第191回は
壱11月10日(土) R1750点以上
弐11月25日(日) R1750点以下
第192回は
壱12月1日(土) R1750以上
弐12月22日(土)R1750点以下
第193回は
壱1月27日(日) R1750以上
弐1月12日(土)R1750点以下
ご参加お待ちしております。
20181104今日の一手
7月14日の名南将棋大会から、OさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀と飛歩歩の交換で、竜と金VSと金の作り合いです。先手の駒得ですが終盤では重視しません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は51竜と持ち駒角金銀で4枚。
後手の攻め駒は65角49と と持ち駒銀銀で4枚。
総合すれば後手もちです。
何手で詰めろかを見てみると、後手玉は81飛成~31竜で詰めろ、現状は3手すき。
先手玉は39銀同金同と(あるいは39銀17玉38角成)で詰めろなので現状は2手すき。
先手番ですがこのままだと1手負けなので後手有利です。
☆ 大局観として
寄せ合い1手負けですから、しっかり受けて先手玉の2手すきを4手すき以上にするか、攻防の手を指して先手玉を3手すき、後手玉を2手すきにできれば逆転です。
× 実戦は81飛成で
駒を取って攻めるのですから自然な攻め方です。39銀に玉を逃げても仕方なく、39同金同と
これで先手玉は詰めろです。56歩と受けましたが、38金17玉37金
詰めろが続いて受けられなくなりました。
△ 先に受けるほうが手堅い、駒を打つ方が手堅い、という原則があります。29金と打つのが一番手堅そう。
47銀同金同角成38銀
48と47銀同と
81飛成ならば48銀26銀37銀不成同銀25桂
49桂37桂成同桂48銀で元の図に戻り、千日手かもしれません。一つ前の図でしっかり受けられれば良いのですが、後手は と金もしっかり使えて攻め駒4枚ですから、千日手ならばやむを得ないというくらいでしょう。
△か× 29銀ならば
38角成があります。同玉しかなくて、46銀49玉47銀打
後手の攻め駒は3枚ですが上から押さえつけられています。59角58金同竜同銀成同玉39飛
後手の攻め駒は2枚になったのですが、攻めの中心だった51竜が消えたので寄せ合いにはできないでしょう。攻め駒を補充されそうで、実戦的には後手が勝ちやすいか。
△ 47銀は
39銀同金同と
65飛29金17玉65歩
75角78飛31角成28飛成31銀
素直に寄せ合った図ですが、先手玉は(詰めろ逃れの)詰めろ。穴熊の深さに負けそうです。
とすれば56歩
と受けて難しい形勢でしょう。
○ 先ほどみた56歩は
後手の65角を攻め駒ではなくする手です。39銀を取らずに17玉48と
39金同と25桂38と55角
攻防に角を打って先手玉への詰めろが続きにくくなっています。41金打81竜24金
穴熊の粘りがありますが、52と同金43桂
なるべく駒を渡さない攻め方をすれば勝ちやすいです。
△ 56銀は角取りなので攻防に見えるかもしれません。
だけどこれは銀の質駒を作るので、後手の攻め駒が減らないのです。39銀同金同と25桂56角
角を取っても詰まされる変化があるのです。
39銀同金同と には同玉
46銀同銀同角成38金
74馬81飛成47銀56歩
最善を尽くせば難しいです。
△ 56金だと
47に利きがないので条件が悪いです。つまり39銀同金同と同玉47銀
詰めろ金取りではだめでしょう。
39銀には17玉と逃げて
(56銀でもこちらの変化があります。)56角同竜48と39金同と25桂38と55角
攻防に角を打てるので難しいですが、後手から65金もあるので(65同竜同歩81飛成)難しい変化です。
△ 25桂と逃げ出すと
桂を取られないで攻めているので攻防ともいえるのですが、39銀同金同と17玉29と18金
38角成33桂不成同銀38角成28金
85飛も受けに利いているのでまだつぶれないです。(手順中、33桂不成を同桂と取っていれば25桂打がありますが、21金から詰んでいます。)
× 66角は攻防に見える手で
39銀は怖くないので47銀同金同角成に38銀
うまく受けたようでも、65馬が角取り。65同飛同歩75角78飛
31角成同銀29金39角
これは後手の1手勝ちです。
とすれば38金と打つ方が良いのですが
39銀同角38馬同玉39と47玉44金
金を持っていないと39同玉とは取れず、上に逃げていくしかないでしょう。でも44金がぴったりな感じで、入玉は難しいです。
○ 65飛と取ると
65同歩に64角と攻めます。68飛には58歩
が効くので飛車打は怖くないです。
穴熊の粘りは41飛
竜飛交換だと危ないです。53竜39銀17玉44飛同竜同金53角打
これは寄せ合い勝ちになっています。
☆ まとめ
後手の攻め駒が4枚だということもあって、金か銀を埋める普通の受けではなかなか逆転が難しいです。51竜の利きを最大限生かす手段が正解でした。
56歩で後手の攻め駒が3枚。後手唯一の大駒を封じれば受けやすいです。
65飛は乱暴なようでも、飛車を渡しても8段目の飛車打ちに58歩があるから大丈夫なのでした。後手の飛車打ちが怖くなければ、65角を消去することで1手分稼いでいるということになります。
弱い駒で受けるほうが取られても安全だということがあるのです。
(変化の中でも互いの攻防がいろいろあって、検討するのに良い題材でした。)