名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181102

2018-11-02 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


39玉型ならば対左美濃の藤井システムです。この手がぴったりした感じ。
A 65歩 B 26歩 C 56銀

これはは後手番南先生の手です。
第2問


84飛型を生かした仕掛けです。
A 75歩 B 86同角 C 55歩

再び先手番大山先生の手です。
第3問


先手玉が薄いので怖いですが、だからこう指すともいえます。
A 71飛 B 25歩 C 47香

第4問


力をためます。
A 71飛 B 22歩 C 26香

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大山将棋研究(1057);四間飛車に四枚美濃(南芳一)

2018-11-02 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181102
平成3年5月、南芳一先生と第17期棋王戦です。

大山先生の四間飛車に南先生は天守閣美濃で

四枚美濃へ。大山先生は4筋の位を取ります。

後手は4筋の歩を交換できないので、大山先生の作戦勝ちかも。

でも27銀は怖いですよね。南先生はシンプルに8筋から動いて

飛と角香の交換です。(この仕掛けの前に73桂84飛型にして竜で桂香を取りにくくしています。)

南先生は46香を利かしてから89桂も取りに行きました。

これなら駒得の南先生が良さそうに見えます。大山先生は71飛~73飛成ではなく、2筋を攻めました。

玉頭に嫌味がついて、難しい形勢です。

42金寄(71飛を避けた)に15歩同歩12歩。素直に12同香13歩同桂同桂成同玉24香同玉も難しそう。馬の利きがあるので16桂もあるのでしょうか。

南先生は12同玉、14飛で投了でした。ということは12同玉が悪手ということですね。両取りになるのをうっかりしたと。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/05/15 9:00:00
棋戦:棋王戦
戦型:四間飛車
持ち時間:3時間
場所:大阪「関西将棋会館」
手合割:平手  
先手:大山康晴
後手:南芳一
後手省略名:南
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5四歩(53)
17 6七銀(78)
18 2四歩(23)
19 3八銀(39)
20 2三玉(32)
21 5八金(69)
22 3二銀(31)
23 4六歩(47)
24 5三銀(62)
25 3六歩(37)
26 4四銀(53)
27 3七桂(29)
28 8五歩(84)
29 7七角(88)
30 3一角(22)
31 4五歩(46)
32 3三銀(44)
33 6五歩(66)
34 7四歩(73)
35 2六歩(27)
36 7三桂(81)
37 5六銀(67)
38 8四飛(82)
39 2七銀(38)
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 同 角(31)
43 8八飛(68)
44 7七角成(86)
45 8四飛(88)
46 9九馬(77)
47 8一飛成(84)
48 4六香打
49 5九金(49)
50 7八角打
51 9一龍(81)
52 8九角成(78)
53 2五歩(26)
54 同 歩(24)
55 同 桂(37)
56 2四銀(33)
57 2六香打
58 4二金(52)
59 1五歩(16)
60 同 歩(14)
61 1二歩打
62 同 玉(23)
63 1四飛打
64 投了
まで63手で先手の勝ち
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20181102今日の一手(その778);受けのテクニック

2018-11-02 | 今日の一手

20181102今日の一手

7月14日の名南将棋大会から、MさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金歩歩と角桂桂の交換で持ち歩があり、竜馬成桂VS竜と金を作り合っています。先手の駒得です。ただし終盤では評価を控えめに。
玉の堅さは(相手の駒を考えないで)馬と金の違いで先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は41竜43成桂(これは少し働きが弱いが)と持ち駒角金桂で5枚。
後手の攻め駒は57竜68金と持ち駒金銀で4枚。

総合すれば先手やや有利です。

何手で詰めろになるか見てみると
後手玉は52成桂62成桂で詰めろ、現状は3手すき。
先手玉は79金~78金97玉77金で詰めろ。現状は3手すき。
先手番ですから先手有利です。

☆ 大局観として
単純な寄せ合いは先手有利ですが、後手は金銀の持ち駒があるので受けることができます。52成桂同金同竜62金というのが一例。複雑なのですが、先手有利は間違いないでしょう。どう指すと有利が確定するでしょうか。
どちらの玉も3手すきですが、先手玉は駒を渡すと詰み筋が生じます。後手玉はゼットで、駒を渡しても良いという状況ですから、先手玉を安定させるのが一番勝ちやすいのだろうと思います。
寄せ合いもあり得ますが、どう受けるかという問題ととらえるほうが良いでしょう。


△ 実戦は79金と受けました。

79同金同玉58金69金48歩成

これは先手玉が後手の攻め駒に近づいています。特に と金に近くなったのが悪く、逆転しているのです。
ただし79金同金同玉58金に88玉と戻れば68金で元の図と同じ、千日手コースです。
後手としては単に48歩成

