その昔NHKラジオで放送された私のなぞかけ問答の一つです。
「入れ歯とかけて、美味しいのにご謙遜と解く・・その心はとても他人様のお口には合わないでしょう」
食いしん坊の私にして出来た問答だと今でも記憶に残っているのです。
さて私達夫婦は夫々別の歯医者さんに掛っています。
私の歯医者さんは仕事場のある車で8㎞程離れた南柏駅の近くに有ります。
亡くなられた先代の先生は私と同年配で気が合って診察中も冗談を交わす程気軽に歯の治療をしてくれていました。
今では二代目の息子さんが、引き続き私の歯の治療をしていただいております。
と言っても、二代目の先生に診て頂く頃には、上は総入れ歯で何十年も使っていますが全く差し支えない状態なのですが、残念乍ら下の歯も残り少なくなって一本、又一本と抜けて・・
とうとう昨年暮れに最後の一本が脆くも抜け落ちて今は上下とも総入れ歯になって仕舞いました。
残りが1本になった昨年10月、下の入歯を新しく作り直してくれていたのですが・・
健康保険1割だからと言って先生が手を抜いて抜いている訳でもなく、歯も自然に老朽化して抜けているのです。
お正月に間に合わせて暮に使い始めたこの入れ歯が、どうもシックリこない・・
どころか食べ物を口に入れて噛むだけで歯茎がズキズキ痛む・・
堪らず外す・・又入れて・・痛い!の繰り返しで・・
今迄は大分ガタが来ている古い入れ歯を何とか役立てて・・
O医院に電話・・予約日決定・・当日調整・・の繰り返しを3回・・
正月のおせちも、御馳走も古い入れ歯で・・好きな乾燥芋は・・噛むと云うより、しゃぶっています。
朝食は時間を掛けて、大きな口を小さく開けて、少しづつユックリと毎朝奥様の倍も時間が掛かって・・
食べ終わった奥様も辛抱強く片付けるタイミングが来る迄、ジッと待ってくれています。
ここ2週間、朝の林檎も奥様が細かく刻んでくれます。
今回は電話するのを諦めて、前回から2週間めの予定日27日に歯医者へ・・
入れ歯と言っても自分の歯ですから・・
今回は先生に食べると痛みを感じる下唇の辺りを自分の指でシッカリ指摘して治療して戴きました。
先生も納得して、その場で何度も何度も入れ歯を外しては入れて・・
噛んで・・(口を)開けて・・噛んで・・開けて・・もう一度噛んで・・開けて・・顎が怠く・・
やっと「これで、暫らく使って見て下さい」
「有難うございました・・」
「先生・・10分ほど駐車場に私の車、留めさせて下さい・・」
「??・・良いですよどうぞどうぞ・・」
「チョッとカスミスーパーで口に入れる物買って・・食べて見ますから・・」
「あ~ハッハッハッ・・解りました・・どうぞどうぞ・・」
「もしも、ダメならここへもう一度来ます・・良くも悪くても受付に報告しますから・・」
カスミスーパーで久し振りの買い物を楽しんで・・
軽自動車の運転席で握り飯一個にかぶり付いて・・一口、又一口・・
どうやら痛みは無さそうと自分で納得・・
やおら、又医院へ戻り・・ドアを開けて・・ビニールのカーテン越しに受付の女性に・・
ニッコリ指で丸を作って「大丈夫のようです・・先生に宜しく伝えて下さい・・」
コロナ対策のビニールカーテンの奥で「良かったですね・・先生に伝えます・・」とニッコリ受付美人女性が・・
未だ完全ではないようですが次回の歯医者往きがチョッピリ楽しみになって来ました。
今朝も奥様が私の為に気を使って林檎の小間切れです。ゴチソウサマ