「マット・スカダー」シリーズ-3作目
『一ドル銀貨の遺言』原題:TIME TO MURDER AND CREATE(殺人と創造の時間) ローレンス・ブロック著 田口 俊樹訳
古い一ドル銀貨をお守り代わりに持ち歩いていたタレコミ屋のスピナーは、マット・スカダーに1通の封筒を託してきました。
その中には3人の人間をゆすっていた「ネタ」?が入っていました。 命を狙われていることに気付いてのことだったのですが、やはりスピナーは殺されてしまいます。 スピナーの死を知ったマットは、預かっていた封筒にあった彼宛の手紙を読み、約束?を果たすため3人に罠を仕掛け、マット自身も危ない目に遭ってしまいます。 思い込みや疑惑、信じきれない曖昧さ、読み取れない他人(自分)の心、等など人間って複雑。
だって他人にも自分にも嘘をつくこと、ありますよね。 ゆすられていた3人の内1人目の建築コンサルタントは自ら拳銃を口に含んで死を遂げ、2人目の富豪の妻は離婚、3人目の新進政治家は「知事」への道を諦めなければなりませんでした。 弱みを握られた者たちに勇気や覚悟があれば(仕出かしたことは許されることではないでしょうが)死ぬことも殺人に関わる羽目になることも無かったのですから・・・