のほうが正しいです。69桂58竜36角

と打つのが攻防ですが、後手は竜にひもがついているので71金か81金と守っておいて難しいです。


△ 69桂は58竜

79金同金同玉48歩成36角

前と同じ変化に合流します。


× 79桂は

小さい駒を渡すほうが受けやすい、相手の戦力が下がるということもあるのですが、79同金同玉65桂87馬68金88玉58竜

桂を渡して馬取りに打たれるのが痛く、先手不利のようです。


○ 69金と受けると

69同金同銀と銀が離れてしまうのですが、48歩成68金

これならば先手玉が堅いのではっきり寄せ合い勝ちでしょう。駒得も利いてきます。


○ 68同馬と取って

68同竜69金38竜66桂73銀打85金

元々先手の駒得でしたから、馬と金の交換は損でも構いません。美濃囲いを構築して攻めに転じれば先手が勝ちやすいでしょう。


△ 87玉は早逃げの手筋で

後手は と金攻めに頼りにくくなります。けれど78金同馬69銀

69同馬67竜で王手馬取りです。

ということは78金には同玉しかなくて、29と(65桂ねらい)68金48竜58歩

しっかり受けたようなのですが、65桂55馬59銀64馬73銀打65馬68銀成同玉57金

後手の攻め駒は3枚ですが、先手玉が裸なので受けきったとは言えません。


× 98玉ならば

78金同馬に69銀はありません。68金88馬79銀

馬を捨てて(33角とか87金とか)で粘れるものの、面白くない展開です。


× 66角と打てば

79銀97玉58竜

(銀を持っていれば87銀打なのですが)87銀67金78金77金同角68金

しつこく攻められたら馬が消えているので受けきれないのかも。


× 87角は

78金に同角では薄いので、78同玉68銀同馬88金

69玉68竜同玉87金

うまく寄せられている感じです。入玉できれば勝ちですが、見通しが悪いです。


○ 45角は攻防で

67に利きがあるので先ほどの79銀97玉58竜87銀67金という攻め方を受けています。
今度は79金打から87銀59竜と攻められて、

97玉89金72角成同玉(72同金には61竜)52成桂

後手玉は詰めろなのです。79金88桂と使わされても、88金62成桂

で後手玉が詰んでいます。


△ 35角も攻防ですが

攻めとしては弱いです。79銀97玉58竜87銀67金

79角77金同桂89金

88銀79金同銀56角

難しい形勢です。


△か× 単純な寄せ合いは52成桂で

52同金同竜62金42竜65桂

後手は金を使っても桂を使って攻められるので、戦力が低下していません。87馬79銀98玉78金同馬68銀成

これは後手ペースの寄せ合いです。


× 52金と打つのは重くて確実な攻め方。

ただし71金62金同金で千日手かもしれません。
79銀97玉78金同馬88銀打

後手は質駒があるので駒損になる攻めも決行しやすいです。87玉52金同成桂89銀不成

どちらの銀を取っても先手玉が詰み、後手玉は71角73玉の形が詰みません。ということで後手勝ちになる変化を与えています。


○ 66桂は別の攻め筋で

詰めろではないものの、後手は駒を渡せないでしょう。いくつか受け方がありますが、73銀は52成桂同金同金同竜62金に63金

で寄せられるでしょう。

73金にも52成桂で

後手玉は2手すき。79銀87玉78金同馬58竜69金

89銀不成58金78銀不成同玉89角87玉

先手玉は詰まず、後手玉は駒をもらったので詰めろになっています。

もっと手堅く73銀打ならば35角

後手は銀を使ったので79銀が消えました。78金同馬48竜69金

今度は52成桂よりも53成桂のほうが厳しそうですね。先手有望です。


☆ まとめ

単純な寄せ合い、52成桂は後手にしっかり受けられてしまいます。
52金は質駒ですし、千日手かもしれません。

攻防になるのは45角。攻めにも守りにも利く駒の配置です。
66桂というのも後手に持ち駒を使わせるならば攻防になるのです。3枚の攻めならば受けきりやすいでしょう。

ちょっと違和感があるかもしれませんが69金が正しい金の打ち方です。79銀を防ぐわかりやすい受け方でしょう。69同金同銀という形には案外に隙がありませんでした。
駒損でも先手を取って68同馬から受けてしまうのも一考です。(これは後手が52成桂を同金と取って受けるのと同じ意味です。)元が駒得ならば考えやすいでしょう。
玉の早逃げは好手になりやすいのですが、しつこく絡まれて受けきりにできないので難しいようです。

受けるのにもいろいろなテクニックがあります。どれを選ぶかが局面によって変わってしまうというか、多くのテクニックを学ぶことで受からないものが受かってしまうと思えば楽しいです。

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