名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20150430今日の一手<その9>

2015-04-30 | 今日の一手
20150430今日の一手

これも東海団体リーグSさんとの対局からです。先手(上側)に手厚く盛り上がられましたが、左辺に隙ができたので角を打ち込んだら自陣角で対抗されました。馬を作って今日の一手です。形勢判断と今後の方針、手が広いところですがどう指すかを考えてください。











昨日の一手の回答


最終盤です。自玉と敵玉の詰めろがかかるまでの手数を考えなければいけません。
後手玉は手付かずですが、先手の手駒が豊富で後手は歩だけしか持ち駒がありません。迫り方を考えます。直接王手をしても取られるだけですね。手がかりは残せません。後手玉の近くに手がかりとなる駒を配置してもとられてしまいます。
でしたら、守りの駒にアタックします。51の金取りに何かを打ったとして、63桂から51桂成としても詰めろではありませんし詰めろもかかりません。81飛として63桂から51桂成も同じことですね。3手かけても詰めろではないのです。
42銀にアタックしますか。15角から42角成としてもまだ詰まなさそうだし、42同金で角を渡して詰めろが続くわけでもないのでこれも却下。
22金にアタックします。すぐに33銀と打ってもとられるだけ。24歩から23歩成でどうでしょう、これは詰めろかもしれません。持ち駒がいっぱいあるのです。

では先手玉はどれだけ危険でしょうか。直接王手から入るのは、67竜77歩同銀成も同桂同竜87金打で後手は桂馬しかありませんから追い返せます。
そしたら守り駒の金にアタックされるわけですが、85歩86歩と2手で詰めろ、受け無しです。

先手玉に手を入れて、詰めろがかかるまでの手数を伸ばせるかも考えます。68竜の当たりになにか受け駒を打てればいいのですが駄目です。88金と打っても78桂成で駄目です。98金くらいですが、85歩から86歩で詰めろですから85歩に75金とかわして、77銀不成同桂同竜で金当たりになりはっきりしません。まあ受けなければいけないならこれしかないですか。81飛は攻防風なのですが、78桂成から85歩75金67竜と考えると手数は伸びていません。後手玉に詰めろがかけやすくもなっていないようです。

となれば、後手玉は2手で詰めろ、先手玉も2手で詰めろ、先手番ですから攻め合いで勝てないか考えます。24歩から次に詰めろとなる手を続けられるでしょうか。
24歩を同歩と取られたら23歩と打ちます。22歩成同玉23歩とたたいて15桂があるので詰みそうですね。23同金に15桂で受け駒がありませんから、22玉23桂成同玉25歩といけば桂馬しか渡していません。(攻めたはいいけど駒を渡して自玉が危なくなったら問題ですよ。)ということは24歩85歩23歩成です。

22と から同玉23歩とどんどん叩いて物量で攻めれば、23角と打って41に逃がさないことに注意すれば簡単ですね。詰めろです。
23同金15桂と打って86歩と詰めろをかけられましたが、32銀と捨てて、同玉23桂成。

23同玉はやはり24歩から連打で物量で詰みます。41玉も63角52金51飛と退路を封鎖して先手の勝ちになりました。

私(後手)から見れば優勢になってから何度も決め損ねた残念な棋譜なのですが、昨日の一手のような終盤戦、先手後手の危険度を計算して読み切れるようになりたいですね。持ち時間がどれだけあるかとか、ほかの条件も絡みますが、だいたいこれで勝ちと思って進めるのと読み切れるのとでは勝率に大きな差が出ます。先手はずっと受けていたのですが、その合間に後手玉にはどう迫ればいいのかあらかじめ考えながら指していたいところです。
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将棋の上達法則(4)

2015-04-30 | 将棋上達法則
さて、ベイビーステップに戻って、主人公は高校1年男子でテニスを体力づくりのためにはじめ、遅く始めたハンディを克服し、プロを目指します。
彼の強みは動体視力の良さ。子供のころから父の帰りを待つのに動いている電車をみて鍛えたという話、「頑張れ元気」を思い出しますね(子供のころに見たボクシングアニメです)。
学校では優等生で、特にノートを克明にわかりやすくとるのを習慣としていて、テニスでもしっかりボールや相手の動きを見て、毎試合の一打一打を休憩の合間にノートにつけるのです。
テニスはコート使用料とかコーチ代とかお金がかかることもあり、両親を説得するためにも具体的な目標と期日を示して了解を得るあたり、ビジネスマンとしても成功しそうですが。
彼の行動というか作者の設定の良さが将棋の上達法を考えるうえでもとても勉強になります。

まずはあなたの目標を決めましょう。主人公は全くの素人で無料体験から初めて、ヒロインの姿を見てプロを考えます。途中で(できれば上に)変更してもかまいません。ですが、目標は具体的で、さらに期日が決まっているほうがしっかりイメージできますね。

あなたは60の手習いでもないけれど時間とお金に余裕のある方で、たまには強いところを見せて勝ちたいなあと思っています。さあ、もっと具体的に。勝ちたい相手はどれくらい強いですか?初段くらいの棋力があればいいのでしょうか?いつまでに勝てるようになりたいですか?今すぐ?1年後?

あなたは大学で将棋部に入っていて、レギュラーになりたい。ではどれくらいのレベルのチームですか?目標とする人は個人戦上位に入るみたい、2,3段だからあなたも3段を目標にしますか?それは1年後とすれば、次の大会までに初段くらいの力があればメンバーに選抜されますか?


あるいは、自分の子供に将棋を教えていて、息子をプロにして稼がせようともくろんでいるかもしれませんが、この場合はしっかり息子さんの希望を聞いてください。直接聞いても言外に圧力を与えて高い目標など引き出さないでください。あくまでもやりたいことがなにか聞くだけです。うまくいかなくても息子さんのせいではないこと、サッカー選手になりたいならできるだけ応援するし、やりたくないことをやる必要はないけれど、得意なことを見つけてほしくて、それを生かしてほしいだけだよ。と言ってあげてください。親は立場が強いので強制してしまいがちですが、ほとんどは悪いほうに進みます。あとでお前は頭が悪いからと文句を言ってもお互いにつまらない人生ですよ。
(勝手な妄想ですみません。でもコントロールできるのは自分の行動だけです。)

さて、目標ができたら次です。
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