「お父さん!偶には料理したら?・・」
いざ!なったら冬瓜ぐらいは俺が・・やらない決心程直ぐ忘れる私なのです・・
引っ越し姉妹に約束した手前もあり、散歩に出掛ける前にズボンのポケットに歩数計と大き目のポリ袋1枚を突っ込んで、目指すは凡そ700m程のネギ農家さんの冬瓜畑です。
冬瓜畑の冬瓜を横目で確かめてネギ農家さんの前へ・・
丁度奥様は門前の畑でお仕事をしていらっしゃって、私が声をかけると直ぐ笑顔で応えてくれました。
早速、二人は冬瓜畑に・・
「こんなに沢山の冬瓜、市場へ出すんですか?」
「いや、市場へ出すのは、ネギと大根ぐらいで後は自家用よ・・」
「それに、これは昔の冬瓜で今皆が作っているのは、改良されてもっと小さい冬瓜で・・」
「あ~そう言えばお店では小さいの売っていますね~・・」
西瓜でも瓜でも野菜は昨今小型化が流行りか・・
大家族が年々減っていく時代ですから・・
でも大きな冬瓜は4つに切って売られているし、近くのスーパーでは6分の1カットの白菜も見かけます。
奥様は「どれが良いかな・・」
「どれでもいいです、皆大きいようだから・・」
小さい冬瓜でも矢張りデカい・・どれも大きくてサイズを選ぶ必要のない大らかな冬瓜なのです。
奥様はそう言い乍ら手に持った小さなハサミ?で私が見ていたのと同じ目の前の大きな冬瓜を切り取って・・
私が広げて差し出したポリ袋に入れようとしたのですが・・
冬瓜は辛うじて袋ギリギリに入ったのですが、今度は袋の手提げ部分がキチキチで・・
でも、この瞬間、嬉しくって嬉しくって・・
「一つ、お幾ら払えば?・・」
「そう百円で良いよ」
「百円じゃ合わんでしょうが・・」
「いいよ百円で」
ポケットから百円硬貨を二つ出して手渡そうとしたのですが、奥様は頑として受け取りません。
「そんじゃ、今度又何か良い物出来た時に・・有難うございました」
食いしん坊の私は未だ何か次のおねだり迄してしまいましたが・・
両手で袋ごと抱えた私ですが、思わず「重い!」と・・笑顔です。
「重いでしょう・・棘に気を付けて、細かい棘が生えてるから、刺さると痛いよ・・」
今日は歩数計の数字は諦めて、真っ直ぐ帰ります。
帰り道・・重いです冬瓜・・
ポリ袋の取っ手に指を突っ込んで歩き始めましたが・・
10m程で手が痺れて、持ち抱えて20m・・抱え直して30m・・
肩に担いで(これが正解?)100m・・
数え切れない程に持ち直して・・途中何度か立ち止まって深呼吸も・・
「車で来るんだったか・・」とチョッピリ後悔もしましたが・・
「何の何のそれでは冬瓜買いに来た意味が無い・・」等と意地を張って・・
昼間西友スーパーのヤマダ往復が3500歩位なので、冬瓜畑までは3000歩位ですが・・
あんなにフウフウ言って、汗も掻いたのに活動量、消費カロリー、脂肪燃焼量とも余り変化は有りません・・
そうか、冬瓜も低カロリーなのか?・・と理屈に合わない事も・・
団地我が家の玄関にドッカと落ち着いた冬瓜さん・・
今日の奥様は「自分で料理したら・・」とは言いません・・
「いつまでもつの冬瓜って?」「ウン冬まで大丈夫って、ネットでは・・」
私には棘も角も生えていない奥様が頼りなのです。
台風が近づいて来ます、ゴチソウサマは早めのサイゼリアで・・