脱サラ整体師の午後

日々の生活や施療の中で、発見したこと、気がついたことなどを綴ります。

真夜中のキッチン

2025年03月02日 | コロナ禍
これは、5年前のこと…

僕は、スマホのアラームを止めて、ソファーから起き上がった。
今、午前3時。
1時間程、横になって休むことが出来た。
でも、夜間は、一人で9名の居住者の介護を担当するため、
仮眠をとることは出来ない。
川崎市内にある、高齢者のグループホームでのこと。

さてこれから、僕は、朝食の用意に取りかかる。
介護の仕事の中で、一番楽しいのが、朝食作り。
みんな食べる事が唯一の楽しみだから、出来るだけ
美味しいものを作りたいと思う。
食材はあらかじめ冷蔵庫に入っており、レシピも用意されている。
でも、当たり前に作るのではつまらない。

だから僕は、スマホで検索し、どの味付けでいくかをまず
考えることにしている。工夫の余地を探す。
中華風、洋風、和風?
塩分、糖分を増やすことは出来ないが、スパイスを調整する
ことは出来る。

もう一つのこだわりは、味噌汁だ。
でも、味噌は1種類だし、だしは粉末、具は毎回、2種類しかない。
そこで、うちに来る料理研究家や、管理栄養士のアドバイスを
頂いた。

・水に、だし、具を入れて煮立ったら、火を止めてから
 味噌を解きながら
入れる。
・少しだけ、みりんを垂らす。
・提供する前に、煮立てない程度に温め、だしを少し加える
 (香り付け)

毎回、食事の後に、
「お味噌汁が、すごく美味しかった!」
と言ってくださる女性がいて、その一言が嬉しくて、僕は
手を抜けなかったのだ。

9名の食事は、少しずつ内容が違う。
硬いものが嚙めず細かく刻む人、嚥下力が低下していて
とろみをつける人、糖質制限でご飯を減らす人、
おかゆの人、パンの人、自分の副菜をつける人(ヤクルト
、ヨーグルト、佃煮、塩辛など)
食事介助が必要な人、など。
それぞれの条件をクリアーして、AM 6:45、朝食はスタートする!

施設側から、美味しいものを作れとか、指示があるわけでは
ないけれど、朝から食欲全開で、きれいに平らげてくれる
彼らの姿がすごく嬉しいのだ。
普段の僕は、全く調理などしていないが、学生時代に
飲食店でアルバイトをしていた経験が、今になって
少し役に立った。

※ コロナ禍で、2年間、グループホームの夜勤(週一)
  の副業を余儀なくされた時のこと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする