが憲法、教育基本法などで規定されました。安倍、自民党は戦争できる国づくりの大きな課題として義務教育への政治権力の介入を意図して、この策動を一貫して強化しています。道徳の教科格上げ、教育委員会人事への政治介入、教科書検定制度、などなどです。大阪維新の会は、その安倍、靖国派の思惑を先取りして、教育分野への介入、民主的教育を敵視した、政治介入を先導しています。

このような教育への政治介入が何をもたらすかはナチスドイツ、日本軍による中国、アジア侵略戦争を見ればあきらかです。再び、戦争への準備、戦争できる国家、軍国主義的な政治、軍備、そのための国家、国民動員を許してはならないことはあきらかです。

<信濃毎日新聞社説>はだしのゲン「差別助長」論の奇妙さ

 アメリカの文豪マーク・トウェインの児童文学作品「王子と乞食」。同じ日に生まれ、顔もそっくりの王子エドワードと家が貧しく路上で物乞いをしている少年トムがお互いの服を交換し、それぞれの人物として過ごす物語だ。劇団四季のミュージカルやディズニー映画で親しんだ子どもたちも多いだろう。物語が教えるのは、身なりや境遇で人を差別してはいけないということだ。「こじき」という言葉が使われているからといって、「差別を助長する」ものでないことは、子どもたちにも分かる。

 原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」も同じだ。作品の中には「こじき」や「きちがい」といった、当時の庶民の間で使われていた言葉がありのまま出てくる。だからといって、大阪府泉佐野市長が言うように「差別を助長する」のだろうか。

 全編を読めばよく分かる。作者の故中沢啓治さんは、平和の尊さとともに差別をなくすことを訴えている。その作品を子どもたちに見せないよう市長の要請で教育委員会が小中学校の蔵書を一時回収した。この理屈で言えば「王子と乞食」も回収しなくてはいけなくなる。「ゲン」に関しては同様の問題が昨夏、松江市でも表面化した。戦時中の旧日本軍が人の首を切る場面などが「過激な描写」だとして、市教委が学校図書館で自由に閲覧できない閉架の措置を小中学校に要請していた。

 平和は戦争の残酷さを知ること、平等な社会は差別の実態を知ることがそれぞれ土台になる。土台を取っ払ってしまえば、平和も平等もお題目にすぎない。子どもたちは地に足の着いた考え方を育む機会を失う。

 泉佐野市の問題が深刻なのは、市長の要請に教育委員会がそのまま従ったことだ。教委は本来、首長から独立して教育について話し合う組織だ。軍国主義教育が推し進められた歴史の反省の上に出来上がった。今回の「ゲン」の回収は、教委が首長の介入をやすやすと受け入れた結果だ。

 教育委員会制度の改革案で与党が先日、合意した。教育長と教育委員長を統合した新「教育長」を設置する。教育長も教育委員長も現在は委員の間で選ぶが、新教育長は首長が直接、任免するなど教育への関与を強める。

 この案の問題はどこにあるか。泉佐野市の例が教えてくれる。


日銀による異次元の金融緩和措置

2014年03月21日 10時58分32秒 | 臼蔵の呟き

日銀による異次元の金融緩和が何をもたらし、もたらしつつあるかが分かったこの1年ではなかったかと思います。安倍、自民党中枢が考えたことは、見せ掛けの景気回復を演出するために、株式市場への投資をあおり、株価の上昇を政治主導で実施しました。海外の投資家が安い金利の資金を使い、投機市場に参入し、株価などの上昇を演出しました。しかし、実体経済の構造転換、長期的な見通し、展望がない中で設備投資などは拡大しようがないことはまともな経済学者、経営者であれば、自明のことです。しかも、これだけ国内企業が多国籍化して海外に生産拠点を移しているときに、円安が輸出数量(結果としての売り上げ、輸出額)を増やすことなどはありえないことは誰でもわかることです。この程度のことも分からないとすれば、政策立案者としての資格、能力がないといわれても仕方がないことです。ですから、政策立案者が知らないはずはありませんし、付け焼刃の国民だましの政策であることは彼ら自身が一番良く知っているはずです。

デフレの解消、自民党型政治経済の最大の特徴は、原因を分析することができないことです。なぜなのかといえば、彼らの政策目的がすべて、大手企業の利益拡大、アメリカ政権、アメリカ支配層の利益優先にあるからです。そのために取った政策、経済政策は貧困の拡大、非正規労働の拡大、労働者の賃金水準お切り下げ、消費税率の引き上げ=法人税率の引き下げを実現することにあり、それらの政治経済政策の結果として、社会の不安定化、少子化、貧困化がもたらされています。原因を作りながら、その克服対策を自らが立案することはそのこと自身に自己矛盾があり、出来ないことはあきらかです。そこで、表面を取り繕う政権運営に終始することとなります。

したがって、自民党、自民党型政治で、現在日本が直面している政治経済の閉塞状況を打開することができないのは理論的にあきらかです。金融緩和はインフレ、統制不能のインフレに発展する危険があります。また、このようなゼロ金利政策は、そこから抜け出すことが非常に困難であることも示しています。アメリカもこの金融政策で、抜け出せずに困っています。反面、都市部と地方の格差、富裕層と貧困層の格差拡大など社会的不公正、治安の悪化などを招くことは確実です。

おろかな安倍、自民党の欺瞞的な経済政策、日銀の無責任な金利政策、国債買取は、確実に国家財政に付けを回し、構成に取り返しのつかない負の遺産を背負わせることはあきらかです。早く修正させることがどうしても必要です。

<東京新聞社説>

日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が就任して一年。異次元の金融緩和で円安株高は進んだが、消費税増税を控えデフレ脱却にはなお不透明感もある。アベノミクスの勢いが衰える中で黒田日銀も正念場である。

 就任直後に決めた「日銀の資金供給量を二年間で二倍に増やし、二年後をめどに2%の消費者物価上昇率を実現する」という大胆な金融緩和策は、それまでの日銀の「小出し」姿勢を改め、市場のムードを大きく変えたのは確かだ。行きすぎた円高を修正し、低迷していた株価は、この一年間で約14%上昇した。円安が進んだことで海外の売り上げが多い大企業の収益は大幅に改善した。

 とはいえ、実体経済は安倍政権が喧伝(けんでん)するほどには良くなっていない。輸出は、製造業が生産拠点を海外移転させたことなどで、円安が進んだのに増えてこない。消費は、株高などの資産効果で高額品が売れたのと、消費税増税前の駆け込み需要が中心だ。

 所得や雇用環境は、低賃金の非正規雇用が増えるなど「質」は低下した。設備投資も消費税増税を警戒して手控えられている。要するにアベノミクスによる経済の好転は広がりに欠け、恩恵を受ける国民はごく一部でしかない。

 肝心の物価上昇は、総裁就任時に小幅マイナスだった消費者物価指数は一月には前年同月比1・3%に上昇。日銀の期待通りの数字とするが、内容は円安によるガソリンなどエネルギー価格や輸入品高騰という「悪い物価上昇」の面が強い。賃金や雇用が伸びる好循環による「良い物価上昇」でなければ意味がないはずだ。

 問題は、消費税増税が始まる四月以降である。春闘で大手企業のベアが相次いだが、それでも所定内給与の押し上げ効果は約0・3%にとどまるとエコノミストはみる。消費税率が3%上がれば、実質所得は約2・7%減少し、家計への打撃は相当なものになる。

 景気の失速懸念が強まり、思ったように物価が上昇しなかった場合に、黒田日銀はどう動くのか。すでに日銀は新規に発行される長期国債の七割を市場で買い占め、財政の穴埋めと受け取られかねない状況だ。さらなる緩和は、意図せぬ金利上昇を招いたり、金融政策を正常に戻す道のりを難しくしよう。

 消費税増税の影響を考慮すれば、硬直的に「二年で物価上昇率2%」にこだわるべきではない。重要なのは、十五年続くデフレからの脱却を確実にすることである。

<2014年度予算>

過去最大規模となる一般会計総額95兆8823億円の2014年度予算は20日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。年度内成立は3年ぶりで、1999年と2000年の3月17日に次ぐ戦後3番目のスピード成立。政府・与党は、13年度補正予算と合わせた「101兆円予算」の一体的な執行で、4月1日の消費税率8%への引き上げ伴う景気の腰折れ回避を目指す。

 14年度予算は、社会保障費が初めて30兆円を突破。20年の東京五輪開催に向けた公共事業費や、中国の海洋進出に対応する防衛費を2年連続で増額した。歳入のうち、税収は消費税増税と景気回復に伴う法人税収の伸びを見込み、7年ぶりに50兆円の大台を超えた。新規国債発行額は13年度当初に比べ3・7%減の41兆2500億円。

<北海道新聞社説>格差の拡大放置できぬ

 地価にようやく底入れの兆しがみえてきた。

 国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、東京、大阪、名古屋の三大都市圏に加え、札幌などの拠点都市で住宅地、商業地とも6年ぶりに上昇し、全国平均はほぼ横ばいとなった。だが、地方では調査地点の4分の3が下落し、低迷は深刻だ。都市と地方の格差拡大は、もはや放置できない水準にあるといえる

 政府は過度な大都市優遇を見直し、地方重視の視点を政策に盛り込まなければならない。安倍晋三首相が成長戦略の柱に掲げる国家戦略特区はその好例だ。土地利用規制の緩和や高層ビル開発の促進など、大都市を視野に入れた政策が目立つ。2020年の東京五輪・パラリンピック開催に向けたインフラ整備も結局は首都対策にすぎない。

 地価の二極化を是正するためにも、地方の実情に即した産業振興を積極的に打ち出すべきだ。

 今回の調査では、三大都市圏で上昇率が10%を超す地点が増加した。金融緩和で生じた資金が、大都市のマンションやオフィスなどの不動産市場に流入しているのが要因のひとつである

 「ミニバブル」の様相すら見せ始めたこうした動向には、とりわけ警戒が必要だ。復興に向け土地需要が高い東日本大震災の被災地の一部でも、上昇が顕著に現れた。このまま高騰が続けば、土地取得が難しくなり、復興の妨げになりかねない。投機的な土地取引に対し、政府は監視の目を光らせなければならない。

 一方、北海道内の地価は、全国の傾向と同様、札幌への一極集中が急速に進行している。札幌では住宅地、商業地ともに6年ぶりにプラスに転じた。マンション需要の高まりとともに、消費税率引き上げ前の駆け込み需要にも支えられた。全般に下落幅が縮小したとはいえ、道内には、留萌や紋別など地価の回復が見通せない地点は数多い。厳しい状況に変わりはない。

 苦境を脱却するうえで、地価上昇に向けた自治体の努力も欠かせない。国内外から人を呼び込み、魅力を発信する取り組みを加速させる必要がある。移住促進や企業誘致、観光振興などの各分野で、一層知恵を絞っていくことが大事だ。道もこうした窮状を厳しく受け止め、自治体の取り組みを強力にバックアップすべきだ。

 


核燃料サイクル

2014年03月21日 08時42分30秒 | 臼蔵の呟き

北海道は今朝も、雪です。四国で桜が咲いたとのことですが。徐々に、積雪は減り、融けてはいますが、真冬のような気候が続いています。

11年三月の震災、原発事故から三年しかたっていない時点で、原子力発電所の稼動、プルトニウムを使った核燃料サイクル推進を安倍、自民党政権が世界に向かって表明するに至りました。プルトニウムは、核兵器の原料であり、原子力発電所稼動を行わない限り、国際的には大量なプルトニウム所有は容認されません。

原子力発電所は、安心・安全・安価であると宣伝され、狭い国土に54基も建設されました。しかも、地震、津波などが繰り返し、襲うような国土での原子力発電、原子力エルギー政策はそもそも導入することが間違いでした。その間違いは、意図的なものであり、自民党中枢にある考え方は、核兵器の製造、保有、核武装であることはあきらかです。したがって、安倍政権の中枢幹部が中国との領土問題で、アメリカマスコミに語った、核武装が必要との発言はそのことを裏付けています。

そのためには、平和憲法をなんとしても空文化、無力化する必要があります。憲法上は戦争も出来ない軍隊が核武装などはありえないことです。解釈改憲、集団的自衛権容認、自衛隊の国軍化などを実質化する動きはすべて連動しています。安倍、自民党右翼的議員、各政党の靖国派議員が目指すところはそこに行き着くはずです。21世紀が戦争のない時代、紛争を話し合いによって解決する時代にする世界、国連などの主張、動きと全く逆行するような動きです。このような彼らの政治的思惑、誘導を打ち破る必要があります。

<東京新聞報道>

安倍晋三首相が二十四、二十五両日にオランダ・ハーグで開かれる第三回核安全保障サミットで、原発の再稼働を前提に、使用済み核燃料から取り出した核物質プルトニウムを再利用する「核燃料サイクル」の推進を表明することが分かった。核燃料サイクルを「推進する」と明記した政府のエネルギー基本計画案に対しては、与党内で反対論が根強く、まだ閣議決定がされていない。政府・与党の意思決定前に、世界に向けて日本が将来も原発を維持する方針を発信することになる。

 プルトニウムは核兵器の材料となるため、利用目的がはっきりしないまま大量に保有していれば、テロや核拡散を招くとして国際社会から疑念を持たれる。日本は長崎に落とされた原爆の五千発以上に相当する四十四トンものプルトニウムを保有している。

 首相は核サミットで「利用目的のないプルトニウムはつくらず、保持しない」との方針を表明。安全が確認された原発は再稼働させて、核燃料サイクルによりプルトニウムを使っていく考えを示す。

 ただ、大量のプルトニウムを消費するのに何年かかるかの見通しは立っていない。再利用を名目に長年にわたって原発を動かし続けることになりかねない。

 核燃料サイクルに関しては、取り出したプルトニウムを利用するはずだった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)はトラブル続きでほとんど動いていない。通常の原発で使用済み核燃料のプルトニウムを使うプルサーマル発電も、通常の核燃料に比べて二倍の高レベル放射性廃棄物が発生するなど問題が多い。